細野 最近ニュースなどで「ビッグデータ」や「データ保護」というキーワードをはじめ、データにまつわる話題を耳にする機会が増えています。実際、私自身もスマートフォンやSNSに写真データを保存したり、大学では成績データや授業の履修データがWebサイトで閲覧できるようになっていたりと、さまざまなデータが身の回りに溢れています。ところで、こうしたデータは、誰がどのように管理されているのでしょうか。
瀧澤 例えば、大学の成績データなどは卒業して数年経っても証明書を発行できるようになっていますね。これはデータがなくならないように大学のIT担当者がしっかり管理しているからなのです。
では、一般的にデータの管理はどのような仕組みになっているのでしょうか。例えば、学生がPCやモバイル端末からアクセスするデータというのは、それ自体はサーバに接続された外部ストレージに保存されていて、そのデータをサーバ上の管理アプリケーションで処理しているのです。また、データは万が一のサーバやストレージの故障に備えてバックアップがとられています。もちろん、こうしたシステムによるデータ管理は、大学に限らず、企業においても同様に行われています。
細野 企業だとさらに扱うデータの量や種類は多くなりますよね。そうした中で、企業のデータ管理を担っているIT部門の方々は大変な苦労があると思いますが、その役割について教えていただけますか。
瀧澤 彼らは非常に重要な役割を担っています。なぜならば、今や企業活動に必要なデータ――例えば、顧客情報データや売り上げデータなど――のほとんどが電子化されています。いわば“企業の財産”と呼べるデータを決して消失させないためのシステムの仕組みを作らなくてはなりません。
システム障害が発生してもデータ処理が継続できるような仕組みだけではなく、処理が継続できない場合に備えて、データを別の場所に保管しておくバックアップ体制を用意する必要があります。例えば、PCやサーバなどハードウェアは物理的に壊れても買い直せばいいですが、そこに入っているデータはバックアップしておかないと元に戻りません。もしバックアップしてなければ、システム自体の復旧が困難になるか、再開できたとしても長期間のシステム停止を余儀なくされるのです。
細野 企業が管理しているシステムが停止したり、データが消失したりしてしまうと、具体的にどのようなリスクや影響があるのでしょうか。
瀧澤 何よりもまず営業活動や取引が止まります。顧客に対して見積もり作成ができなくなったり、受発注ができなくなったりして、システムが停止している期間の売り上げに影響し、企業に多大な損失を与えることになるでしょう。
それだけにとどまらず、顧客からの信用も失いかねません。米テキサス大学の調査によると、データ消失やシステムの長期間停止を経験した企業のうち、43%がその後に事業を再開できず、さらに51%の企業は2年以内に破たんするという厳しい結果が出ています。
このように、システムやデータの保護は企業の存亡にかかわる重要事項であり、システムの長期間の停止やデータ消失のリスクを防ぐためには、ストレージレベルでの可用性確保や、バックアップによるデータ保護が不可欠なのです。
細野 大企業であればデータ保護に対する積極的な投資が可能かもしれませんが、例えば、人数が少なく予算も限られているような小規模な会社だと、そうもいかないのではないでしょうか。そうした会社では、データ管理において具体的にどのような課題や悩みがありますか。
瀧澤 大企業と異なり、中堅・中小企業ではITに人員を割くことが難しいため、サーバ、ストレージ、ネットワークなどの情報システムをすべて一人で管理するような“一人情シス”が存在しています。そうした状況だと、当然のようにIT担当者の管理工数が多くなり、そのために大部分の時間が費やされてしまいます。また、サーバを個別に管理している企業であれば、さらに管理工数が増え、システム運用の負荷が高まるほか、可用性の面でも大きな問題が生じてしまいます。
ITスキル不足も中堅・中小企業にとって頭の痛い悩みです。例えば、サーバとストレージを一人で運用する場合、そのためにはサーバの管理方法とストレージの管理方法の両方を覚えなくてはなりません。中堅・中小企業でもサーバに精通しているIT担当者は多いですが、ストレージは専門知識を必要とする場合が多いため、一筋縄ではいかないわけです。
さらに、コストの問題からバックアップなどの災害対策ソリューションにまで手を出せないという中堅・中小企業は少なくありません。
細野 では、このような企業が抱えるデータ管理の課題を解決するために、日本HPではどのようなお手伝いを行っているのでしょうか。
瀧澤 日本HPでは、サーバ、ストレージ、バックアップそれぞれをサポートするトータルソリューションを用意しています。
サーバに関しては、仮想化技術とx86サーバ「HP ProLiant」を組み合わせたソリューションによって、サーバを仮想化し複数のシステムを統合管理することで、IT担当者の運用負荷を低減することが可能です。
ストレージソリューションにおいては、環境の規模や用途に応じて幅広いラインアップを用意していますが、特に中小規模環境向けのストレージ製品が「HP MSA 2040 Storage」です。ここではいくつかの特徴を紹介しましょう。
まずは、可用性を担保するためにRAID技術を採用しています。RAIDとは複数のハードディスクを仮想的に1つのハードディスクとして管理する技術で、MSA 2040ではこれを標準搭載しています。これによって、一部のハードディスクが壊れても稼働を継続できます。
また、電源・ファンのモジュールと、コントローラーモジュールをそれぞれ2つの冗長構成にしています。例えば、一方の電源が故障しても、もう片方で電力を供給できるようになります。
管理のシンプルさも大きな特徴です。先ほどお話したように、ストレージの管理は慣れていないシステム担当者にとって難解です。そこでMSAでは、管理ツールをハードウェアに搭載し、ブラウザ経由でアクセスできる管理画面を提供しています。この管理画面は分かりやすい絵で直感的に操作ができます。加えて、ウィザード(ガイド機能)に従って、RAIDや容量などさまざまなストレージの設定を容易に行うことができます。
最後はバックアップソリューションです。災害によるリスクだけではなく、IT担当者が管理に失敗したり、誤った操作をしたりしてデータが消失するというリスクも十分考えられます。そこで、そうした事態を未然に防ぐためにデータを別の場所に移して保管しておく必要があります。
日本HPでは、バックアップ製品として「HP StoreOnceバックアップシステム」を用意しています。これはテープストレージと同様の運用を維持しながら、ディスクシステム上に高性能かつ効率よくデータをバックアップする製品で、小規模から大規模まで、容量と性能の要件に合わせて、企業は最適なモデルを選択できます。重複排除テクノロジーを標準で搭載し、少ないデータ転送での遠隔地コピーを実現するほか、容易な管理で人手をかけずリモートにデータをバックアップできるため、バックアップソリューションには手が届かないと感じている中堅・中小企業でも低コストでリモートサイトやオフサイトの災害対策を可能にします。
中堅・中小企業の中には「支店がないから自社の建屋でデータ管理するしかない」というところもあるかもしれませんが、例えばデータセンターの一角を借りてバックアップシステムを導入するなどの対策を考えておかないと、いざ有事のときに慌てても後の祭りです。
このように、日本HPはサーバ、ストレージ、バックアップという幅広い製品/ソリューションをトータルで提供することで、企業のデータ管理、データ保護に対するさまざまな課題を解決し、企業のビジネス成長を下支えしていくのです。
細野 本日のお話を伺ってみて、情報社会において災害などのリスクが高まる中、企業でのデータ管理がより大切になっていることを実感しました。そうした企業のデータを支えているのは、ストレージやバックアップといった製品/ソリューションで、それらを運用しているIT部門の方々だということが理解できました。
また、企業のIT部門、特に予算面などで大きな制約がある中堅・中小企業のIT担当者に対しても、幅広い解決策を日本HPが用意し、支援していることがひしひしと伝わってきました。
主に中小規模環境のデータ管理をサポートする日本HPのエントリークラス共有ストレージ新製品「HP MSA 2040 Storage」は、「シンプル」「可用性」「高速」の3つの特徴を持つソリューションです。
「シンプル」
分かりやすいグラフィックスで直感的に操作できる日本語対応のWebベース管理ツールを搭載。ウィザードも備えており、ストレージの専門知識が無くても簡単に設定ができるので、学習の手間や管理コストを削減します。
「可用性」
コントローラーと電源・ファンモジュールの冗長化やRAID対応で一部が故障しても稼働を継続し、システムの停止を防ぎます。
「高速」
同じクラスの他社製品に比べて最大4倍の性能(※社内検証による)で、コントローラーあたり4ギガバイトのキャッシュメモリ、SSD(ソリッドステートドライブ)、16Gb FC、10GbE iSCSI、12Gb SASの広帯域インフラ対応など性能に最適化され、アプリケーションの要求に対応します。
「サーバ保守費を10分の1に」も夢ではない、共有ストレージによるシステム統合の効果
中堅・中小企業がシステムの安定運用を低予算で実現するにはどうすればいいか? 「共有ストレージ」によるシステム統合は、その有力な解となる。JOYSOUNDを提供する株式会社エクシングの事例も併せて、導入メリットを解説しよう。
高性能エントリーストレージ「HP MSA 2040」最適化のためのベストプラクティス
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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2014年2月5日
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