子どものコロナ抗体に特化し全国初の調査 なぜ実現できた
日本の子どもたちが、新たな新型コロナウイルス研究のヒントになるかもしれない。横浜市立大と東京慈恵会医科大の共同チームは18日、新型コロナにかかった子どもの血液を調べて、抗体の研究を始めると明かした。国内では、10歳未満の子どもが新型コロナに感染しても、重症化したり死亡した例がない。大人とは違う免疫機能を持っている可能性があるとして、16歳未満の子どもが調査の対象となった。
子どもの抗体に特化した研究は、全国初の取り組みだ。なぜ、実現したのだろうか? 研究に携わる慈恵医大助教の飯島正紀氏(小児科)はこう話す。
「この調査には、コロナに感染した子どもの血液データが不可欠です。しかし、子どもは感染しても軽症で済むため、調査に必要な血液を持っている病院自体が少ないのが現状です。ですが慈恵医大は、コロナにかかった妊婦や親子入院を受け入れていたので、データとなる血液が蓄積されていました。さらに、調査に必要な資金は横浜市大が確保してくれたので、共同研究として実現できたのです」