上段は558286,下段は1397155、どちらも汚れている場所や故障箇所に違いはあるが、セレン光電池やメーター関係は非常にシッカリしている。特にセレン光電池は劣化したのを見たことが無い、とても良い。ビュウティライト、オ、マチクにも用いられている様に思う。両機ともオーバーホールをすることにした。カメラのボディNoはだいたい6桁から始まるのが普通だがもある、7桁まで有ると云うことは百万代以上製造されたという事実が伺える。非常にポピュラーで素晴らしいカメラだ。
ヘリコイドは2台ともスムーズには動いていたのだが分解してみるとご覧の通りでグリスも状況によって色々に変質していることが判る、ゼリー状になったり量が少なくなっていたりする。
ヘリコイドリングをフロントパネルに取り付けるまでを大凡の順番に写真にしてみた。とても丁寧に造ってある。発売された当時は、このカメラ1台を仕入れるのに不人気なカメラを2台ほど抱き合わせで買わされたりした物だから、「高級機だけ造っていれば良い物を、安物を造りやがって!」と思って腹を立てていたが、修理に際し分解する度に、その機構のすばらしさに感心するばかりで「さすがキャノン!」と思い直したことがあった。
シャッターやシボリの組み立てだがシャッター優先式のオート機構なので、シボリ羽根のコントロール法がとても素晴らしい。どんな微細な光量変化にも反応する位柔らかでスムーズな動きをする。
相当性能の良いセレン光電池だ、劣化したのに逢ったことが無い。それに繋がるメーターとオート機構の動きの良さにも感心する、シャッターボタンと連携して正確で素晴らしく動く。ファインダー内でシボリ値も確認できる。
ファインダーグラスも取り外さないと隅々に付いた手垢を取り除けない。ファインダーのホコリも極力キレイに掃除をする、各部微調整の上組み立て終了。
大変キレイにし上がった。2台ともレンズは殆ど無キズだ。まわりにセレン光電池が附いているためf1.9のレンズが附いているのにf2.8位のレンズが附いている様な感じがする。