「ぬっふっふっふっふっ、とうとう、とうとう手に入れたわ……」
迷いの竹林に囲まれたここ永遠亭の一室にて、待ちに待った品物を前に怪しげな笑みを浮かべる一人の因幡、鈴仙・優曇華院・イナバ。
目の前にちょこんと置かれた小包を開けると、中から一冊の妖しげな本が現れた。
本のタイトルは『今日から貴方も催眠術師 byゴツゴゥ・シュギー』という凄まじく胡散臭いものだった。
本来ならこんな本など信じる彼女ではなかった、この本という例外を除いては―――――
この本との出会い、それは数日前に遡る。
たまたま彼女が読んでいた雑誌の広告欄にその本の紹介文があった。
とにかく効く、なにがなんでも効くと言わんばかりの派手派手しい装飾と謳い文句の数々。
そして隅っこのほうに申し訳なさげに置かれたお決まり文句、『効果には個人差が云々』の口上。
そして何よりその作者名の胡散臭さが広告の信憑性を更にそぎ落としているよう見えたのだった。
(こんなもん効くわけないのに……ん? !こ、これって……!)
そんな広告を何気なく眺めていた彼女の赤い瞳に飛び込んできたあるもの。
利用者の声の欄に書かれたある人物の感想と目線入りの顔写真だった。
『いつもは聖母のようなひじ……姉さんもこの催眠術のおかげで立派なさでずむに早変わり!先生には本当に感謝しています。P.N寅○ ☆』
折角のペンネームなのだが、バレバレであった。
というか顔写真に目線が入っているものの、その特徴的な髪の色のせいで誰だか一目でわかるし、そもそも仮にも毘沙門天の弟子を名乗る彼女がそんなことしていいのかとか、あえてさでずむ化とかいい趣味してるじゃないのとか色々気になったが、それは置いておくことにした。
鈴仙にとって重要なこと、それはこの催眠術には、元人間とはいえ現在では立派な大魔法使いとなった彼女を堕とすほどの効力をもっているということだった。
もしこの本に書いてある催眠術の技と自らの狂気の能力を足し合わせたとしたら。
できるかもしれない、あの月の頭脳を堕とすことも。
清楚にて妖艶、少女のようで女性のような、あのクールな仮面を剥ぎ取り、素の表情を晒すことも。
そう考えたとき、すでに彼女の手には昔ながらの黒電話の受話器が、しっかりと握り締められていたのだった―――――
「よし、あとはこれを師匠に飲ませて……」
中に入っていた指南書に従い、精製した催眠剤をお茶を混ぜたお盆に乗せ、目的の部屋に向かう。
あの医薬品の第一人者を相手に催眠剤なんて効くのだろうかと不安になる鈴仙だったが、その内容には驚かされた。
その件の彼女の元で薬学を学んだ自分ですら始めてみるような斬新な精製法……というより薬膳料理のレシピでも読んでいるかのような感覚で、しかも本のタイトルは伊達ではなく、ほんの一時間程で出来上がってしまった。
(でもほんとに効くのかなぁ、これ)
若干の不安が残るが、そこは自身の力でフォローすることにした。
万が一失敗しようとも、まぁそれはそれでいい思い出になるだろうし、その辺は深く考えないように努めた。
なおまったくの余談になるが、お茶に薬を仕込もうとしたところをたまたま通りかかった因幡てゐに目撃されてしまい、口封じのため彼女を拘束し猿轡を噛ませ、たまたまポケットに入れておいたバイブをはめ込み、押入れに押し込んだこと。
そしてそれをわずか十秒という短い時間の中でこなしたことは鈴仙だけにしか知らないことである。
「師匠、お茶をお持ちしました!」
「御苦労様、入っていいわよ」
一拍間を置き、戸を開け中に入る。
丁度作業が一段落着いたのだろうか、机の上に筆を置き、しなやかな銀髪をなびかせ振り返る、月の頭脳こと八意永琳。
柔和で人柄の良さを感じさせる優しい微笑、所作一つ一つをとっても無駄の無いその姿は麗人と呼ぶに相応しいものだった。
(あの師匠がこれから……うふふ)
湧き出る笑いを悟られぬよう、薬入りのお茶を渡す。
ありがとうと軽く会釈を交わし、湯飲みに軽く口付けると湯気の立つお茶を一口、ゆっくりと飲み下した。
(よし飲んだ、次は……)
「お師匠様、お味はいかがですか?」
「美味しいわ、いつもありがとうね」
「えへへー♪じゃあ頭撫でてください」
擦り寄るように永琳のすぐ横、というより息がかかるほどの至近距離まで詰め寄り、妖しく微笑む鈴仙。
そして瞳に力を集中させ、最後の工程に移る。
「師匠……♪」
「ちょ、ちょっと鈴仙?」
「師匠……『――――――』」
「え……今なんて?」
狂気の波長とともに、魔法の言葉を囁く。
「あっ……!?」
瞬間、目から光が消え全身から力が抜けたかのようにへたり込む永琳。
そのまま倒れてしまわないよう身体を支える鈴仙。
(効いたの、かな?)
虚ろな瞳と半開きな口元。
そんな姿にどこか儚げな色気を感じながらも、とりあえず催眠が効いているか確認に移る。
「あの師匠、お加減はいかがですか?」
「……なんかふわふわして、る」
「自分の名前、わかります?」
「……八意、永琳」
「ここはどこですか?」
「永遠亭の、貴方の部屋」
「私の名前は?」
「……えっと、うどんげ?」
最後の答えは若干疑問系だったが、とりあえず記憶はしっかり残っているらしく、ここまでは計算どおりといったところだろうか。
それならば、と次の段階に移る。
「師匠、ちょっとお願いがあるんですが、いいですか?」
「……なに?」
「えと、おっぱいみせてくださいっ」
「なんで?」
「見たいからです!」
「そう」
ともすれば天然かと思われかねないような返事とともに、なんの躊躇いも無く洋服のボタンを外しはじめる。
二つ、三つと外したところで、服の間から黒い下着と、その下着の中から魅力的な谷間が顔を見せた。
(おお!こんなにあっさり!)
「これでいい?」
「ぶ、ブラも取ってください!」
新たな要求に小さく相槌を打つと、手を背中側に回し、ホックを外し両肩からブラを外す。
それと同時にゆさっという音が聞こえてきそうな程の大きさをした、二房の果実が姿を現した。
芸術品のような美しい形と温かみに溢れた色合い、母性とエロスを混じり合わせたような甘い香りの漂う乳房とその頂点を彩る桜色の乳首。
男女問わず全てを惹きつけるような、見事な一品だった。
「でっかぁ……それにすごく綺麗……」
「これでいい?」
(よし、これならいける、かも)
「もういい?」
きょとんとした表情のまま再びブラを着けなおそうとする永琳。
それを静止し咳払いを一つ、更なる要求を続ける鈴仙。
「師匠、裸みせてください!」
「ん、わかったわ」
(おおおおっ!)
言うが早いがそのまま残るボタンを外し腰の帯を解き、洋服を足元に落とし、黒いショーツを下ろし、一糸纏わぬ姿になる。
ガードの固い彼女がこうもあっさり素肌を晒す、その無防備な表情と姿に、鈴仙は催眠術の成功を確信した。
「これでいい?」
「は、はい。ありがとうございました」
じっくりとその裸体をじっくりと堪能したい衝動に駆られるが、鈴仙は我慢することを選んだ。
なにせ、ここからが本番なのだから。
「師匠、着ながら聞いてください」
「なぁに?」
「今から言うことをよぉく聞いてくださいね。私が師匠の前で手を叩いたら師匠は―――――――、となります、わかりましたか?」
「……わかった、わ」
「一旦催眠解きますけど、今言ったこと忘れちゃ駄目ですよ。それでは師匠、起きてください」
鈴仙の合図に合わせ、永琳の瞳に光が戻り、眠たげだった表情に目覚めの色が見える。
いつもの服装にいつもの雰囲気が戻り、徐々に意識も覚醒しつつあるようだった。
「あら……私、今なにを……?」
「師匠、大丈夫ですか?ちょっとぼーっとしてたみたいですけど」
白々しく心配する鈴仙。
今、永琳の意識の底に眠っている催眠術のことは、彼女にしかわからぬことであり、当然永琳には自分が今まで何をしていたかなど、知る由もなかった。
数秒前の記憶を辿ろうと、額に手を当て思索する師匠の眼前に手を伸ばし、ニッコリと微笑み、パンッと手を叩く鈴仙。
「し・しょ・う♪」
「え、なにかしら?」
「大丈夫ですか♪」
眼前で突然手を叩かれ、わけがわからずきょとんとする永琳。
とりあえず何がそんなに楽しいのか目の前でにやにやしてる弟子に事情を聞こうかと口を開く。
「ねぇうどんげ、貴方なにかっ……―――っ!?」
しかし、その質問が続けられることはなかった。
口元を押さえ、身体の奥から迫りあがってくるある感覚を押し戻す。
全身の毛穴が広がり、身体が芯から燃え上がるかのような、灼熱感が永琳の身体を苛む。
「師匠?」
「っく……ご、ごめんなさい、まだちょっと気分が悪いみたい、失礼するわね……」
頭上で疑問符を掲げる弟子を尻目に、足早に部屋を後にする。
聞きたいことは色々あったが、今の彼女にそんな余裕はなかった。
顔を赤く染め、そそくさと退室する師匠を見送ると鈴仙は僅かに笑みを浮かべ、自らの能力で位相をずらし姿を消すと、ゆっくりとその後を追うのだった。
「ん……んぐ、んぅ……はぁっ!はぁ……の、のどが……」
八意永琳は困惑していた。
火がついたかのように身体が火照り、全身から水分が抜けきったかのように、ひどく喉が渇いて堪らなかった。
あの後、転がり込むように台所に駆け込み、作り置きの麦茶を流し込んいたが、一向に喉が潤うことはなかった。
「もう、んくっ……どうして」
「あ~、喉渇いたー!あ、永琳様!」
五杯目の湯飲みを空にし、六杯目を注ごうとしたところで、声をかけられる。
声の主はここ永遠亭で輝夜のペットとして飼われている妖怪ウサギ、その中でも人型への変化を修得した一羽だった。
半そでの服と膝丈のズボンに少年らしい黒い短髪、そこから覗く白いウサギ耳以外はごく普通の人間の男の子といった感じの少年イナバだった。
「あ、あら、貴方も何か飲む?」
「はい、外で遊んできたら喉渇いちゃって」
「そう、じゃ、じゃあどうぞ」
「はい、いただきます!」
悟られぬように平静を装い、別の湯飲みを渡す永琳。
彼女自身もどうしようもないほどに喉が渇いているのだが、ペットに自分の焦燥しきった姿を見せるなど、できれば避けたいことだった。
彼女のプライド的に。
(とりあえず部屋に戻って症状を調べないと……)
美味しそうに麦茶を飲む少年イナバを残し、自室に戻りこの渇きの原因を調べようと、名残惜しむように湯飲みから手を離し、その横をすり抜けようとしたその時。
(……あ、れ?)
「え、永琳様?」
(あ、ぇ、私……なにを……?)
そのまま少年の前にしゃがみこみ、ズボンに手をかける。
少年因幡はほんのり頬を染め、どうしていいかわからない様子で固まってしまっている。
(あれ、か、身体が、勝手に……あれ、あれ?)
「ど、どうしたんですか?永琳様」
「えっと、こ、これは、その……そう、検査よ検査」
「け、検査ですか?」
「ええ、だから心配しないで、楽にしてていいからね」
狼狽する少年因幡を落ち着かせると、下着ごとズボンを下ろし、性器を露出させる。
それと同時に下半身からほんのり甘酸っぱい汗の匂いが永琳の鼻腔を直撃する。
その少年の若い性臭を胸いっぱいに吸い込むと、自然と喉の奥から生唾が湧き、子宮が甘く疼く。
(あぁ……この匂い……これ、欲しかった、匂い……)
喉の渇きも身体が勝手に動いたことも、最早どうでもよかった。
この全身を襲う渇きを癒すことができる物が、今目の前にあるということが、永琳には本能で理解することができた。
十分にその匂いを堪能すると溢れ出る唾液をそのままに、少年因幡の性器をぱくりと口に咥えた。
「うぁ!?え、永琳様!」
(ふぁ……おい、ひぃ……」
未体験の性感に少年因幡は思わず腰を引くが、逃げられないよう腰に腕を回し、再び根元まで咥えこむ。
口内で少しずつ膨らみつつある性器に絡み付けるように舌を這わせ、唇で優しく扱くように出し入れする。
「逃げひゃらぁめ♪」
「あぅ!うっ、えい、りん……さまぁ……」
「んふっ、ひもひいい?」
「あっ、わ、わからな、変な、感じです」
「うふふっ♪らぁこっひも」
「あ、ひっ!?いひゃ!ひぁあ!」
少し楽しくなってきたのか、片方の手で陰嚢を軽く揉み、もう片方の手で軽く肛門をなぞる。
鈍い痛みとこそばゆさと快感を混ぜ合わせたような未知の刺激に少女のような声で喘ぐ少年因幡。
「え、永琳様!なんか、なんか変なのが……ああっ!」
「んん、んん、んじゅっ、ひいわ、いっぱい、んぐ!らしなさいっ」
「ふあ、あああ……ああっ、んあっ!!」
とくん、とくん、とぴゅっ!
「んぐっ、んぐ!」
「ああ、はぁっ!あああ!」
(ああ……すごいぃ……頭、溶けちゃいそう……)
性器が一際大きく膨らんだと感じた刹那、脈動と嬌声と共に口内いっぱいに精液がぶちまけられた。
焼け爛れるような熱を帯びた青臭い白濁液が味覚と嗅覚を白く染め上げ、脳を甘く塗りつぶしていく。
口内にへばりつく白い粘液を味わうたび、極上の美味に身体が震え、喉を通り胃に流れ込むたび、求めていた潤いと多幸感で胸がいっぱいになる。
長い長い脈動を終え、半萎えになった性器の先から残った精液を一滴も残すまいと綺麗に吸い取り出す。
「ひっ……ひふっ……!」
「んじゅる……ちゅる……すごく濃くて、うん、ばっちり健康ね♪」
「あっ、はぁぁ……ありがとう、ございます」
「ふふ、お礼を言うのは私のほうよ♪でもまだまだ出し足りないでしょ?もっと調べてみないといけないみたいね」
「ふぁ……はぃ、お願い、しますぅ……」
「素直で大変よろしい。それと、そこに隠れてる貴方たち」
「「!」」
いつから気づいていたのだろうか、台所に入り口から数人の少年因幡たちがこちらを覗いていた。
皆顔を赤く染め、悪戯がばれてしまったかのような表情でこちらに集まってきた。
「ご、ごめんなさい!僕たち、何も……」
「いいのよ、みんな男の子だもの。それよりも、ね♪」
胸元のボタンを外しつつ舌なめずりをする。
緊張と期待に赤く染まる少年因幡たちを品定めするかのような視線で優しく、そして妖しく微笑み呟いた。
「さ、みんなおちんちん出して♪楽しく検査しましょ♪」
その言葉を合図に少年因幡たちは群がるように永琳に飛び掛っていった。
「あ、ふあっ!なんか、す、すごいです」
「あらあら、こんなにおちんちんのカスいっぱい溜めちゃって……綺麗にしなきゃ駄目よ?」
「はいっ!き、気をつけます」
「んちゅ、んふふ、包茎君のチンカス、美味し♪」
包茎気味の少年因幡の性器にこびり付いた恥垢を舐りとり、唾液と混ぜ合わせわざとらしく音を立て咀嚼する。
本来なら吐き気すらするような味や匂いも、今の彼女にとってはこの上ない美味に感じられた。
「僕も!僕もしてください!」
「もう我慢できなくなっちゃった?ちょっと待っててね」
「あの僕もお願いします!」
「貴方中々立派なおちんちんしてるわね。それに、可愛いタマタマ♪」
「あっ、で、でます!白いの、あっ、うあ!」
「んぷっ!ん、んぐ……んん、はぁ……おちんちん気持ちよかった?」
矢継ぎ早に突きつけられる性器を両手でそれぞれ扱き上げ、口で舐り絞り取るように射精を受ける。
普段の清楚さなど微塵も感じさせない蕩けきった表情で卑猥な単語を並べながら若く青臭い精液を味わい尽くす。
その強烈な色気に当てられたのか、因幡たちも何度射精してもまったく衰えるようすを見せず、快楽に身を委ねる。
「あ、も、出ます!手に、手に出ちゃ……!」
「あら早いわね?そんな早漏君には、それ♪」
「あぎっ!ぉああ、おひりぃ……あぁ、ああ!!」
「きゃ!もー、早漏君のザーメン、髪にかかっちゃったじゃない」
「ご、ごめんなさ」
「でも悪くないわね、さぁみんなのチンポ汁で私の髪の毛、べっとべとにしちゃって♪」
「はい、出します!先生の髪の毛、出しまっ、くぅ!」
「僕も、出るっ!」
びゅる!びゅぶ!びゅー!ぴゅ!
両隣の因幡から放たれた精液で永琳の髪が白く染め上がる。
プラチナのような美しい銀色に濁った欲望の液体が、歪な彩を添える。
「くっさぁい……♪素敵よ、みんなのザーメンシャンプー♪」
「あっ、永琳様、お顔にも……!」
「あっはぁ、次はザーメンパックぅ?みんな意外と変態さんなのかしらね」
「だ、駄目、ですか?」
「駄目なんてとんでもない♪さ、みんないっぱいチンポ汁ぶっかけてぇ♪」
「はい!出し、ます!あっく!」
「僕も、ふぁあ!」
「あ、こっちも、出ます。うっ!」
びゅぷ!ぶびゅ!べちゃ、たぱぱっ
一斉に放たれた白濁液が永琳の顔に降りかかる。
長いまつげ、通った鼻筋、赤く染まった頬、桜色の唇を真っ白に染め上げ、その姿を覆いつくしていく。
鼻先にこびりついたゼリー状の精液がぷらぷら揺れ、滑稽でありながらもどこか妖艶な雰囲気をかもし出した。
「ふぁぁ……ザーメン……幸せぇ……」
「せ、先生……あの、これ」
「んん、何かしら……え、これ、って……」
「せーの「「「「僕たちからのプレゼントです」」」」
因幡たちによって手渡されたもの。
それは透明なコップに半分近く溜まった少年たちの精液であった。
永琳によって搾り取られてる最中、身体の空いた者たちで少しずつ溜められたものであった。
「先生、すごく美味しそうにしてたから……どうですか?」
「ありがとう……最高のプレゼントよ♪」
「えへへ、どうぞ飲んでください」
「ええ、それじゃあ……いただきまぁす♪」
ずず、ずずぢゅるる、んぐ、んぐ、こく、ごく……
少しずつ少しずつ、舌に絡ませ、歯で味わい、口内を濯ぐように頬を動かし、ゆっくり胃に収めていく。
髪や顔に白濁液をこびり付かせ、更に内側から全身を青臭く染め上げていく。
淫らで穢れきった、どこまでも幸せそうな笑みを浮かべ、最後の一口を愛しむように口に収め、軽くうがいをすると、ゆっくりと飲み干すと、言いようの無い幸福感に全身を震わせ、一筋の涙を流したのだった―――――
「いやー素晴らしいもの見せてもらっちゃったわぁ……」
自室で一人呟く鈴仙。
あの後少年因幡たちから、それこそ一滴残らず搾り取った永琳は、全身に精液を纏わり付かせながら、次の獲物を探しに台所を出たところで、再び鈴仙の催眠によって、眠りについた。
その後永琳の身体を綺麗に洗い流し、先の出来事を全て忘れさせ、少年因幡たちにも口裏合わせをし、現在自室にて一服中と相成っている。
「それにしてもあの師匠があんな痴女みたいに……ゴツゴゥ先生様様ってとこね~♪」
顔も本名も知らぬ謎の催眠術師に心の中で拝みつつ、次の計画を練り始める。
「次はどうしよっかな……あんなことしてもらったり……あ、でもでもそんなこともさせちゃったり、いやー、楽しみ楽しみ!」
永遠の園で、一羽のウサギが妖しく笑う。
彼女の黒い欲望はまだまだ尽きることを知らないようだった―――――
「そういうことだったのねぇ、うどんげ……」
「ぴっ!!?」
地の底から這い上がってくるような声に、凍りつく鈴仙。
油の切れた機械のようにぎりぎり音を立てながら振り向くと、そこには笑顔のようで笑顔で無い、決定的に何かが違う表情の永琳の姿が。
具体的には目がまったく笑っていなかった。
「あ、ああああの、いっいいいつから、そぉそそこにぃ!?」
「どうにも今日一日の記憶が曖昧でね、貴方なら何か知ってるんじゃないかと来てみれば……全部聞いてたわよ」
「あ、あははははは、さ、さすがしししょうすばらしいすすすいりで……」
「うどんげったらそんなに催眠術を極めたかったのねぇ、言ってくれればよかったのに」
相変わらずの表情で手をわきわきさせながらじわりじわりと歩み寄る永琳。
鈴仙の全身に鳥肌が立ち、嫌な汗がどっと吹き出る。
この先の展開は読めなくもなかったが、それでも彼女は聞かずにはいられなかった。
「あああの師匠、どど、どうかお許しを……」
「心配しなくていいわ、このツボが成功すれば貴方の催眠術の技術は倍になるわ」
「いやあの師匠、それ失敗フラ」
「はいグリッと♪」
ずりゅぅ
「はお゛ぉ!!あ゛っ、ぬ゛ふぅ……!」
「あら、間違ったかしら?」
肺の奥から全てを吐き出したかのような音を漏らし悶絶する鈴仙に対し、まるで悪びれる様子を見せない永琳。
目の前でビクンビクンのた打ち回っている獲物に狙いを定めるその目は、猛禽類もかくやと言ったところだった。
「うーん、仕方ないわね。とりあえず片っ端から試してみるとしましょう」
「まっ、ししょ……肋骨と奥歯が……がたがたと」
「せいっ♪」
「あひっぃいいん!」
「ほいっと♪」
「あにゃああぁあああぁああ!!」
「さぁて、次はどこのツボから試してあげようかしら」
「も、もぅ、無理……」
「心配要らないわ、私は天才よ。経絡とかあんまり知らないけど♪」
「あ、や、あ、あぁ……」
「た、助けてえーりぃぃいいいん!!あ、あっ、らめぇぇぇえええぇえええ!!!」
その後、半日以上にも渡り鈴仙の自室から悲鳴が途絶えることは無かった。
そして翌日、そこには首から下だけ妙に筋肉質になり、心に爽やかな風が吹いたような顔をした鈴仙の姿があったのだった。
・・・アミバに吹いたw