@chablis777
シャブリ

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(千代)うちは かわいそやない。
明日も きっと 晴れやな。
(テルヲ)戻ったで~!
(栗子)こんにちは。
この人が 今日から お前のお母ちゃんや。
はあ~っ!?
おうおうおう… 待て待て。
なあ… 前のお母ちゃんのことはすっぱり忘れてこれからは あの人のことをお母ちゃんって呼ぶんやで。
そら あんまりやわ。千代ちゃん ガツンと言うたり!
文句あんのか?これからはあの人に家のことやってもらえんねんな。まあ… おう そやな。
ヨシヲの面倒も見てくれんねんな。そら なんちゅうても お母ちゃんやさけ。
ほしたら うち 学校行けんのか?うち 学校行けんのやな!
でかした! ようやった!
よっしゃあ~!学校や! 学校行けんねや!
何や うれしいんかい!
学校や! 学校やないか!
学校や 学校や! 学校や~!学校や~!
♪「オレンジのクレヨンで描いた太陽だけじゃ」
♪「まだ何か足りない気がした」
♪「これは夢じゃない(夢みたい)」
♪「傷つけば痛い(嘘じゃない)」
♪「どんな今日も愛したいのにな」
♪「笑顔をあきらめたくないよ」
♪「転んでも ただでは起きない」
♪「そう 強くなれる」
♪「かさぶたが消えたなら」
♪「聞いてくれるといいな」
♪「泣き笑いのエピソードを」
♪~
・(鶏の鳴き声)
娘の千代や。 まあ こねなお父ちゃんと一緒になったってくれて おおけに!
「こねな」は余計や。ヨシヲ よかったな。
新しいお母ちゃんやで。(ヨシヲ)うん!
うち 今から 役場行て明日から学校行く言うてくるさけ。
なあ テルヲさん お風呂どこ?風呂? 風呂なんかあるけ。
あっ 水汲んできたらあ。
気ぃ付けよ。おう ほな。
風呂は あの… えっと…。
<お母ちゃん…お母ちゃんのことは忘れやぃん。けど これからは あの人のことをお母ちゃんて呼ぶ。 堪忍>
話が違うやんか。えっ? 風呂あるて言うたけ?
ううっ… こぼれた。
何もしやぃんかてええ。一生 楽さしたるて言うたやんか。
おう そや。 楽さしたろ。 楽さしたろ。
今日は もう… 楽さしたる! 飲もう。
(鶏の鳴き声)
そして 翌朝。
姉やん おなか減った。 姉やん。
姉やん 姉やん。お母ちゃんに言いな。
あかん。
お父ちゃん 朝やで!
朝! 朝! 朝! 起きろ! 起きろ!栗ちゃん 栗ちゃん 栗ちゃん…。
ちゃう! ちゃう! ちゃう!栗ちゃ~ん!
♪~
堪忍な 堪忍やで。
千代ちゃん 今日から学校やろ。急がな遅刻すんで。
あっ! しもた! あっ…。
(ヨシヲ)姉やん 行っといで!うん!
あっ!(転ぶ音)
(玉井)はい 今日からみんなと一緒に勉強するお友達です。さあ 挨拶してください。
竹井千代です。
あっ シラミは もう わいとれぃんさけ。
(玉井)では 国語の授業を始めます。各自 墨をすってください。
この子は隣の小林さんとこのえ~と あ~ え~ あっ…。
勝次 よろしいにな。
それや 勝次君や。
(勝次)弟 ほったらかしか?
新しいお母ちゃん 来たさけ。
お母ちゃん!?
どねな人や?
そら べっぴんさんで 優しいてどえらい働き者や。
多分な。
(いびき)
え~ それでは 37ページの13「学校へ持っていくもの」。
ここを竹井さんに読んでもらいましょう。小林君 教科書 貸してあげて。
え~。
(勝次)字 読まれやぃんのとちゃうけ?
読まれやぃんのとちゃう。習とれぃんだけや!
おんなじやんけ。(笑い声)
はい 静かに。
(玉井)ひいの ふうの みい!
(おなかが鳴る音)
今日の弁当 何?はっ? おはぎやで。
ばあちゃんの おはぎはやわらこうて 甘うて…。
よっしゃ! それ貰た。何言うとんねん。
そやさけ 自分と うち弁当賭けて かけっこ勝負や。
ふ~ん おもろいやんけ。で われの弁当 何や?
あとのお楽しみや。
(玉井)次 小林君と竹井さん。(2人)はい。
<こねなやつに負けるかいな>
ひいの ふうの みい!
待って… 待って待って待って!
遅っ!
勝った~!
約束やろ さっさと弁当よこせ。
しゃあないな。 ほら うちの弁当や。好きなだけ食い。
う~わっ えらい透き通ってるって…どあほ! 持ってきとらんのけ!
おんどりゃあ! だましくさったな!やんのけ コラ!
すっかり仲ようなったみたいですね。どこがや。
先生 千代が わいに嘘を…。
(泣き声)(玉井)おお… どないしました?
先生… 小林がな 弁当忘れたうちにおはぎ分けてくれようとしたんやけどうちが つい 意地張っていらんって言うてもうて…。あん?
しゃあけんどほんまは うれしかったんや。
堪忍な 小林君。 おはぎ おおけに。
お前…。(玉井)偉いぞ 小林君!
みんなも 小林君を見習うように。はい 拍手!
(拍手)
すばらしい友情です。さあ 竹井さん 遠慮のう食べなさい。
はい。
う~ん…。
おいしいな。
当たり前や。おばあちゃんの おはぎは 日本一や。
ほっぺた落ちるなあ。残り ヨシヲに持ってったり。
おおけに。
♪~(三味線)
♪「お月さんが ちょいと出て松のかげ」
♪「はい 今晩は」
ヨシヲ! ええもん貰てきた…。
何や これ…。あっ やっと戻ってきたがな。
どねなってんの これ!
何かお金になりそなもんあれぃんかな思て探したんやけどこの家 ほんま ろくなもんあれぃんなあ。
おなか減ったわ。 晩ごはん早めに頼むな。
えっ… ほれやったらお母ちゃんは何すんね?
何も。何も?
そねな約束やねんもん。テルヲさんに聞いてみいな。
あの あほんだら。
家のこと何もしやぃんかてええてどういうこっちゃ。
えっ… あれや あの栗ちゃんな 昔から あの 体弱いねん。
無理さしとったら かわいそやんけ。
かわいそなんは うちや。 ほな 何か?
これからは あの人の分も ごはん作って洗濯しやなあかんの?
若いうちの苦労は買うてでもせえっちゅうねん。
若すぎるやろ。 うち まだ小学生やど。
それや それ。 お母ちゃんがヨシヲの面倒見てくれるさけおまん 学校行けたんやろが。どねやった? 学校。
そら まあ 楽しかったけど。ほれ 見てみい。
栗子お母ちゃんに感謝しやな あかんど。あのな 女に ほれるっちゅうのは理屈やあれぃん。
あの日 お父ちゃん 博打に負けて道端で身ぐるみ剥がされて気ぃ失いかけとったんや。(おなかが鳴る音)
(テルヲ)そこへ三味線の音がチチン テン トツン 現れたんや。姉やん おなか減った。
(テルヲ)わいの弁天さんが。そや おはぎ 貰てきたで。
おはぎ?うん 行こ。
お父ちゃんは 博打に負けて博打に勝ったっちゅうわけやな。
(鳴き声)
流星丸よ ついに その時が来たんけ。
(千代 ヨシヲ)おはぎ おはぎ おはぎ おはぎ。
おはぎ おはぎ おはぎ おはぎ おはぎ…。あれ…。
ここに置いといた おはぎ知らん…。
おんどれ おはぎ食いやがったなあ~!
おはぎ~!(泣き声)
ヨシヲに謝ったって!うちにも謝ってほしいけど。
(泣き声)
(栗子)そねに大事やったら名前書いとき。
この ごんたくれが。
この家のもんは みんなのもんや。あんただけのもんとちゃう!
あんたなんか お母ちゃんとちゃう!
(ヨシヲ)おなか減った~。
ヨシヲ 待っとき。今 おかいさん作るさけ。
(泣き声)
どいて。 貸して。
♪~
明日も晴れやな…。
よっしゃ。
(テルヲ)うわあ~!
えらいこっちゃ!栗ちゃんが 出てってもうた!
はっ?栗ちゃん! 栗ちゃん! 栗ちゃ~ん!
それから また テルヲはしばらく帰ってきませんでした。
どこ行ってもうたんや 栗ちゃん!


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