「「感染性エアロゾルの粒子サイズ...」、@neznezxmail さんからのスレッド
「感染性エアロゾルの粒子サイズ」(Lancet Res Med 9/1)
大切に思われる箇所を随時抜粋
●感染性エアロゾルは物理/生物法則に従う、"空気における粒子内の病原体の懸濁(suspension)"である
●気流/希釈換気による除去がない限り5μm以下の粒子は無期限に空気中に残ることができ、下気道に沈着する
(1)
●エアロゾルプルーム(噴煙)の粒子濃度は最も高く長時間長距離にわたって空気に広がる、ときに7〜8m
●2m以内の地面に落ちる粒子径は60〜100μmであるが、くしゃみによって6mを超えて浮遊しうる
●重要な問題は、病原体がこれらのプルームに含まれているかどうか、大きさが伝播と一致するかどうか
(2)
●現在の主たる呼吸器感染症感染対策は咳やくしゃみによって生じる5μm以上の飛沫で感染する前提に基づく
●"指標症例への近接性は飛沫拡散と一致"という近接度はしばしば飛沫のプロキシと考えられてきた
●空気感染は浮遊飛沫が乾燥した飛沫核に起因し5μm以下と定義されてきた
→引用?
「しかし」
(3)
●様々なデータから感染性エアロゾルは研究/方法/病原体の違いはあれ、幅広い範囲の粒子径で存在し、ほとんどの呼吸器感染は主に大きな飛沫感染に関連するという概念を支持する証拠はない
●小粒子エアロゾルは例外ではない
●これらは"乾燥"と関係なく発生し、速やかに吸入されうる大きさである
(4)
●過去に提案された現在の二分法による感染制御ガイドラインを更新する必要があろう
●エアロゾルは患者近くで"最も濃度が高く"、離れるにつれ分散する
●近接した範囲の感染伝播が呼吸器飛沫拡散を定義するという論理は誤りである
(5)
●呼吸器病原体の感染伝播のばらつきは、患者が放出する"物理的な粒子径"に依存するだけでなく、病原体が乾燥やエアロゾル化および空気を介した伝達のストレスに耐える能力、空気の移動・温度・湿度などの環境要因、そして宿主防御といった生物学的要因に依存しているように思われる
以下具体例
(6)
①結核
●結核患者の咳エアロゾルを直接測定したところ、培養可能な結核菌の96%は4〜7μmより小さな粒子に含まれており、>7μmではほとんど認められなかった(A)
●ある研究では薬剤耐性結核患者のほぼ半数が咳エアロゾルを発生させており生菌数が最も多いのは2.1〜4.7μmの範囲であった
(7)
②緑膿菌(嚢胞性線維症患者より)
●結核菌患者で観察されたものよりわずかに大きい粒子径分布が得られた(B)
●ある研究では咳エアロゾルから生存可能な緑膿菌は4mを浮遊し、最大45分間培養可能な状態を維持できた
(8)
③インフルエンザ
●ウイルスRNAの35%は4μm以上の粒子に含まれ、65%は4μm以下の粒子に含まれていた(Fig)
●ある研究では咳によって患者の82%がウイルスを含む小粒子(<4.7μm)を放出したのに対し、より大きな粒子を放出したのは57%であった
(9)
咳エアロゾルに続き、次は呼気エアロゾルについて
●呼気エアロゾルの粒子径の研究では、病原体は一貫して<5μmの小粒子に含まれていた(Table)
●呼気に含まれるほとんどの粒子は4μmより小さく、中央値は0.7〜1.0μmであった
(10)
●ある研究ではインフルエンザウイルスRNAを含むほとんどの粒子(87%)が1μmよりも小さいことが判明した
●また「呼気」のインフルエンザウイルスは「咳」よりも"より小さな"粒子に含まれていることも示されている(Fig)
(11)
●「呼気」における病原体の存在を説明する最も可能性の高いメカニズムは、虚脱した細気管支開口部がエアロゾルを発生させることであるが、声帯閉鎖や声帯振動などの説もある
(12)
次はRoom airサンプルについて
後日