DOWAは、絶えず“技術立社”という志を忘れず、
独創的な技術力で自らの位置づけを確立し、
その中で力強く成長を続けてきた。
激動の時代を乗り越え、130年という月日を積み重ね、
そして今、資源循環型事業を展開するグローバル企業となったDOWAの歴史とは?
創生から発展、転換、そして成長から未来へ。その足跡を辿る。
1884年
創 生
明治政府より小坂鉱山の払い下げを受け、DOWAの歴史が始まる。
その後、「黒鉱」と呼ばれる複雑硫化鉱から有価金属(金・銀・銅など)を余さず分離・抽出・製錬する、「自溶製錬法」を開発。このブレークスルーによって今につながる事業の礎を構築した。時代は金本位制への移行、世界恐慌を経て、そして太平洋戦争へと突入。戦況の変化により国内の鉱山会社が軒並み苦境に陥る中で、当社も国策会社に吸収されるなど、激動の時期が続く。
- 1884年
- 前身である藤田組が明治政府から小坂鉱山の払い下げを受ける
- 1898年
- 小坂が黒鉱乾式製錬の操業開始
- 1899年
- 岡山で児島湾干拓事業に着手
- 1902年
- 黒鉱自溶製錬の操業開始。現在に至る独自の製錬技術の基礎を築く
- 1915年
- 岡山で柵原鉱山を買収
1945年
発 展
終戦を迎え、「同和鉱業」に社名を刷新。鉱業界の復興を目指してのスタートを切る。戦後の農業発展政策による肥料業界の活況を受け、肥料向け硫酸の原料となる硫化鉄鉱の生産を増強。また、秋田で黒鉱の新鉱床を次々と発見。高度経済成長期の工業発展の流れにも乗り、さらには貿易自由化の恩恵も受け、事業は一気に拡大路線へ。そしてこの時期に培った技術や保有インフラは、現在コア事業の一つである環境ビジネスへとつながっていく。
- 1945年
- 社名を同和鉱業株式会社に変更
- 1953年
- 柵原の硫化鉄鉱を活用して硫酸を製造する岡山製錬所(現・DOWAエレクトロニクス岡山)を設立
- 1957年
- 大阪で豊崎伸銅所を子会社化。金属加工事業を開始
- 1958年
- 自動車産業に不可欠な熱処理技術に着眼し、東京熱処理工業(現・DOWAサーモテック)を子会社化
- 1959年
- 小坂で黒鉱の新鉱床を発見(内の岱鉱床)
- 1967年
- 黒鉱増産に対応するため、小坂で新たに自溶炉を導入し銅精鉱の増処理を推進
1970年
転 換
変動相場制の移行や2度に渡るオイルショックの影響、さらにはプラザ合意を契機に進行した円高ドル安と金属価格の長期低迷により、国内鉱山が次々と閉山される事態へ。そんな時代背景の中、当社も新規事業へと舵を切り、加工部門の強化に加え、川下分野への展開や多角化へのシフトで閉塞状況の打破を図る。そして海外にも活路を見出すアプローチで米国に進出。さらには環境・リサイクルビジネスも本格的にスタートする。
- 1971年
- 臨海型亜鉛製錬所の秋田製錬飯島製錬所を設立し、製錬コンビナートを構築
- 1975年
- 同和金属工業豊岡工場完成。大阪工場から移転完了(現・DOWAメタル)
- 1977年
- 廃棄物処理を行う岡山鉱油を設立。環境・リサイクル事業を開始
- 1982年
- 半導体材料研究所(現DOWAセミコンダクター秋田)を設立し、半導体事業を開始
- 1990年
- 小坂内の岱鉱山閉山
- 1991年
- 小坂で白金族リサイクルを開始(日本ピージーエムを設立)
- 1997年
- 米国で熱処理加工を開始

2000年
成 長
グローバル化の進展により、企業の活動環境が大きく変化する中、当社も「選択と集中」により、鉱山・製錬技術を活かす独自の資源循環型事業へと方針転換する。その結果、環境・リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理という将来性のある5つのコア事業に経営資源を集中。そして持株会社制へと移行し、DOWAホールディングスとして、多様な事業をグローバルに展開する新たな成長ステージへと突入する。
- 2000年
- 5つの事業部門をコア事業と位置づけ、事業構造改革を開始
- 2002年
- 金属加工事業が中国に進出
- 2006年
- 持株会社制へ移行し称号をDOWAホールディングスへ変更。本社を秋葉原に移転。金属加工事業がタイに進出
- 2008年
- 小坂で新型リサイクル対応炉(TSL炉)の操業開始
- 2009年
- M&Aにより環境・リサイクル事業がインドネシア、タイ、シンガポールに進出
- 2012年
- シンガポールで貴金属リサイクルを開始。熱処理事業がインド、インドネシアに進出。タイで亜鉛加工を開始
- 2014年
- 環境・リサイクル事業がミャンマーに進出
- 2015年
- 金属加工事業が台湾に、熱処理事業がメキシコにそれぞれ進出
- 2016年
- 金属加工事業がメキシコに進出
- 2017年
- ロス・ガトス鉱山プロジェクト(メキシコ)始動
現在
未来への展望
1884年に秋田の鉱山・製錬事業から始まった当社の歴史は、時代の変化を乗り越えて、現在は独自の循環型事業に変化し、サステイナブルな社会の構築にも大きく貢献。DOWAグループの製品・サービスは、積極的なグローバル展開を進めており、今や全世界の事業所数は100カ所を超える。今後も長年の経験を活かしながら、“技術立社”という志を胸に、DOWAにしかできないことに挑み、他社には真似のできないものを創り続けていく。