ここは皆様の優しさに支えられてできています。
もしよかったらアンケートにご協力お願いします。
モモンとルべドは冒険者組合の依頼掲示板の前で立ち尽くしていた。
“うーん、やっぱり文字がわからん”
モモンガは異世界の文字でも解読できる某青い狸を連想させるアイテムを持ているが、今は
モモンがどうするか、考えている横では、モモンとルべドの立派な装備なのにカッパーのプレート下げている二人に野次を飛ばす冒険者たちにイライラするルべドが必死に内なる自分と戦っていた。
文字が読めないので、一芝居打つことにしたモモン
おもむろに1つの依頼を手に取るとカウンターに座る受付に差し出した。
「これを受けたい」
「申し訳ありません、こちらはミスリルプレートの方々の依頼でして」
「知っている」
「ん!?」
「だから持ってきた」
ざわつく冒険者たち
「ですが、規則ですので」
「下らん規則だ」
「仕事に失敗した場合、多くの人命が失われる可能性がございます」
「ふん、私のなりは戦士だが魔法も使える、それも第三位階魔法までがだ。その上この国の王国戦士長と剣でやりあっても負けないだけの戦闘力もある。私の連れは女だが肉弾戦にかけては私など足元にも及ばないほどの戦士だ。」
「は!?あいつ何言ってやがる剣で王国戦士長とやっても勝つ自信があって、その上第三位階魔法まで使えるだって?そんなのハッタリにしてもよく言えたもんだ」
「その上女の戦士が自分よりも肉弾戦が強いだなんて、それじゃあ王国戦士長よりも強いってことじゃあねえか。」
あまりにも荒唐無稽なモモンの発言に一気に胡散臭いものを見るような目で2人を見る周り。
「私たちは実力に見合った高いレベルの仕事を望んでいる」
「申し訳ありませんが、規則ですのでそれはできません」
「そうか。それでは仕方ないな。ならばカッパーのプレートで最も難しい仕事を見繕ってくれ」
「はい、かしこまりました」
何とかごまかせたと安心したモモンに声をかけてくるものがいた。
「でしたら、私たちの仕事を手伝いませんか」
「うん?」
モモンとルべドが声の方を向けば4人の男たちがいた。
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場所を共有スペースから会議所に変えたモモンとルべドと先ほどの4人組の男たち。
いや、正確には3人と男と男装をした1人の女の4人組だ。
彼らは漆黒の剣という4人組のアイアンのプレートの冒険者だ。
リーダーのぺテル、レンジャーのルクルット、ドルイドのダイン、そして
突然、ルベドが横でまた不機嫌になりだしたのでどうしたのかと聞いたら、このニニャと名乗るものが女だという。
仕方なし俺が信頼する相棒はお前だけだから機嫌を直せと伝えたら、おとなしくなった。
そしてこのニニャと名乗る少女はスペルキャスターという二つ名持ちらしい。
この二つ名持ちには有名であることや、功績をたたえるためにつけられることもあるがもうひとつ、強力なタレント持ちに対しても付けられることがある。
このタレントとはユグドラシルには存在しない“武技”とは異なるこの世界特有の技能らしい。
おおよそ100人に一人の確率でこのタレント持ちは生まれてくるらしいがその能力は様々だ。
“水を甘いものに変える”という何の意味があるのか訳の分からないはずれから“あらゆるアイテムを使用可能”などの超大当たり等様々なものがある。
ちなみに後者のタレント持ちはこの街に住むンフィーレア・バレアレという少年らしい。
是非とも保護してそのタレントを調べたいところではある。
そしてこのニニャは魔法適正というタレントがあり、魔法の習熟速度が通常の2倍になるという、タレント持ちらしい。
「なるほど、彼のことを知らないということはこのあたりの人ではないんですね」
「ええ、ここには昨日ついたばかりなんですよ。」
「それで、今回の仕事の話なのですが、このエ・ランテル周辺に出没するモンスターを狩るのが目的です」
「モンスター討伐ですか」
「ええと、実のところ依頼された仕事、と言うわけではないんです」
「というと」
「仕留めたモンスターの強さに応じて、町から組合を通して報奨金が出ますよね?それが今回の報酬になります」
「俺たちの飯のタネになる、周囲の人間は危険が減る、損する人間は誰もいないって寸法さ」
「まあ、そういうわけで。ここから南下したところにある森の周囲を探索することになります。どうでしょう、私たちに協力して貰えますか?」
どうやら彼らはかなりのお人よしらしい。
仕事がないからこそ、こんな地道で稼ぎの少ない、危険なモンスター討伐をしている。
我々の力をあてにするにしても、我々はカッパーのプレートだ、先ほどの口上も、もしかしたら口だけかもしれない。
足手まといになり、チームを危険にさらす危険だってある。
そんな、我々を見かねて救いの手をこうして差し出しているということは、打算がないとは言わないが相当なお人よしである。
そんな人の優しさが身に染みるモモン。
昨日からトラブルが続いていただけあったほっこりできた。
「もちろんです。こちらこそよろしく」
「「「「はぁ!!」」」」
喜びの表情を浮かべる4人
「では共に仕事を行うのですし、顔を見せておきましょう。おい」
そう言ってヘルムをとるモモンとルべド。
モモンは黒髪にくたびれた顔をした地球で言う東洋系、はっきり言って普通である。
しかし、ルべドはその頭に角はないがつややかな黒髪を流した絶世の美女。
恐らくこの世界でも、王族などごく一部の人間しかお目にかかれないような美女だ。
もちろん彼らの顔は魔法によって作られた幻影だ。
モモンはリアルの鈴木悟の顔そのものだし、ルべドは角がないだけでほとんどそのままである。
そうしたほうがいろいろとごまかしやすいからであるし、楽だからだ。
「南方にモモンさんのような顔立ちが一般的な国があると聞きました」
「惚れました、一目惚れです、付き合ってください」
突然大声で求婚しだしたルクルット。
「ごめんなさい、わたくしは既に心に決めた方がいますので」
そう言ってモモンの方を見るルべド
「お二人はどのような関係なのですか?」
「仲間です。しかし私のかけがえのない仲間です。もし軽い気持ちで声をかけているとすれば無事に済むとは思わないでいただきたい。ルクルットさん」
「心配しないでも私はモモン一筋なんだから」
その発言で何かを感じたのか素直に謝罪するルクルット
「軽率に求婚したのは謝罪します。しかしルべドさんの美貌は、この国の黄金と呼ばれるラナー王女に勝るとも劣らない美貌、そんな方を前にして何もしないのは失礼というもの。」
「同じ男としてその気持ちはわかりますが、相手をみて発言しないと手遅れになるかもしれませんよ。とまあ、我々の容姿はこの辺では珍しく、二人とも異邦人だと知られると厄介ごとに巻き込まれるかもしれませんので、こうやって隠しているんですよ」
そう言ってヘルムを被るモモンとルべド
「はいはい、それに二人の間にはどうやら俺が入る隙間なんてなさそうなのでね」
「仲間がご迷惑を」
「いえいえ、お気持ちは理解していますので」
「それでは出発しますか」
「ええ」
そう言って会議室を出て階段を下りていく一行に声がかかる
「モモンさん、ご指名の依頼が入っております」
「一体どなたが」
「ンフィーレア・バレアレさんです」
さりげなく前に出ようとするルべドを手で制すモモン
「初めまして、僕が依頼させていただきました・・・」
「大変申し訳ない、私は既に別の仕事の契約を交わした身。光栄なお話だとは思いますが・・・」
「モモンさん、名指しの依頼ですよ」
「そうかもしれませんが、それでも先に依頼を受けたほうを優先するのは当然でしょう」
「しかしせっかくの指名を」
「であれば、どうでしょう、バレアレさんのお話を聞いてからというのは」
そう言って先ほど出たばかりの会議室に一人増えて戻る7人
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どうやら仕事の依頼とはカルネ村までの護衛とその周辺での薬草の採取らしい。
先ほどまで話題に出ていた有名人からの、それも直接の依頼とあって警戒していたが、どうやら昨日私が宿屋で起こした騒ぎを見ていた冒険者からかなり腕の立つカッパーの新人がいるらしいと聞きいたらしい。
丁度贔屓にしていた冒険者がいなくなったこともあって、噂話の話のタネに依頼をしたということだ。
はっきりいって胡散臭いことこの上ない。
自分の命を守る依頼をカッパーだから安く済ませる、何てくだらない理由で、噂話を聞いただけの新人に依頼するなんてことをすることはない。
恐らく本当の目的は別にあるものと思われる。
俺の素性を怪しんで探りを入れているのか、遠方からの異邦人とあたりを付けて貴重なアイテムや情報が欲しいのか。
とにかく、彼の本当の目的がわかるまでは警戒する必要があるのは間違いない。
この少年の目的を知るためにもこの依頼を断るのは下策、とはいえ我々は2人とも薬草採取のスキルを所持していないため依頼達成に不備が生じるかもしれない。
そこで
「ペテルさん、我々に雇われませんか?」
「というと?」
「警護任務となれば、レンジャーであるルクルットさんのような方が必要になるし、森での採取となればドルイドであるダインさんがいたほうが効率が良いのではないでしょうか」
「モモン氏の慧眼お見事である」
「こっちは全然問題ないぜ」
「ありがたい申し出です」
「僕の方もそれで問題ありません、あと4人ぐらい増えてm・・・」
「もちろん、私たちを雇うのはバレアレさんであり、漆黒の剣の皆さんを雇うのは私です。漆黒の剣の皆さんの報酬は私の報酬の80%でいかがでしょうか」
「そんなにいただけません、せめて半分半分で・・・」
「まあ、お待ちください。我々2人は戦闘では不安はありませんが、護衛任務や薬草採取などの任務は得意ではありません。それに先ほど誘っていただいた先約の依頼を断るのですから迷惑料も込みということで納得ください。それにせっかく安くしようとしているバレアレさんの目論見を私の一存で負担を増やしても、それはこちらの本意ではありません。あなたたちは実をとり私たちは依頼達成という名誉を得る。バレアレさんは依頼金を抑えることができる誰も損することはない。もちろん道中現れたモンスターを倒した報奨金の取り分も我々が2でそちらが8構いません」
「そこまで、気を使っていただく必要は・・・」
「なあに、本来アイアン級の冒険者4人への依頼金としては少ないのですから、それぐらいは気にせず。その代わり我々にできないところでのサポートをお願いします。」
「わかりました。全力で当たらせていただきます。」
こうして臨時編成した6人でのンフィーレア・バレアレさんの護衛と薬草採取の任務が決定した。
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馬車を引く御者はバレアレに任せ、先頭の一列目はレンジャーのルクルットとペテルに任せ、2列目に馬車の脇をマジックキャスターであるニニャと魔法も使える戦士のモモン、最後方の3列目はダインとルべドという体型でカルネ村までの街道を進む。
道中休憩などを挟みながら進んでいるが特に問題はない。
道中で森の賢王という人語を理解するというユニークモンスターの話題や、この世界特有の魔法の話などもしながら進んでいるとルクルットが突然警戒を促した。
「動いたな」
「どこだ」
「あれだよ」
ルクルットが指をさしたほうからオーガやゴブリンなどの群れがこちらに向けて進んでくる姿が見える。
「モモンさん役割はどうしましょう」
「漆黒の剣の皆さんはンフィーレアさんの周りで護衛をお願いします。前方から見える敵は全て私とルべドが対処しますので皆さんは漏れてきた敵や後方からの伏兵の警戒をお願いします。もし伏兵が手に負えない場合はすぐに合図をしてください。私がそちらに向かいます。」
「わかりました」
そう言ってペテルは指示を周りのメンバー達に出していく。
そんな中、まるで散歩するかのような自然な足取りでオーガやゴブリンの群れに向かう二人。
「背中は任せたぞ、相棒」
「ッッ!もちろんよ!相棒」
「なるべく向こうに漏らすなよ」
そうして2つの大剣を軽々振り回し一刀のもとにオーガを切り捨てるモモン。
そんなモモンの死角から的確に敵を攻撃しこれまたバルディッシュで一撃のもと絶命させるルべド。
二人のコンビネーションは完璧で敵がペテルたちのほうに抜けてくる様子は全くない。
むしろ敵は2人の強さに恐れを感じて逃げ出そうと伺っている感じがある。
そんな雰囲気を的確に感じたモモンは何匹かのモンスターが背を向けて逃げ出そうとした瞬間。
「ルベド!!」
この一言でモモンの意図を理解したルベドはモモンの前に出て敵をブロック、スイッチした隙に逃さず剣を地面に刺し、素早く魔法に切り替える、無詠唱でのライトニング、直線的だが敵への到達までが早く、低位階のため無詠唱でも威力が落ちにくく回転も速い、逃げる敵を討つのに効率的な魔法だった。
しかし、他の面々はとてもではないが信じられなかった。
先程見たオーガを一刀の下に切り捨てた剣技だけ見ても王国戦士長に匹敵するのは疑いようがないことである。
なのにそもそも第3位階までの魔法が使えるのだけでも天才と言われるのに、その両方を最高レベルで納めるこの目の前の男は何なのだ。
連れのルベドも明らかに戦い慣れていた、そもそもバルディッシュという武器自体が敵を斬り殺すのではなく鎧の上から叩き殺す為の超重量武器である、それを軽々振り回し、あまつさえ敵を斬り殺すほどの速度をも出す。
それも場面よっては片手でも同じように扱っている。
力だけ見れば確かにモモンをも超えるかも知れない。
と言うことはモモンより肉弾戦では上と言うあの発言も真実見を帯びてくる。
「これで敵は殲滅したかな」
「ええ、間違い無いと思うわ」
一方後ろでポカンとしている面々をみて
「皆さんどうしましたか?」
その発言で、一斉に歓声を上げる
「モモンさん!!本当に凄いです。どこでそれだけの技を?」
「そもそもあれだけの剣技を持ちながら、魔法まであれだけ自在に扱うとは」
「いやー、ルベドさんの動きも凄かった。
これにはいくら戦闘が素人のンフォーレアにも不味い事をしているのはわかった。
彼の真の目的は、昨日彼の祖母が営む薬屋にポーションを持ち込んだ赤髪の冒険者が見せた赤いポーションを持っていると言うモモンを調べることにある。
しかし、その調査対象がこれほど規格外の人物なら話は変わってくる、これだけ偉大な相手の痛く無い腹を探るような真似をする相手を許してくれるだろうか?
下手をすれば逆鱗に触れ殺されてしまうかもしれない。
それだけ危険度が上がったと言うことである。
周りからの称賛を受けるモモンたちだが、彼らにとってはユグドラシルでのチュートリアルよりも難易度の低い戦闘である、それに対して称賛されたとしても、当たり前過ぎて特に感じることは無い。
「何たいした事はありません。私に剣技などありません。ただ力任せに振り回しているだけに過ぎません。魔法も専門職に比べればレベルが劣るもの、私より凄腕の剣士も魔法使いも沢山いますよ」
これは真実である、モモンはロールプレイ優先のロマンビルドでありガチビルドのプレイヤーに比べれば劣る。
実際モモンガのユグドラシルでの強さは中の上か良くて上の中、そんなモモンガがユグドラシルでPKで7割の勝率を誇ったのは事前に準備したからだ。
それでも負ける相手には負ける。
「なあに、これぐらい皆さんなら軽くこなせるようになります。」
その後一行は道中で野宿をする夕食の際、モモンは困っていた。
食事をとれば、身体が骨だけのモモンから摂取した食事が駄々洩れするからだ。
何とか宗教上の理由ということで食事をすることを回避したモモン。
話題は冒険者チームのこととなる。
「冒険者の皆さんってこんなに仲がいいのが普通なのですか?」
「ええ命を預けますからね」
「それにチームとしての目標もしっかりしたものがありますし。」
「みんなの意思が、一つの方向を向いていると全然違いますよね」
「モモンさんもチームを?」
「冒険者・・・ではなかったですがね。かつて弱くて一人だった私を救ってくれたのは純白の聖騎士でした。彼に案内されて初めて仲間と呼べる人たちと出会ったんです。素晴らしい仲間たちでした。そして最高の友人たちでした。彼らと過ごした日々は忘れられません。」
“アインズ・ウール・ゴウン俺の輝かしい全てで、唯一の居場所・・・”
「モモンさん・・・いつの日かその方々に匹敵する方々と出会えますよ。」
「そんな日は来ませんよ」
はっきりとした口調で否定するモモン。
モモンも自分の失言に気づき気まずい空気が流れていることに気づいたが、吐いた唾は呑めない。
「すみません、私の失言でした。それに今の私にはルべドという相棒がいますからね。」
フォローはしたが結局気まずい空気が変わることはない。
次の日一行は気まずい空気のままにカルネ村への道のりを進んだ。
全然話が進まない・・・
当初は5話くらいで終わらすつもりだったのに、気づけば書けば書くほど進まなくなる不思議現象・・・
ただ私に文章構成力がないだけです。
サクサク進むように、省く部分はしっかり省いていきます。
違和感を感じる部分が出るかもしれませんがご了承のほどよろしくお願いします。
昨日の投稿はかなり誤字脱字ひどく申し訳ありません。
バグだらけのゲームを発売して、ユーザーにデバックさせるような真似は今後はしないようにしっかり推敲するようにします。
後一応、グレーターアイテムで作ったアイテムを着用した状態で魔法が使えるなどは私の独自設定です。
公式設定を把握してないのでもしかしたら原作と反しているかもしれませんが、この小説ではそうなんだとご理解ください。
作者の思ってる裏設定などは必要ですか?
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補足説明せいや(YES)
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いらんねん(NO)