企業には、朝昼晩と時間を問わず様々な営業電話がかかってきます。
代表電話の窓口を担当することの多い総務や管理課の方は、取引先からの電話連絡もあり、鳴った電話は取らないわけにはいかず、対応に苦慮されているのではないでしょうか。
毎回営業電話の対応をしていると、業務に支障が出るだけでなく、誤った断り方をしていると何度もかかってくることもあり、時間ばかりが取られてしまうとお悩みの方も多いことと思います。
そこで本記事では、かかってきた営業電話を早く終了させ、さらに二度とかかってこないようにするための営業電話の上手な断り方をご紹介いたします。
営業電話のジャンル
会社宛にかかってくる営業電話の業態は様々です。電話に出た際に「あれ?怪しいな」といち早く気づけるよう、かかってくることが多い主な業態をご紹介いたします。
電気料金の提案
電気料金が安くなるといった謳い文句で話してきます。その際に、NTTなど大手企業の名前を出すこともあり、油断してしまうこともありますので注意しましょう。
光インターネット
電気料金と同じく大手企業の名前を出し、注意を引く手法もあるようです。よくよく話を聞いてみると大手企業とは関係はなくただの代理店だったということもあります。
コピー機(複合機)
コピー機の買い替えを提案する内容でかかってくることが多いようです。自社で使用しているメーカーからの電話ということもあり得ますので、営業電話かどうかの判断が難しいものになります。
空調設備
どのメーカーの空調を使っているか、という聞き方で電話を切らせないようにすることがあります。うっかり答えてしまうと情報の提供にもなりますので話に乗らないことが大切です。
法人向け携帯電話
大手企業が法人向けに、電話での飛び込み営業をすることはほぼあり得ません。こういった電話をとった場合は営業電話確定といっていいでしょう。
ホームページ制作、SEO対策
ホームページの制作はもちろん、すでにホームページをもっている会社はページの強化やSEO対策の勧誘電話がかかってくることがあります。知らない単語を交えながら次から次に話し出すのが常套手段です。
もし、興味のある内容であった場合はまず電話を切り、インターネットで評判や電話番号を検索して信頼できる会社か確認しましょう。
営業電話の見分け方のコツ
営業電話の営業マンは、担当者に繋いでもらおうと、あの手この手で話してきます。すぐに営業電話と分からないようなトークを使ってきますので、この章では営業電話の見分け方のコツをご紹介いたします。
見分けやすい例
すぐに担当者に繋ごうとしてくる
営業電話のゴールは商品を売ることです。そこで、特定の人物を指定せずに、「○○のご担当者の方にお願いします」とコンタクトを取ろうとしてきます。
取引がある人物ならば相手の名前は知っているはずです。曖昧な言い方で担当者に繋ごうとする場合は営業電話の可能性が大です。
電話の向こうがガヤガヤとうるさい
コールセンターから一斉にかけていると思われます。おそらく他の会社にも同じ電話をかけていますので営業電話で間違いないでしょう。
自分の社名を名乗らない
社名を名乗らず、大手企業の名前を看板にして話出します。こういった場合は、代理店からの営業電話が大半です。
こちらが話すタイミングを与えない
電話に出た瞬間から一方的に話し始めます。とにかく強引に話を進めようとする営業電話の手法です。
見分けづらい例
営業とは言わず「ご案内」と言い換える
「○○のご案内でお電話しています」といった、ご案内電話も営業電話になります。
営業ですか?とたずねてもご案内を強調し営業であることを認めない営業マンもいます。認めなくとも営業には変わりありませんので、お断りをしましょう。
エリア担当者のご挨拶電話
このエリアの担当になったという理由でかけてきます。エリア担当の挨拶は表向きの理由ですのでこれも営業電話となります。
役職や業務担当宛でかかってくる
電話をかけてくる営業マンは、担当者名がわからないままかけてきます。そのため、役職や業務担当宛という形で話してくるのが特徴です。
代表者でないと話ができないと言い張る
用件を聞こうとしても、「代表者でないと話ができない!」と一点張りの場合は注意が必要です。本当に代表者でないとできない話の場合、直通電話などにかけるか、きちんとアポイントをとっているはずです。
知り合いを装う
代表者の知り合いを装いかけてくることや、取引のある相手といったそぶりで話してくることもあります。丁寧に対応せざるを得ない状況を利用した悪質な営業手段です。
営業電話の断り方
営業電話は場面によって断り方が変わってきます。
- 電話をとってすぐに断る場合
- 担当者の名前を相手が知っていた場合
- 何度もかかってくる場合
上記3つのシーン別に断り方をご紹介いたします。
電話をとってすぐに断る場合
「恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか?」
この言葉をこちらから切り出すことで、長々としたやりとりを省略することができます。こういった言い方をされるとほとんどの営業マンは、本題であるセールスの話をせざるを得なくなってしまいます。
以下に、すぐに使える切り返しをご紹介いたします。
- 申し訳ありませんが、全てお断りするようにと言われております。
- 弊社は、新規のお取引は控えさせていただいております。
- 必要な場合はこちらから折り返しいたしますので、今後のご連絡は不要です。
- せっかくのお話ですが、弊社では今のところ必要ありません。お手数ですが電話先のリストから外していただけないでしょうか。
セールスの話が出た際にはこちらから切り返し、きっぱりと断りましょう。
担当者の名前を相手が知っていた場合
展示会などでの名刺交換やホームページを見ていた場合など、電話先の相手が担当者の名前を知っていることがあります。
この場合もすぐに担当者に繋ぐことは控えましょう。まずはどのような用件でかけてきたのかを聞いた上で、担当者と相談します。
担当者に聞き、関係がないと判断した場合は断りを入れ、電話を切りましょう。
ここできっぱりと断ることで、その担当者宛の営業電話を減らすことができます。
担当者宛の営業電話をとった場合は、「担当者は不在です」という言葉を使ってしまいがちです。しかし、この言葉を使うことで、担当者の名前を聞かれ教えざるを得ない状況になるだけでなく、担当者がいつ戻ってくるのかを聞かれることになります。
余計な時間がかかり、さらに次回もかかってくることになるため気をつけましょう。
何度もかかってくる場合
会社にかかってくる電話はいつも同じ人が取るとは限りません。それを利用して何度も営業電話をかけてくることがあります。
そう言った場合は、社内でその名前を共有することが大切です。その電話番号から電話がかかってきた際にははっきりと断りを入れることで、何度もかけてくる行為をやめさせることができます。以下に例文をご紹介いたします。
- 前もお断りしたはずですが、これ以上はしかるべき対応を取らせていただきます。
- 社内で検討し、○○様とお取引をすることは考えておりません。
厳しい言い方ですが、何度もかけてくる無礼にはこのくらいの毅然とした態度がちょうどいいでしょう。
気をつけたい断り方のマナー
営業電話はこちらの迷惑以外何者でもありません。しかし、よほどの非常識的な電話でない限り、ビジネスマナーとして丁寧な対応が必要です。
話し方や対応は相手の態度にも反映されてしまうもの。こちらが丁寧な対応を心がけることで、相手が強引な営業をしづらい状況を作ることもできます。
さらに、営業電話をかけてきた相手と今後お付き合いがある可能性もあります。電話に出た自分は会社の顔であると意識して、できるだけ丁寧な対応をしましょう。
まとめ
営業電話は、対応に手間取ると自分の作業時間が削られ業務を圧迫してしまいます。さらに、うっかり担当者へ繋いでしまうと軽率な判断として自分の評価を下げてしまうことにもなりかねません。
- 用件を聞く
- 担当者に繋がない/確認する
- 担当者の名前や予定は教えない
- きっぱり断る
- 社内で情報共有する
まずは最低限、この5つのポイントを抑えれば営業電話の対処としては間違いありません。
迷惑な営業電話をしっかり対処して、業務時間のロスを防ぎましょう。
コメント