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障害予兆時にサーバーが自動通報するHPEのサポートサービス

障害予兆時にサーバーが自動通報するHPEのサポートサービス

2017年05月12日更新

自働サーバーで運用負荷を軽減

障害予兆を検知して自動で通報

「自働サーバー」というキャッチコピーでアピールされたこともある日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)のサーバー製品は、ひとり情シスや無人情シス環境にあるユーザーの運用管理をサポートする存在として堅調な評価を得ている。自働サーバーとは、HP ProLiantサーバーに搭載されている「Integrated Lights-Out 4」(iLO 4)によって運用が自動化されたサーバーを意味する。「小規模な自治体をはじめとして、サーバーの運用に手間やコストをかけられない多くのお客さまから喜ばれている仕組みです」とHPE データセンター・ハイブリッドクラウド事業統括 DCHC製品統括本部 サーバー製品本部 本部長の中井大士氏は話すが、実際にiLO 4では以下のような機能が利用できる。


・インテリジェント・プロビジョニング機能
CDやDVDで提供されていたSmartStartや、ファームウェア、エージェント、ドライバーなどの更新ツールをiLOに事前に実装して提供する。サーバー起動後にF10キーを押すだけでスタートし、セットアップやOSなどのインストールを手軽に行える。ファームウェアの更新、アレイの構成や管理、変更、リモート管理機能の初期設定といったメンテナンスも、迅速かつ容易に実現する。


・エージェントレス管理機能
監視エージェントをインストールすることなく、iLO単体で基本的なサーバー監視機能を提供する。SNMPトラップによる障害通知も行える。AMS(Agentless Management Service)と呼ばれる軽量なサービスをOS上にインストールすることで、より詳細な監視情報をiLOへ提供できる。


・アクティブヘルスシステム(サーバー版フライトレコーダー機能)
毎時変化するサーバー内部の各種パラメーターを逐次自動的に取得。障害前後の状況把握から原因特定までを支援する。取得対象パラメーターは1,600以上。ログをベンダー保守窓口に提出することで、保守担当者の状況理解を迅速化し、ハードウェアの変化を確実にとらえられ、障害原因の早期特定に役立つ。


・自動通報機能「HP通報サービス」(Insight Remote Support)
コンポーネント障害や障害予兆を自動検知し、HPEのサービスセンターに自動通報する。人手を介した検知・調査・特定・対処計画を自動化でき、復旧完了までの時間を短縮する。インテリジェント・プロビジョニング機能でOSインストール時に一括で通報設定が可能。OS上に通報サービス用モジュールのインストールも不要。さらに通報利用のための中継サーバーが不要。OSとは全く独立したiLO管理ポートから通報する。

日本ヒューレット・パッカード
データセンター・ハイブリッドクラウド事業統括 DCHC製品統括本部 サーバー製品本部 本部長
中井大士 氏

「自動通報機能などは小規模な自治体をはじめとして、サーバーの運用に手間やコストをかけられない多くのお客さまから喜ばれています」

製品販売の付加価値サービスに

アクティブヘルスシステムなどで収集された情報は、「HP Insight Online」という可視化ツールで確認可能だ。サーバーのモデル名やシリアルナンバー、搭載CPU、ファームウェアバージョンなどのサーバー構成情報や、過去に発生したサーバーのハードウェア故障イベント履歴と修理対応状況が一覧できる障害情報、保守契約情報などがわかる。HP Insight Onlineは販売パートナーが活用することもでき、エンドユーザーへのサポートサービスの提供が実現する。販売パートナー向けのポータルサイトも用意されている。


販売パートナーがHP Insight Onlineを利用すれば、顧客のサーバー情報の収集や整理をすべて自動化でき、さらにその情報は顧客だけでなくHPEとも共有されるため、HPEからの適切なサポートも受けやすくなる。HPEでは、HP Insight Onlineによって、顧客のサーバーの導入から運用、拡張、更新までのライフサイクルをカバーでき、顧客との関係を継続的に維持できるとアピールしている。「販売パートナーさまにおいては、エンドユーザーへの運用サービスや新しいシステム提案につなげられる契機となるはずです」(中井氏)


同様の仕組みを利用してHPE自身が用意しているサポートサービスが「HPE プロアクティブケア」となる。こちらはHPEの国内コールセンター(アドバンストソリューションセンター)が対応するサービスだ。実際には以下のようなサポートが受けられる。


・24時間365日の保守サービス
・オンサイト修理 4時間対応
・アドバンストソリューションセンターによる障害コール対応
・ファームウェアの推奨レポート(年2回)
・障害レポート(年4回)
・システムヘルスチェックレポート(年2回)


HPE プロアクティブケアはパッケージ化されているため、販売パートナーにとっては、サーバーとのセット販売がしやすいのも魅力だ。
自働サーバーの仕組みを活用した運用・管理の簡易化といったサポート体制の提案が「ひとり情シスや無人情シス環境にあるエンドユーザーには適しているでしょう」と中井氏は薦める。

小規模向けコンパクトサーバーとのセットも有効

小規模システム向けコンパクトサーバー「HPE ProLiant Thin Micro TM200」と、ハイパーコンバージドアプライアンス「HPE Hyper Converged 380」。

iLO 4を利用した管理は、HPEが3月に発表した小規模システム向けコンパクトサーバー「HPE ProLiant Thin Micro TM200」(以下、TM200)でも可能だ。幅254×奥行き254×高さ49.5mmで重量2.83kg(本体のみ)という軽量・コンパクトを実現し、設置スペースに余裕のない中小企業や拠点、店舗などへの提案に有効なTM200は、管理者不在の企業や拠点に設置するサーバーとしても有望のため、iLO 4を使用した通報サービスなどが利用可能かどうかの問い合わせを多く受けているという。


中井氏は、「HPE ProLiantサーバーに標準で搭載されている管理チップiLO 4がTM200にも搭載されており、リモート管理や電力管理だけでなく、サーバーの導入、運用(監視)、保守といったライフサイクル全般に有効な自働サーバーのサポートを提供します。専任の運用管理者が少数、もしくは不在といったTM200のターゲットである小規模ユーザーの環境に最適です」と力を込める。


また、同社が提供するハイパーコンバージドインフラ製品についても、ひとり情シスなど情報システムの管理者が少なく、システムの運用負担を軽減したいユーザーに対して提案したい仮想化ソリューションだと話す。「2台からのスモールスタートが可能で、手軽に仮想マシンをデプロイできる当社のハイパーコンバージドインフラ製品は、ITシステムの運用負荷を軽減したいユーザーや、そうしたユーザーのシステム運用をサポートする販売パートナーさまにとっても最適な選択となるはずです」(中井氏)

 続きを読む  Cisco Startのエントリーモデル向けネットワーク管理ツールとは

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