「法の支配」から「中国式法治」へ
今回の議員資格剥奪は、香港の法制度や司法制度を超越した中央政府の決定によって行われたものだ。議員資格が剥奪される要件は香港の法律でも定められているにもかかわらず、その要件や手続きについて今回の「決定」では無視されている。今回資格を失った4人の議員がどう「国家安全」を害したのかについて証拠は示されておらず、彼らは香港国家安全維持法(香港国安法)で起訴されたわけでもない。
中央が香港法を超越して決定した場合、その決定で不利益を被る人々は聴聞の機会を奪われ、裁判で訴える機会も失う可能性が高い。「デュー・プロセス」の考え方のもと保護されてきた権利を失わせる可能性を有している。
このような極めて曖昧な基準とプロセスで今回の「決定」がなされたことは、中央がどのような「決定」も行えると法曹界の非体制派の人々に思わせるのには十分だった。今回の「決定」を、香港国安法以上の香港の「法の支配」の破壊と見る法曹関係者もいる。香港国安法は香港基本法に基づく手続きを踏んだ上で香港に適用されたが、今回の「決定」はその手続きさえ踏まず、香港への「決定」を中国本土に対するものとほぼ同様に行ったからだ。
キャリー・ラム行政長官は11月11日の記者会見で「私たちが最も考慮するのは法的根拠だ」と述べており、今回の議員資格剥奪も法律に沿ったものと主張している。まだ部分的ではあるが、香港の「法の支配」は着実に体制側が恣意的に運用する余地が大きい「中国式法治」に移行しつつある。
コメント8件
不撓不屈
民主主義の最後の砦は台湾となった。台湾を奪われた時世界秩序は音を立てて崩壊する。巨大で強力な中共包囲網を早急に築け!
ジョウモンジン
自称民主勢力(革新やリベラルとも自称)は、紛争をあくまでも話合いで解決せよと主張するが、「法」の意味を完全に取り違えている相手と話合いで解決が可能とは思えない。
foo-bow
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国際標準時
無職・無冠
無謬の前衛党を全ての人民は信じなければならない。疑問や不服従は禁止。これが中華共産主義。人間の基本的資質のひとつが、疑いを持つこと、何に対しても。何故なら人間は考える葦だから。
z
共産主義って、どんな地域でやっても、さいごは必ず王政のデッドコピーになるんですよね。不思議だなあ。
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