東京の台所、豊洲市場の新型コロナ感染者114人に 「陽性なら休業」自主検査に及び腰も
2020年11月21日 09時10分
新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、感染者が急増している東京都の豊洲市場(江東区)では20日、新たに30人の感染が報告され、11月だけで101人となった。8月からの累計は114人。業者団体は従業員約1万人のうち約4000人を対象に自主的な検査に乗り出しており、小池百合子知事は「市場全体の安心のためにも、早く検査を受けてほしい」と呼び掛ける。
都によると、豊洲市場では8月15日に最初の陽性者が出て以降、感染判明が相次いでいたが、11月に入って急増。業者団体「豊洲市場協会」は、特に感染者が多い約480の水産仲卸業者の従業員らに、任意での自主検査を始めた。
ただ、水産仲卸業者は家族経営など少人数で営業しているところもあり、「陽性と分かれば休業を余儀なくされる」と検査に及び腰の人もいて、これまでに受けたのは約900人にとどまる。協会は残る約3000人強にも月末までに検査を受けるよう促している。
市場で感染者が急増している要因について、都の担当者は「9割は感染経路が分かっておらず、クラスター(感染者集団)と認定されていない」と話す。ただ「先月まではマスクをしていない人も散見された」といい、江東区保健所は「施設内で感染が広がった可能性もある」としている。
小池知事は20日の定例会見で「積極的に検査を受けていただくことが、豊洲市場の安全確認と、ご自身の健康不安の解消につながる」と話した。(小倉貞俊)
PR情報