ジャパンライフ元会長ら詐欺容疑で逮捕 被害2100億円

(更新)
詐欺の容疑で逮捕され、自宅から連行されるジャパンライフ元会長の山口隆祥容疑者(18日午前、東京都文京区)=共同

磁気治療器などの販売預託商法を展開して経営破綻した「ジャパンライフ」(東京、破産手続き中)を巡り、警視庁などの合同捜査本部は18日、顧客に嘘の説明をして金をだまし取ったとして、元同社会長の山口隆祥容疑者(78)や次女で元社長の山口ひろみ容疑者(48)ら計14人を詐欺容疑で逮捕した。

警視庁によると、ジャパンライフは延べ約1万人から資金を集め、被害総額は約2100億円に上る。消費者被害としては安愚楽牧場事件(被害総額約4200億円)、ケフィア事件(同約2200億円)に次ぐ過去3番目の規模。同庁などは巨額の消費者被害の実態解明を進める。

元会長らの逮捕容疑は2017年8~11月、同社が債務超過であることを認識していたにもかかわらず、利息や元本を支払うなどと偽り、当時50~80代の顧客12人から計約8千万円をだまし取った疑い。

ジャパンライフは商品を購入して同社に預ければ「レンタル料」を支払うとする販売預託商法を03年から展開。しかし新規契約者からの入金を別の顧客への支払いに充てる自転車操業が続いたとされる。

消費者庁の指導による公認会計士の監査で15年度末時点で266億円の大幅な債務超過だったことが確認され、17年7月に同社の取締役会に報告された。しかし同社はその後も新規顧客の勧誘を続けたという。

消費者庁は16~17年、勧誘手法が特定商取引法や特定商品預託法に違反しているとし同社に計4回の一部業務停止命令を出した。同社は17年12月に経営破綻し、東京地裁が18年3月に破産手続きの開始を決定した。

被害者からの相談を受け、警視庁と愛知、秋田、福島、埼玉、岡山の6都県警は19年2月に合同捜査本部を設置。同年4月にはジャパンライフの財務状況が悪化していることを隠して顧客と契約したとして、特定商取引法違反(事実の不告知)容疑で同社の関係先約30カ所を家宅捜索した。

2019年4月、警視庁や愛知県警などはジャパンライフの関係先約30カ所を家宅捜索した(愛知県)

すべての記事が読み放題
まずは無料体験(初回1カ月)

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり