@chablis777
シャブリ

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(千代)戻ったで~! ヨシヲ~!
(栗子)やあ そちらも今お帰り?(テルヲ)おう どっか行っとったんけ?
退屈やったし うちも ちょっこし町まで行ってたんや。
(テルヲ)ああ。(栗子)ほんで どねやった?
え? そら もう どっさり たんまりやで。
えらいこっちゃ!そねなことより ヨシヲは?
(栗子)ああ 隣に行っとき言うといたけど。はっ?
(ヨシヲ)姉やん…。
(足を滑らせる音)
(雨音と雷鳴)
翌朝 村のみんなが 行方不明になったヨシヲを捜すために集まりました。
すまんのう。
うちも行く。(きみ)千代ちゃん。山の中やで。 だんないか。
だんない。
♪「オレンジのクレヨンで描いた太陽だけじゃ」
♪「まだ何か足りない気がした」
♪「これは夢じゃない(夢みたい)」
♪「傷つけば痛い(嘘じゃない)」
♪「どんな今日も愛したいのにな」
♪「笑顔をあきらめたくないよ」
♪「転んでも ただでは起きない」
♪「そう 強くなれる」
♪「かさぶたが消えたなら」
♪「聞いてくれるといいな」
♪「泣き笑いのエピソードを」
♪~
ヨシヲ!ヨシヲ!
おんねやったら返事せえ!ヨシヲ!
ヨシヲ!ヨシヲ!ヨシヲ!
(勝次)ヨシヲ!(辰夫)ヨシヲ!
ヨシヲ~!ヨシヲ~!ヨシヲ~!
ヨシヲ~!ヨシヲ~!
ヨシヲ~!
ヨシヲのや…。
ヨシヲ~! ヨシヲ~!
何か聞いてないか?どっか行きたいとか。
そやさけ 知らん言うてるやろ。
もっと よう思い出してみ。あんた母親やろが。
母親ちゃうわ。 何も知らんくせに偉そなこと言わんといてんか。
な… 何や その態度は!
あんたがな 目ぇ離せへんだらこんなことにはならへんのやど。
うちのせいちゃうわ!
帰るまで小林さんとこ行っときって言うたんやさけ。
それ一人で帰したんは 小林さんやん。
はあ? やい われ!うちが悪いっちゅうんけ?
上等や 表出え この あばずれ!女郎まがいの ドスベタが!
誰が女郎まがいのドスベタや。
・ヨシヲ~! ヨシヲ~!
千代ちゃ~ん こっちや こっち!
・ヨシヲ~!姉やん! 姉やん! 姉やん!
ヨシヲ! 待っとき。 すぐ行くさけ。
うっ!
だんないか 姉やん。
あほ。 それは うちの言うこっちゃ。
あんた 何で…。
よっしゃ 帰るで。
足 痛い。
ヨシヲ~!ヨシヲ~!ヨシヲ~!
ヨシヲ~!ヨシヲ~!
千代~! ヨシヲ~!
うっ…。
何で千代まで おれぃんようになんねんあの どあほ~!
(辰夫)何しとんねん 捜せ!
姉やん 堪忍な…。
だ… だんない だんない 大事ないで。
姉やんが助けたるさけ。
<お母ちゃんと約束したんや。あんたのことも 家も うちが守るて>
<あかん おなか減って動かれやぃん…>
<何や この ええ匂い…>
♪~
おいしい…。 ものすご うまいで!
おいしい。
わっ!
堪忍! おなか減ってて つい…。
(彦爺)一人で山へ入ったらいかんちゅうたやろ!
堪忍…。
しゃあないやっちゃなあ。
(彦爺)みんな 自分らのことを捜しとる。
道を教えてやるさけ。おおけに。
(豚の鳴き声)
これ 何? こね うまいもんうち食うたことあれぃん。
そら 豚の餌にする食パンの耳や。
豚の餌!?
(鳴き声)
あかん!豚の餌食うたら 豚になってまう!
豚は嫌やあ~!
(テルヲ)ほんまに すまんことやった!
こうして 迷子になったヨシヲとそれを捜して迷子になった千代ちゃんは無事に家に帰ることができました。
無事で よかったやんけ。お前 豚の餌 食うたんけ?
やかましわ。余計なこと言いな あんたは。
もちろん 千代ちゃんもヨシヲも豚にはなりませんでした。
これで めでたしめでたし…とはいかへんわ。
♪~
約束と全然ちゃうやんけ。もう信用できやぃん。
あの子ら追い出すか うちと別れるかどっちか選び。
追い出すて そねなことしてみい周りに何言われるか。
なら うちと別れるんやな。そんなん 嫌や!
このカス。カスて…。
栗ちゃんかてそねな体で 一人で どねすんねや。
すぐ別の男 見つけるまでや。
(テルヲ)ちょ… ちょっこと待って。う~ん…。
あの子ら 奉公に出したら どね?
そねしたら食べんのに困ることもあれぃんし。
それこそ ここにおるよりなんぼか幸せなんとちゃうけ?
知り合いの口入れ屋にええとこ紹介してもらうさけ。なっ 決まりや。
・(テルヲ)ほやなあ…。
(鶏の鳴き声)(テルヲ)ほな 行ってくるど。しばらく戻れへんよってな。
気ぃ付けてな。せえだい商いしてきてな。
ゆっくりしてきて ええさけな。
何や 気色悪いのう。行っといで。
行ってくるわ。ああ。
(鶏の鳴き声)
火事?
火事や! 火事や!
火事や!
あんた何すんねん!
何や 火事言うさけ火ぃ消したろ思たのに。
(栗子)わざとやな。
あんたのせいで ヨシヲは 一晩中冷たい雨の中やったんや。
それに比べたら何ちゅうことあれぃんやろが。
このクソガキ!
<これ離したら 鶏の餌が落ちてぬれた体に張り付く。そしたら 鶏があいつに一気に襲いかかる。寝巻き姿で鶏に追いかけられてんのを村中みんなに見られたら恥ずかして恥ずかして もう ここにはおられぃんようになるはずや>
<追い出される前にこっちが追い出したらあ!>
(玉井)竹井さん…。先生!? あっ あっ あっ…!
あっ…。
こねなことしても無駄やで。
出ていくのは あんたの方や。
ハハハハハ。
ほんまに すんません。
これで拭いてください。ああ ありがとう。
けど 先生 何で うっとこなんかに。
竹井さん しばらく学校来てへんやろ?どないしたかな思てね。
あの そのことやけど うちやっぱり 学校には もう行きません。
どうして?あっ…。
あの…あの女に弟のこと任しとかれやぃん。
どうせ 今から学校行ってもいっこも勉強ついていかれやぃんしな。
先生 わざわざ来てもろて おおけに。
けど うちは普通の子みたいになられやぃんわ。
こんにちは。
♪~
あの女に食わすもんは あれぃんさけ。ええな ヨシヲ。
えっ そやかて…。
(ノック)
あっ こないだの… どねしたん?
ああ? ああ そこの こまいのがこないだ これ探しとったさけ。
何や それ。うん?
(彦爺)腹痛に効く薬草や。 ほれ。薬草?
ヨシヲ おなか痛かったんけ?
見つけて お母ちゃんにやる言うとったけど。
お母ちゃん?
こないだ おなか痛そうにしてたやろ。
うちに?
♪~
あんた… うちのために一人で山に?
♪~
千代ちゃんは この時にやっと気ぃ付いたんや。
ほんまのお母さんのことを何も覚えてへんヨシヲにとってはこんな栗子でも初めて知るお母さんなんやてことを。


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