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食べても食べても痩せる

糖尿病で痩せる理由

血糖値が非常に高い際に、自分の膵臓からでるインスリンが少ない、またはインスリンがうまく作用しないと、食事から摂ったブドウ糖をエネルギーとして使わずに、体内の脂肪や筋肉のタンパク質をエネルギー源として分解してしまうため、体重低下(食べてもやせる)が起きます。急激に痩せた場合は極度のインスリン不足の可能性があり、注意が必要です。

糖尿病以外に考えられる原因

がんや甲状腺機能亢進症などの病気も疑われます。

  • 悪性腫瘍(がんなど)
  • 感染症(結核、HIV、亜急性心内膜炎)
  • 内分泌疾患(副腎不全、汎下垂体機能低下症、甲状腺機能亢進症)
  • 慢性消耗疾患(COPD、心不全、関節リウマチ)
  • 肝不全、薬剤(ジギタリス、抗がん剤)
  • アルコール
  • 精神疾患(うつ病、認知症、摂食障害)
  • 神経疾患(パーキンソン病)

インスリンは
太るために必要なホルモン

インスリンは太るためのホルモン

「糖尿病」といったら、「太っている」というイメージがないでしょうか?
でもやせている患者さんもたくさんいます。その理由は「インスリン」にあります。
インスリンは『太るために』必要なホルモンなのです。インスリンは膵臓から分泌される血糖を下げてくれるホルモンですが、血管の中の糖分を、血管の外に出してくれる働きがあります(「血糖値」とは「血」液の中の「糖」分の値です)。血管の中に糖分がとどまったら、血液のお砂糖分が多すぎてドロドロとなり、動脈硬化を引き起こすからです。
ただ血管の外に出た糖分はどこにいくのか?その行き先がお腹周りの脂肪なのです。
つまり、人は食事を摂ったら血糖が上がるのですが、インスリンによって血液の中の血糖はお腹周りの脂肪に移動させられるのです。だから食事をたくさん摂った場合、その分お腹周りの脂肪に移動する血糖が増えるので、太る!のです。これが「太る」ためのメカニズムなのです。
ですので、「糖尿病患者さんでやせている人」は、膵臓が小さくてインスリンを出すパワーが少ない⇒血糖値が下がりにくい⇒お腹周りの脂肪がつきにくい⇒太らない、でも血糖値は高い、ということなのです。
初診の糖尿病患者さんが診察室に入ってこられた時、「痩せている!」ことが分かった時点で、「”痩せている糖尿病患者さん”のための治療」を行うことになります。

”痩せている糖尿病患者さん”
のための治療

糖尿病治療は①食事療法、②運動療法、③薬物治療(お薬、注射)がありますが、”痩せている糖尿病患者さん”に対しては、①食事療法は基本的に行いません。もちろん食事のバランスが崩れている場合などはその調整を行いますが、治療の柱は②運動療法と③薬物治療となります。

とくに今話題の糖質制限は、勧められません。”痩せている糖尿病患者さん”は、糖質制限で血糖値を下げるという目的は達成できても、体重がさらに落ち、失うもの(免疫力、骨密度など)が大きすぎます。
実際は、血糖値を②運動のみで下げるほど甘くはありませんので、③薬物療法を選択することが多いのが現状です。少々荒い表現をしますが、太っている糖尿病患者さんは食事制限をして痩せさえすれば血糖値は下がりますので、比較的容易に治療は可能です。しかし痩せている糖尿病患者さんは、薬物療法がメインとなりますから、我々糖尿病専門医の腕の見せ所と言えます。お薬の選択についてですが、その患者さんの膵臓の大きさ(インスリン分泌能)によっては、効果の少ないお薬もあり、インスリン注射がベストな選択となることもあります。

糖尿病の危険度セルフチェックリストSIBO Check List

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簡単!糖尿病の危険度セルフチェックリスト

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