・少し遅れましたが、11月最後のスレ立てです

・もう１時間を切っていますけど今日は「いいふたなりの日」ですね

・前スレの話題は、
　「黒メイジは惜しいふたなり？」「量産型メイジたち」「メイジの再会」「としあきとノヴの出会い」
　でした


前回（475回目）の過去ログはこちらから
https://w.atwiki.jp/bulfuta_second/pages/42.html

それから昨日は黒メイジが生まれた日でした

そういえば先日はレスする間がなかったのですが、矢口高雄先生が亡くなられましたね
完全に雑談になってしまいますけど、追悼スレで貼られた絵がどれも本当にすごかった
落書きレベルの人間からすると、どんなレベルにいるのかさっぱりわからなかったです

立て乙
いいふたなりの日とか黒メイジ誕生日とか色々あったんだな…

立て乙です
前回予告していたノヴ登場の後日談を投稿します

ノヴが来て数日が過ぎた。
今のところこちらでの生活に不満はないようだ。
だがそれよりも大きな変化というと。

「もっと速く。足を使え」
「こう？」
「そう、よくなった」

リビングの真ん中でメイジとノヴが、〈突き付けられた銃を奪う技〉を練習している。
片方の手で銃を掴み、もう片方の手で何かしてるようだが、それ以上は鮮やか過ぎてさっぱり分からない。
まあそれはともかく、当たり前のように銃を扱う2人を見ていると、ここがどこの国か分からなくなってくる。

見ているうち、どうやら練習が終わったらしい。
2人は銃を片付けると、水を飲んだりし始めた。
俺は休んでいる2人に話しかけた。

「あのさ、聞きたいことがあるんだけど…」
「なんだ？」
「なんですか？」

2人の視線を受けて、一瞬怯みそうになったが思い切って尋ねる。

「2人はブルガリアで何してたの？」

そう言った瞬間、2人の表情が微妙に硬くなったのが分かった。
いつもはっきりと話す2人には珍しく、話しづらそうな様子だ。
うーん…これはまだ話してくれなさそうな感じ？
俺は咄嗟に違うことを聞いた。

「あ、それなら質問変える。2人と克明さん…親父とはどういう関係なのかな？」

そう聞いた途端、2人の様子が一変した。
硬かった表情が柔らかくなり、いつもの調子で答えてくれる。

「克明は私達のインストラクターだった」
「ボク達に色んなことを教えてくれました」
「色んなことって…さっきやってたような技も？」
「いや…それは別だ」
「ボク達が克明さんから教わったのは、主にサバイバル技術です」

サバイバル技術!? あのクソ親父、そんなこと出来たのか？
くそ、アイツがどういう人間なのか本当に分からないな…。
2人の話によると、アイツが教えていたのは自然の中で生き延びる方法らしい。
水や食べ物の集め方とか、シェルターの作り方とか、そういった技術のことだという。
2人はなんでそんなものを教わる必要があったんだ？
けど、それは最初の質問に関する疑問なんだろうな…。

とにかく2人の話をまとめると。

克昭さんはサバイバル技術のインストラクター。
2人は技術を教わる中で克明さんと親しくなり、訓練終了後にも会うようになっていた。
そしてある時、克明さんは2人を自分の子として迎え入れると言い出した。
だが3人で日本に向かう途中、〈アクシデント〉があってノヴとは離れ離れになり、最終的に克明さんは死んだ。

ということらしい。

「そっか、やっぱり死んだんだな…。いや、それは最初に聞いてたか…」
「すまない」
そう言ってメイジが深々と頭を下げた。
「いや、メイジが謝ることないよ」
「違う。私には言い出せなかったことがある」
「え…なに？」

メイジは答えず、寝室に行った。
そして何かを手にして戻ってきた。

「最初に渡すつもりだった。だが、としあきは克明のことを嫌っていたようだったので…」
「あー、そういうことなら、メイジが気にすることないよ」
「受け取って欲しい」

そう言ってメイジが差し出したのは、口を縛ったビニール袋だった。
これは…。

「克明の遺髪だ。それしか取れなかった…」

俺はビニール袋を見つめて、何と言ったらいいか分からなくなった。
そして、やっと一言だけ「ありがとうな」とメイジに言った。
それだけは言っておかないと駄目だと思った。

その日の深夜、2人が寝てから俺は物置にしてる部屋で探し物をしていた。
目的は古い写真を収めたアルバムだ。
昔の写真を見れば何か分かるかもしれないと思ったのだ。
そして俺は一枚の写真を見つける。

「親父…自衛隊にいたのかよ…」

俺の記憶では普通に勤めていたから、恐らく俺が生まれる前のことではないだろうか。
俺は知らなかったが、このことは母さんなら知っていたはずだ。
けど、10年以上前にアイツがウチを飛び出して以来、俺はアイツのことを話題にするのを避けていた。
だから俺は聞いてないのだろう。

多分あの2人は、俺より親父のことを知っているんじゃないか。
今日の様子だと、どこまで話してくれるか分からないところはあるが、それでもいつかちゃんと話をしよう。
俺は改めてそう思った。　（終）

以上でノヴとの出会い編を終えます
後はブラックこと黒メイジとの出会い編が書けたら本編の続きをやろうと思っています
それから書くのをちょっと逃げてしまった〈突き付けられた銃を奪う技〉はこれを参考にしています
https://www.youtube.com/watch?v=Lcmr420VJas&t=4291s
動きを細かく書くと長ったらしくなりそうだったのと
としあき視点だと技が見えるのは不自然な気がしたのでああいう文章になりました
この技はせっかく紹介されていたので使いたくなったのですがこういう色々な紹介がもっとあるとうれしいです　

あと途中でタイトルに付けていた番号の分母を間違えていたのに気付きました…
正しくは6でした

>No.16174830
すみませんがこの部分の2人の話のまとめは

(1) 克昭さんはサバイバル技術のインストラクター。
(2) 2人は技術を教わる中で克明さんと親しくなり、訓練終了後にも会うようになっていた。
(3) そしてある時、克明さんは2人を自分の子として迎え入れると言い出した。
(4) だが3人で日本に向かう途中、〈アクシデント〉があってノヴとは離れ離れになり、最終的に克明さんは死んだ。

ということにしておきます
保管される時にはこのように直しておいていただけますか？
よろしくお願いします

>後日談・としあきと2人の話
「後日談２(201128)」という名前で保管庫のSSまとめ、まったり日常にまとめました
修正のほうもできています

>「克明の遺髪だ。それしか取れなかった…」
重い…けどメイジは遺児という設定だからこういう場面もありえますよね…