佳代さんはA氏に繰り返し「圭には父親の存在が必要」「母子家庭という負い目を負わせたくない」と語ったという。そんなA氏と佳代さんは'10年9月に婚約した。
「恋愛感情というより、圭くんの父親代わりになれれば、という思いからでした。敏勝さんがいかに圭くんを大切に思っていたかを聞いていましたから。
婚約したといっても、同居もせず、マンションのお互いの部屋を行き来するのも数えるほど。佳代さんとの間に肉体関係もありませんでした」
佳代さんからA氏への金銭援助の依頼が始まったのは婚約直後からだ。最初は、'10年11月に圭さんの国際基督教大学の入学金45万3000円を求められたことだった。その後も、生活費など、様々な形で要求が続く。
「夜中に電話がかかってくることもあり、毎月のように金銭を求められた。圭くんの留学費用として、200万円を振り込んだこともあります」
A氏にとって、それらはすべて小室家に貸したものであると認識してきた。例えば'11年3月に佳代さんはA氏に以下のようなメールを送っている。
〈申し訳ありませんが、当分の生活費をお借りしても良いでしょうか〉
佳代さんは明確に「借りる」という言葉を使っているのだ。積み重なったカネは約400万円にのぼった。
A氏は佳代さんからの度重なる金銭の要求によって、精神的に負担を感じ、'12年9月に婚約の解消を申し出た。'13年に佳代さんへ借金返済を求める文書を送ったが、「400万円は借りたわけではなく、贈与である」という返答のみだった。