市野塊
妊娠中に新型コロナウイルスに感染したら、おなかの赤ちゃんにうつるのか。世界中から報告が上がり、国内でも疑わしい例が出ている。様々な研究報告から、母から子への感染の可能性がわかってきた。
4月中旬、埼玉県内で母親と生まれたばかりの赤ちゃんの新型コロナ感染が確認された。出産した蕨市立病院では、感染確認の4日前までに助産師2人の感染がわかった。母子は退院していたが、接触の疑いがあり、検査を受けていた。
病院によると、感染経路はいまもわかっていない。出産から10日以上経っており、出産後に赤ちゃんにウイルスがうつった可能性は十分ある。もう一つの可能性として指摘されたのが、母親がウイルスに感染し、胎盤などから赤ちゃんにうつる「母子感染」だった。
母子感染は、風疹やB型肝炎、C型肝炎ウイルス、ジカウイルスなどで起きることが知られている。風疹は、赤ちゃんに難聴や心臓病が出る可能性があるほか、ジカウイルスは脳が小さくなる「小頭症」などの重い障害が出るおそれがある。
新型コロナの母子感染は早くから指摘されていた。中国では2月、生まれたばかりの赤ちゃんが新型コロナに感染していたと報告された。
7月に米国のチームが39本の論文や報告を分析したところ、感染した妊婦から生まれた936人の赤ちゃんが48時間以内に鼻の奥のPCR検査を受け、3・2%が陽性だった(https://www.ajog.org/article/S0002-9378(20)30823-1/fulltext#)。
一般的にウイルスが赤ちゃんに侵入するルートは、胎盤や臍帯血(さいたいけつ)、羊水、膣(ちつ)、母乳など様々だ。新型コロナでは胎盤を通じたルートが有力だとみられている。
フランスの研究チームは7月、…
この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。
こちらは無料会員が読めるです。月5本までお読みいただけます。
こちらは無料会員が読めるです。月5本までお読みいただけます。
この記事はです。
残り:859文字/全文:1586文字
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
速報・新着ニュース
あわせて読みたい
PR注目情報