[ワシントン 19日 ロイター] - 米労働省が19日に発表した11月14日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、74万2000件と前週の71万1000件から予想外に増加した。新型コロナウイルスの感染抑制に向けた新たな事業閉鎖によって一時解雇が増え、労働市場の回復を一段と鈍化させている。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は70万7000件だった。
3─4月に一時解雇された人の約80%が再雇用されたことで、新規失業保険申請件数は過去最高となった3月の686万7000件から大幅に減少。これが過去半年間の雇用市場の回復をけん引した。
オックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミスト、ボブ・シュワルツ氏は「レストランやバーなどのサービス業を手掛ける企業は春と夏にロックダウン(都市封鎖)措置が解除されたことで営業を再開できたため、再雇用が増えている」と指摘。ただ、再雇用された人々が再び一時帰休のリスクにさらされているとした。
調整前ベースの失業保険申請件数は1万8344件減の74万3460件。季節調整済みの数字は新型コロナの影響が加味されるため、エコノミストは調整前の数字に注目している。
自営業者や単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」などに適用されるパンデミック失業支援(PUA)の申請件数を含めると、1週間で110万人が失業保険を申請した。
11月7日までの1週間の失業保険受給総数は637万2000件と、前週の680万1000件から減少した。
失業保険の受給期間を最長13週延長するパンデミック緊急失業補償(PEUC)の受給者は、10月31日までの1週間で前週比23万3458人増の437万7000人と最高を更新した。一方、何らかの失業給付を受けている人は2032万人と、前週の2116万人から減少した。
※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」