1日、新型コロナウイルス新規感染者は午後9時現在、全国で2022人確認され、亡くなった人は過去最多の41人となりました。重症者は493人と9日連続で過去最多を更新しています。かつて直面したことのない事態に医療現場ではぎりぎりの戦いが続いています。

日本医師会の中川会長は、菅総理に直接訴えました。
日本医師会・中川俊男会長：「（医療）現場はどうなっているのかという話を中心にさせてもらいました。特にこれからは重症者が増えてくるので、重症者対策が本当に重要だとお話ししまして、よくわかって頂いたと思います。（菅総理から）『全力でやる』と言葉を頂いて満足しています」

東京都は、重症者のベッドを増やすよう、医療機関に通知することがわかりました。東京都には今62人の重症者がいます。先週末までに174の病床を確保していますが、予測では1カ月後にほぼ埋まってしまう見込みです。

重症患者の治療を続ける東京医科歯科大学病院では、8床のうち7床がすでに埋まっています。1床は入院中の中等症患者が悪化した場合に備えて空けてあるため、11月はじめからほぼ満床状態です。
東京医科歯科大学病院ERセンター・落合香苗医師：「経過が長い患者が増えてしまっていて、1人の患者にかかる治療日数がだいぶ長くなってきている。全体に患者の年齢が上がって基礎疾患がある人が多くなってきて、コロナ肺炎自体の治りが遅くなっている」

東京都が近く、重症者ベッドを増やすよう要請することには、葛藤もあるといいます。
東京医科歯科大学病院・荒井裕国副病院長：「我々としては心づもりはしています。つらい心づもりです。コロナ患者が増えたら一般患者の診療ができなくなる。これ以上（重症病床を）増やせと言われたら、他を減らさないといけない。もう崖っぷちの状況」

125人の重症者を抱え、病床の77.6％が埋まっている大阪府では、すでにがん患者らに影響が出はじめています。重症患者らに対応する看護師を確保するため、15歳から30代半ばのがん患者らが入院する市立病院の専用病棟が一時閉鎖されることが決まりました。また、吉村知事は看護師が不足している『大阪コロナ重症センター』を15日から稼働するため、全国知事会などに看護師の派遣を要請しました。
大阪府・吉村洋文知事：「あと40人、看護師を確保して、何とか重症センターを動かしていきたい。あらゆる手段、あらゆる努力をしていきたい」

一方で、経済3団体と“新型コロナ”担当・西村康稔大臣によるテレビ会議では、経済を止めないための柔軟な対応が求められました。
日本商工会議所・三村明夫会頭：「6カ月以上経ちまして、コロナの状況も分かってきているわけなので、しっかり感染予防していれば外食や移動の感染リスクは高くない。国民や事業者が過度に活動を萎縮することがないような、GoToキャンペーンも地域の感染状況を勘案した柔軟な対策をお願いしたい」

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