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ケフィア事業振興会、高齢者から多数の心配の声

公開日付:2018.06.28

 高齢者を中心に数万人とみられる個人会員への支払いが一部滞り、会員からの訴訟や仮差押などトラブルに発展している(株)ケフィア事業振興会(TSR企業コード:298080745、東京都千代田区、以下ケフィア)。
 ケフィアは、東京商工リサーチ(TSR)の取材に「システム移行に伴う支払遅延」と説明していた。だが、ここにきて「社長が取材を拒否する」と取材拒否に転じている。
 6月15日、TSRがケフィアの記事を公開後、TSR情報部に相談の連絡が数十件、寄せられた。問合せは高齢者が中心で、「支払いを求めているが、今でもケフィアから毎日のように新たな契約を促すダイレクトメールが届いて腹立たしい」、「昨年末に満期を迎えた元本と配当が振り込まれない」など、深刻な内容も少なくない。
 ケフィアは6月下旬、会員向けに「振込遅延のお詫びと振替えのお願い」を送付し、経営環境が厳しいことを明らかにした。契約の振替は、現在の残高を新たに1年契約で、中途解約が原則不能の金銭消費貸借契約(年利15%)に移すことを求める内容だ。
 契約に詳しい弁護士は、「新たな契約に振替えると遅延している契約の返済を求めることが難しくなる可能性がある」と注意を喚起しており、振替え契約は慎重な対応が必要だ。

年利20%を超える利息のDMを送付

 TSRが独自入手したDMは、「かぶちゃん農園のももジュース オーナーのご案内」で、山梨県産の桃を原料とするジュースのオーナー制度だ。1口5万円で、契約期間は6カ月。Aコースは買取りコースで、ケフィアが半年後に1口5万円のジュースを5万5,250円で買い取る。年利に換算すると20%を超える計算になる。Bコースはお届けコースで、ももジュース36本(5万7,600円分、1本1,000ml:1,600円)を届けるという。

ケフィアが送付しているダイレクトメール

ケフィアが送付しているダイレクトメール

 ケフィアは、支払いを遅延しながら新たな購入を促すdmを送り続けている。さらに一部商品では、利息支払いを1年以上後ろ倒しの振替えも求めている。これでは会員への真摯な姿勢を疑われても仕方ない
 ケフィアの高齢会員は、「訴訟したいがケフィアの経営が悪化しても(返済されなくなり)困る」と、複雑な心情を吐露した。
 ケフィアから支払いが遅れている個人会員の多くは、「ケフィアと連絡が取りづらく、ようやく連絡がついても返済時期などの説明が納得できない」と、一様に憤りを隠さない。
 会員は高齢者が多い。ケフィアは、遅延の理由と解消時期の明示責任を問われている。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年6月29日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

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