何も食べたく無い日と食べたくなる日の差が激しい。こりゃ太りますわ(笑)皆さんはこうならないで下さいね。後々大変なことになりますから。
………わしがこんなこと言っても説得力ありませんがw
それではどうぞ!
ダンジョンのボスを倒し終わったモモンは攻略隊から感謝の言葉をかけられた。
モモンは気にしないように言うと、ますます周りから英雄視された。モモンは少し大袈裟だと思いながらも名声を上げるのに都合が良かったのでそのままにしておいた。
ボスを倒すとダンジョンが崩れてしまうため、リーダーであるアウルの指示の下、採掘や魔法石の回収を終わらせるとようやく攻略隊はゲートの外に出た。
ゲートを出るとモモンはリーダーであるアウルに感謝されながら特別に追加報酬を渡すことを伝えられた。モモンは丁重に断ろうとするが「ここにいる皆の命の恩人なんだ。素直に受け取っときな」と言われ、素直に受け取ることにした。
ダンジョンの攻略が終わると漆黒の剣とモモンはその場に残りそれ以外の攻略隊は帰って行った。漆黒の剣とモモンが残ったのはンフィーレアの護衛依頼がまだ残っているからだ。一緒に彼らと帰ることも考えたがこれはあくまで自分達が受け取った仕事だ。もし、自分達の仕事に彼らを巻き込み迷惑をかけると申し訳ないからだ。
ゲート攻略が終わるとそのままカルネ村に向かいンフィーレアと合流した。合流するとンフィーレアはエンリにお別れを言いながらエ・ランテルに向かった。
エ・ランテルに帰還後、モモンはハムスケに乗りながら凱旋することにした。周りから激しく注目されたモモンは心の中で羞恥プレイだと思いながらも必死に我慢した。
組合でハムスケの登録を終わらせると途中でンフィーレアの祖母リィジーと出会う。行き先が同じなので一緒にそのままバレアレ邸に向かうことになった。しかし、家に向かうとモモンのスキル『不死者探知』に引っかかり奥の部屋に突入した。すると、そこにはアンデッドになった漆黒の剣がいた。モモンは即座に彼らを始末し、状況確認を行った。
ンフィーレアがいなくなったことと遺品を整理していると彼等の持っていた冒険者プレートがなくなっていることに気づいたモモンはそれを利用し、魔法による探索を始めた。誘拐犯が墓地に隠れていることを知るとリィジーに取引を提案した。取引の内容を聞いたリィジーは渋ったが孫の命には変えられずモモンと取引を交わすのだった。
取引が成立するとモモンはいち早く墓地に向かいアンデッドを殲滅する。すると、怪しげな連中を見つけた。魔法詠唱者の集団と漆黒の剣を殺した刺突武器を持つ女だ。魔法詠唱者の集団はナーベに任せ、モモンは漆黒の剣を殺した女──クレマンティーヌと殺し合いを始めた。
結果は圧勝。モモンは戦士としては勝てなかったものの、本来の姿に戻ると彼女を掴みその手で握り潰し、ナーベは本来の姿ナーベラル・ガンマに戻ると第七位階魔法を使いカジットを始末した。
その後、ンフィーレアの救出に向かうとそこには全裸にされており、見るに耐えない姿となっているンフィーレアがいた。モモンは原因であろうアクセサリーを取り外そうとするが直前に鑑定をかけた。鑑定の結果、外してしまうと発狂してしまうことをアイテムであることが発覚した。ユグドラシルにはないアイテムなのでナザリックに持ち帰って実験したいモモンだったが、約束を破るとアインズ・ウール・ゴウンの名が地に落ちると判断し、アイテムをその場で破壊してンフィーレアを救出するのだった。
アンデッド騒動を終わらせたモモンは組合からミスリルプレートを貰うと〈
それを聞いたモモン──アインズは一瞬間抜けな声を出してしまうが、ナザリックに帰還すると急いで確認に向かった。ニグレドにシャルティアを発見させるとアインズはアルベドを引き連れシャルティアの下に向かった。
シャルティアはアンデッドなのにもかかわらず、精神支配されていることに驚いたアインズだったが、流れ星の指輪を使い精神支配を解くつもりで発動させた──だが、結果は失敗に終わった。
精神支配が解かれないと分かったアインズは急いでその場から離れると、その正体を口にした。
そう、シャルティアを精神支配したのは──────ワールドアイテムだった。
それが分かるとアインズは準備に取り掛かった。
宝物庫からワールドアイテムを取り出し、仲間の武装を借りてアインズ一人でシャルティアと戦った。
結果はアインズの勝利。
圧勝というほどではなかったが、相性の差を経験を活かして覆し勝利を収めたのだった。
その後、ナザリックに帰還したアインズはユグドラシル金貨を使いシャルティアを復活させた。復活したシャルティアは意識が曖昧となっており、結局シャルティアを襲った犯人は分からず仕舞いとなった。
シャルティアの復活を終わらせたアインズはナザリックの強化を伝えるとアルベドから一つの提案を出された。人間の死体では40レベルほどのアンデッドしか作れないならトブの大森林に棲息するリザードマンを滅ぼそうと言うものだ。
アインズはこの提案にのることにし、コキュートスに総指揮官を任せ殲滅を命じた。結局、コキュートスが指示した軍勢は敗北してしまったものの、これもアインズの実験の一つだった。コキュートスの成長を喜んだアインズはリザードマンを支配するためにナザリック全軍を動かし、最終的にリザードマンを支配下に置いたのだった。そして現在──────
アインズは目の前のメッセージ画面と対峙していた。
何故そんなことをしているか?それはシャルティアを倒した後、メッセージが届いた。
いつもの報酬だろう。自分の子供を殺してまで報酬を貰えることにアインズは無い筈の眉を潜めると、それに目を奪われる。
転職クエスト。
そこにはそんなことが書かれていた。
転職クエストはアインズも知っている。ユグドラシルにもあったのだから。
ユグドラシルでの転職クエストはピンキリであるが、上級職であればあるほど難易度は高くなっていく。このシステムでも似たようなものだろうかと考えるアインズ。ユグドラシルの世界なら自分が取りたかったクラスを取りに行っただろうが、ここはユグドラシルとは違う別の世界。転職クエストを受けられるか心配だったアインズだが、目の前にこれが現れるとアインズは喜んだ。が、同時に複雑に感じた。
レベルアップし新しいクラスを取れることは確かに嬉しい。アインズは既に100レベル。これ以上に強くなれないのだから。だが、別のシステムのおかげでレベルアップを果たせるようになった。嬉しい筈がない。だが、仲間が置いていった大切な子供達を殺して転職クエストが発生したことにアインズは複雑に感じ、心の中でモヤモヤがずっと続いた。
結局、心の中のモヤモヤを押し殺すことにした。これ以上深く考えても無駄だ。シャルティアを殺した相手は分からず仕舞いなのだから。
アインズは転職クエストを受けることを決意すると『はい』のボタンを押す。
すると、アインズの目の前にゲートが開く。
そのゲートは攻略隊と入った時のような美しいさはなく、まるでアインズが使う〈
その禍々しいゲートの前にアインズは立ち、ゆっくりと入り始めた。
ゲートを潜るとそこに待っていたのは通路だった。
一本道で辺りを見渡せるように通路の両端に火が灯されている。
前回潜ったようなダンジョンといった雰囲気がなく逆に不気味に感じる。
すると、目の前にメッセージが現れる。
メッセージに書かれてあったのは回復の不可だった。普通の人間なら厳しいと思うが生憎アインズはアンデッド。ポーションによる回復は出来ないどころが逆にダメージを受けてしまう。レベルアップによる回復が使えないのが痛いが仕方が無いと諦め、アインズは早速魔法を唱える。
「〈
魔法を唱えると王冠を被った小指サイズの妖精と三本の足を持つ鳥がアインズの前に現れる。どちらもダンジョンを攻略するのに必要な魔法だ。初のゲート攻略の時は周りに人がいたせいで戦士化を解除できず唱えられなかった魔法だが、ここにはアインズしかいない。そのため遠慮なく使う。
アインズは案内されるがまま彼らについていく。すると、目の前に騎士が現れた。
騎士はこちらを見ると敵と認識したのか手に持つロングソードを掲げこちらに向かってくる。しかし、鎧が重いのか動きは遅く、後衛職であるアインズの目でも捉えられるほどだ。
「〈
アインズが召喚魔法を唱えると周りからアンデッドが召喚される。召喚されたアンデッドは
「やれ」
アインズの指示を受けた
自身の武器であるウォーサイズを振り上げ叩きつけるように騎士を両断しようとするが騎士の鎧は意外に固く、振り上げたウォーサイズは鎧の半分程を斬り裂くだけで止まってしまっう。
とりあえず倒し終わった
倒したと思っていた騎士はまだ生きていたのだ。
生きているのを認識した
金属同士がぶつかった金属音が響き渡ると騎士は力がなくなったようにガシャリと音を立てながら倒れる。今度こそ倒したようだ。
アインズは倒れた騎士の側までよるとじっくりと眺める。
騎士の中身を見ると中には誰も入っていなかった。一瞬アンデッドかと考えたがすぐに否定する。アンデッドならアインズのスキル『不死者探知』で分かるからだ。となると、この世界特有のモンスターかそれとも誰かが操っているのかと考えているとまたもや騎士が現れる。しかも、今度は単体ではなく複数だ。だが、これらもレベルが低いため
呆気なく倒していく様子を見たアインズは「こんなのが転職クエストなのか?」と内心呟く。
転職クエストの案内では要求レベルに達したため招待されたにもかかわらず、実際に挑んでみると大した相手ではないことに一瞬拍子抜けしてしまうが、気を引き締めそのまま進む。
アインズはそのまま露払いを
ダンジョンの奥に案内されながらコツコツと歩く音が静かに響き渡る。案内されるがまましばらく歩き続けると気づけばダンジョンのボスがいるであろう扉まで辿り着いた。通路が一本道で騎士が出る以外罠や他の通路が無かったため、折角唱えた二つの魔法が無駄になったなと感じながら準備を始める。
「〈
自身にバフをかけるとアインズの体が次々と輝く。そして魔法をかけ終わると今度はアインズの周りからアンデッドが召喚される。追加で召喚したアンデッドは
召喚した
「扉を開け」
アインズの前方にいる
扉を開けるとアインズは前方にいる
──────そこに一人の騎士がいた。
体長は大体二メートルほどで全身が漆黒のフルプレートで覆われているため肌が一切見えず、片手にはグレードソードを持っている。片手に構えるグレードソードを除けばまるでアインズが変装した時の姿、冒険者モモンのように見えなくも無い。
さらに騎士の後ろを見るとナザリックにある玉座の間を彷彿とさせるかのような長い階段の先に玉座があった。しかし、違う点はナザリックにある玉座は豪華で綺麗なものに対してこちらは同じく豪華であったであろうと思わせるものの、ボロボロとなっており、かつての美しさが完全に消えている。
ボロボロとなった玉座の前にいる騎士はまるで不在の主人を今でも待ち続けているかのように見える。その光景にアインズは一瞬自分達のNPCと重なって見えたが精神安定化のスキルが発動し、精神が落ち着くと自身の目的を思い出す。
そう、アインズは転職クエストを受けに来たのだ。もっと強くなるため、いずれシャルティアを洗脳した相手を討つためにここに来ているのだ。自身の甘い感情を切り捨て目の前の敵と対峙する。
〔騎士団長 漆黒のヴェリス〕
恐らくボスなのだろう、頭の上に名前が表示される。
これもシステムの影響だろうか?
アインズはそんなことを考えながら相手がネームド持ちであることに警戒心を上げる。
ユグドラシルではネームド持ちのモンスターは特殊なスキルを使用してくることがある。ピンキリあり微妙なスキルを使用するものもいれば、中には対策しないと一発で即死してしまうほどの強力なスキルを使用するものもいる。
アインズは目の前の騎士について何も知らない。ユグドラシルでは無知なものほど怖いものはないのだから。
アインズが扉に入ると騎士はアインズを睨みつける。
鎧越しなので睨んでいるかは分からないが瞳のような光が甲冑の隙間から見え、威圧感が玉座の間に訪れる。そして──────ついに動き出す。
先に動いたのは騎士だ。
グレードソードを片手に持ちながら恐ろしい勢いでこちらに突っ込む。
「ウォォォォォォォォ!」
それに対して迎え撃ったのは前衛に配置した
刹那──その場から
いや、消えた訳ではない。実際には吹き飛ばされたのだ。しかし、騎士の動きがあまりにも速すぎたせいでアインズの目には消えたかのように見えたのだ。
アインズはアウラのように相手の強さを測れるスキルはない。しかし、アインズは確信する。そのようなスキルがなくとも目の前の騎士の強さは自信と同等だと言うことを。
アインズはネクロマンサー。
純粋な魔法詠唱者と比べて魔法攻撃力は低いが代わりに即死魔法やアンデッド召喚に優れている。そのため召喚されたアンデッドは通常のアンデッドとは違い強化されている。しかし、目の前の騎士はアインズが召喚したアンデッドをいとも簡単に吹き飛ばしたのだ。アインズは目の前の騎士の強さを把握すると攻撃を開始する。
「〈
アインズはお気に入りの魔法の一つ〈
だが──アインズの魔法は無駄に終わる。
騎士はアインズの魔法がなかったかのように動く。そのことにアインズは驚いてしまう。
確かに即死攻撃は失敗することは多々ある。ユグドラシルでもよくあったことなのだから。しかし、騎士は追加効果がある朦朧状態にもならず動いているのだ。驚くアインズだが、すぐに別の策に切り替える。即死攻撃が効かないなら別の手段で騎士を倒せばいい。まずは騎士の耐久力を調べるため通常攻撃を開始する。
「〈
アインズが魔法を唱えると突如騎士の上に隕石が現れる。隕石はそのまま落下し、騎士の頭に直撃する。〈
アインズはすぐさま〈
一方ダメージを受けた騎士は〈
「〈
アインズが魔法を唱えると今度は騎士の身体が紅蓮の炎に包まれる。〈
騎士は炎に包まれるがそのまま
「〈
騎士の周りに霧が現れると騎士の身体が酸性の蒸気に包まれる。そして〈
すると、先程の攻撃と比べてHPが大きく削られていた。どうやら酸が弱点のようだ。弱点を知ったアインズは心の中で微笑む。ユグドラシルでは相手の弱点を知るという行為は勝ったも同然だからだ。本来ならもっと弱点を探すべきなのだがこの場にはアインズしかいない。この状況の中、アインズ一人で騎士を相手するのは大変なのだ。仕方が無いと諦め、〈
「〈
今度は三重化した〈
このままいけば順調に勝てるであろう。アインズは確信する。前衛にいるアンデッドはいずれ全滅するだろうがまた召喚すればいいだけだ。余裕が出来たアインズ。だが騎士の動きが変わる。
先程まで突撃してばかりの騎士が少し離れると腰を落としグレードソードを横に構える。その姿はまるで居合切りのようだ。
動きが急に変わったことにアインズは嫌な予感を感じる。
──突如、アインズの身体に斬撃が襲う。
いや、アインズだけではない。よく見ると前衛にいるアンデッド達もダメージを受けていた。一瞬何が起きたのか分からなかったが、すぐに騎士による攻撃だと理解する。
『虚空の刃』。
それがアインズ達に襲ったスキルの名だ。
『虚空の刃』は相手の防御力や耐性を貫通して高威力のダメージを与え、盾でガードしていてる相手であっても、すり抜けて相手にダメージを与えることが出来る斬撃を放つスキルだ。
アインズはダメージを受けたがそこまで重症というほどではなく、アンデッド達もダメージはあったもののアインズのスキルによって強化されているため無事であった。
「〈
大地から肋骨が飛び出し騎士の動きを拘束する。
アンデッドがやられていないとは言え、決して痛くないダメージという訳ではない。そのため騎士の動きを抑えようと騎士を拘束することにした。結果、上手くいき騎士の動きを抑えることに成功すると続けて攻撃する。
「〈
酸の蒸気がまたしても騎士の身体を覆いダメージを与える。
騎士は無理矢理拘束から逃れると今度はグレードソードを空中に振るう。
刹那──竜巻がアインズを襲う。
『
何もかも巻き込むかのような竜巻を発生させ相手を蹴散らすスキルでダメージのみならず、追加で相手の動きを鈍らせる効果を持つ。
やがて竜巻が消えると半分程までいたアンデッドが一瞬にして全滅した。
「暗黒儀式習熟
アインズは上位アンデッド創造の回数を二回分減らし、90レベル台のアンデッドを召喚する。
「目の前にいる騎士を殺せ」
アインズがそう指示を出すと
「〈
魔法を唱えた瞬間、アインズの周囲に闇が渦巻くとボコボコと黒い泡のようなものが出ると共に悪魔が現れる。その数なんと200体以上。本来はここまでの数を召喚することは出来ないのだが60レベル台と70レベル台の悪魔をキャンセルすることで大量召喚することが出来るのだ。
召喚が終わると悪魔達はアインズを無視して勝手に暴れ出す。アインズはそのことを気にせず超位魔法の発動を始める。すると、アインズを中心に立体魔法陣のようなものが現れた。
それと同時に懐から砂時計を取り出す。勿論、ただの砂時計では無い。この砂時計は超位魔法の発動時間を短縮してくれるアイテムだ。
アインズは砂時計を握りしめこれを破壊する。
砂時計が破壊されると超位魔法の発動時間が短縮され即座に発動可能となる。
「超位魔法〈
黒いものが召喚した悪魔に吹き抜ける。
それと同時に悪魔達は息絶えて消滅する。
すると、空中におぞましい漆黒の球体が現れるとそこから液体のようなものが地面に落ち──黒き仔山羊が現れる。
仔山羊達は決して可愛いものではなく、無数の触手を生やしたおぞましいほどの怪物だ。
これは〈
「さぁ、仔山羊達よ、あそこにいる騎士を殺せ」
『メェェェェェェェェェ!!』
おぞましい仔山羊達に命令を下すと
その巨大な体格を生かし前足や無数の触手を振り下ろし攻撃を開始する。
だが、騎士も負けてはいない。
数が不利でも無数の触手を見事に避けながら
このままいけば騎士が勝つだろうが、その隙をアインズは見逃さない。
「〈
アインズが連続で魔法を唱える。弱点である酸による攻撃が騎士を襲う。〈
黒い瘴気のようなものだ。身体から滲み出るとそのまま身体全身に纏い付く。
『逆鏡の黒騎士』。
それが騎士が発動させたスキルだ。
HPがギリギリにならないと発動しない常時発動型のスキルだが発動するとHPの減少力に応じて全ステータスを強化され、拘束による無効化、属性攻撃によるダメージ軽減、弱点である酸のペナルティを消してくれるスキルだ。
スキルが発動すると突如、騎士の動きが変わる。
アインズは強化魔法によってある程度見えていた戦いが今では騎士の動きが速すぎて見ることが出来ないでいた。しかし、ボスが追い詰められているのを知ったアインズは畳み掛けるように魔法を唱えようとする。
「〈
アインズが魔法を唱えようとすると目の前に騎士が現れる。
アインズは仔山羊達と
だが、それは違う。騎士はまだ倒していない。なら何故ここに現れたのか?
『刹那』。
それが騎士が目の前に移動した正体である。
指定した場所まで一瞬で高速移動するスキルで効果は単純だが、転移ではないため妨害されることがない便利なスキルだ。似たスキルに『縮地』というスキルがあるがこちらは真っ直ぐ移動するだけなので『刹那』の方が上位互換のスキルと言える。
一瞬にして目の前に現れた騎士はそのままグレードソードの横柄で叩きつける。斬るのではなく叩きつけたのはアインズがアンデッドだと分かってのことだ。アンデッドに斬撃は通じるものの、ダメージが軽減されてしまう。しかし、殴打攻撃ならばダメージが軽減されるどころか逆に大ダメージを与えられるからだ。
殴られたアインズは吹き飛ばされながら殴打攻撃をした騎士に驚愕するが急いで魔法を発動される。
「〈
吹き飛ばされたアインズは咄嗟に〈
「〈
騎士がグレードソードを掲げ近づくとアインズはギリギリのところで転移魔法を使い回避する。
もう一度叩きつけようとした騎士だが目の前にいたアインズが消えるとグレードソードが空振りに終わる。
「〈
距離を取ったアインズは魔法を唱えると騎士の周りから膨大な数の骨槍が出現し、騎士に一斉に襲いかかる。
しかし、膨大な数の骨槍をまともに受けた騎士だが難なく立ち上がるとアインズの元に向かおうとする。
『メェェェェェェェェェ!!』
だが、それを仔山羊達と
先程まで騎士の相手をしていた仔山羊が鳴き声を上げながら戻ってくると騎士に襲いにかかる。
騎士は邪魔だと言わんばかりにグレードソードを振るいながら同時にスキルを放つ。
その隙を見てアインズは畳み掛ける。
「暗黒儀式習熟
アインズはまたも暗黒儀式習熟を使うと
「
アインズが指示を出すと
「〈
「〈
「〈
「〈
「〈
様々な魔法が騎士に襲いかかる。
炎が氷が雷が騎士の全身を覆いさり、次々とダメージを与えていく。しかし、騎士も負けてはいない。先程のスキル『逆鏡の黒騎士』により属性攻撃の軽減と酸の弱点を消しているお陰で
「〈
属性攻撃が効きにくくなっていることが分かったアインズは無属性攻撃を行う。
最初に放った時の隕石が今度は三重となって騎士を押し潰す。
それを受けた騎士は耐え抜くが既にかなりのダメージを負っており、HPが一割を切った。
騎士はグレードソードを振るい最後の一匹である仔山羊と
仔山羊達と最初に召喚した
アインズの近くに待機していた
騎士にはもうHPがほとんど残っていない。そんな中でこれだけの敵を倒せないと判断した騎士は向かってくる敵を倒すのではなく払うことにし、そのまま真っ直ぐアインズに向かい止めを刺そうとする。だが──────
「終わりだ!〈
アインズの方が一歩早かった。
ギリギリのところでアインズは魔法の中で最高峰の火力を持つ〈
三つの斬撃がアインズの手から放たれると騎士の身体を切り裂いた。
まともに斬撃を受けた騎士はグレードソードを両手で持ち上げたまま──────その場で停止した。
騎士の動きが止まると静寂が広がりお互いの動きが止まる。
一体どれほどの時間が経過しただろうか?
数秒が数分かそれとも数時間か。たった数秒の静寂があまりにも長く感じる。
ガシャン
金属音が静寂した玉座に響き渡る。
騎士が地面に膝をついた音によるものだ。
騎士はそのまま力なく地面に身体を預けるかのように──倒れた。
こうしてアインズの勝利に終わった──────
アイスクリーム食べたい…………だがっ!?このままでは………いつまで経っても痩せれない………!!!!どうすればいいんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
はい、という訳で今回はここまで。
次回もお楽しみに!