新型コロナウイルスに感染した人に嫌がらせのメールが届き、ネット上では素性があばかれる。人格を否定するようなひぼう中傷もあとを絶ちません。こうしたなか、感染者への思いやりを伝える学校や、感染リスクの高い仕事に就く人たちを支えようという動きが広がり始めています。
“差別する心”をなくしたいと考え始めた学校があります。 神奈川県厚木市の小学校です。 2020年の8月、児童や教職員の合わせて20人が感染しました。 神奈川県内の学校で、感染者の集団=クラスターが発生したのは、これが初めてのケースでした。 市教育委員会によりますと、SNSなどで感染した教員を特定しようとする動きも見られたということです。
学校は20人全員の回復を待って、当初の予定から8日遅れでスタートした2学期。 担任の教諭が子どもたちに語りかけました。
「学校のなかでは陽性になってしまった子どももいますし、先生もいます。
でも、好きでなったわけではないですね。自分たちができることからとにかく防いでいきましょう」
さらに、何が大切のなのか子どもたちに問いかけました。
「自分がされて嫌なことはしない」 「傷つくことを言ったらダメ」
子どもたちから、感染した人の気持ちになってみるという声が、次々とあがりました。
「悪いことをしたからかかったわけでもない。思いやりの気持ちを持ってぜひ行動してください」(担任の教諭)
つらい思いをした人たちへ思いやりの気持ちを育もうと新たな模索が始まっています。
感染した人や新型コロナ対策に取り組む人に寄り添っていこうという動きも広がっています。 愛媛県の有志が立ち上げたシトラスリボンプロジェクトです。
3つの輪は、地域と家庭、そして職場や学校を表しています。 このリボンをつけることで、差別や偏見に苦しんでいる人を支えていくという意思を示します。
「ちょびっと19+」共同代表 松山大学 甲斐 朋香 准教授
「新型コロナウイルスに感染しても元いた場所でその笑顔が取り戻せてこそ、
その方にとっては本当の収束だなと考えて始めました」
リボンをつけることで勇気づけられているという人たちもいます。 新型コロナウイルスに感染した軽症や無症状の人を受け入れている愛媛県の温泉旅館です。 感染者を受け入れる施設は宿泊者とは別の建物にしているうえ、感染防止の対策にもあたっていますが、当初は「もし従業員へのひぼう中傷が出たら」という不安もあったといいます。 そんな従業員たちの胸元にあるのは、シトラスリボンのバッジ。
総支配人 河上克之さん
「バッジをつけることで勇気をいただいているといいますか。宿泊者から『頑張ってください』と声をかけられて、うれしいことだなと感じました」
シトラスリボンプロジェクトを通して、各地の企業や学校で励ましの気持ちが全国に広がっています。
人を傷つけるのではなく、人を思いやる。 差別のないあたたかい社会を目指しませんか。
「コロナテロ」「親の顔がみたい」。これは、新型コロナウイルスの感染者に向けられたことばです。SNS上には、感染した人を特定する投稿が相次ぎ、事実と違うデマまで流れるなど、差別やひぼう中傷がなくなりません。各地で助けを求める声が相次いでいます。なぜ、感染した人を責め立てる事態がおきるのでしょうか。→
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