築地本願寺のボランティア接遇活動は、当初中央仏教学院通信教育生同窓会のメンバーが主力となって、2013年10月より始まりました。20数名だったメンバーも今は40名ほどになり、皆さん熱心に活動されています。
私には全く興味のない世界でしたが、川口忠治先輩に誘われて嫌々ながら始めてみると、参拝に来られる人々から教えられることが多く、だんだんと接遇の楽しさが感じられるようになりました。
ここを訪れる人の9割方は、初めての観光客です。広い境内は築地市場に来る観光バスの駐車場として使用されていることもあり、その傍らに不思議な建物があるので興味半分で階段を上って来られ、外国人も世界各地から一目に数百人来られます。特に仏教の盛んな台湾や東南アジアの人が多く、日本の各地からも一目千人以上の老若男女の人が参拝されます。
ボランティア接遇員として立っているといろいろな人々との出遇いがあります。20代の若いお母さんが一歳になったばかりの赤ちゃんに焼香台の前でお参りの仕方を教えていました。三歳の男の子が大人顔負けの大きな声で「なあまんだ一、なあまんだ一」と称えています。
信心深いスリランカの人たちが本堂の入口で履物を脱ぎ、母国の慣習に従って裸足のまま熱心に参拝していかれました。 外国の方たちは「Amazing」「Beautiful」「Peaceful」などと、本堂やこの内陣のきらびやかさに驚きの声を発して眺めていかれます。
日本人も、インドと日本と西洋を融合したようなこの建物に感動されるとともに、広い堂内に腰掛けると厳かで安らかな雰囲気とお線香の香りに癒され、また阿弥陀如来のまなざしに見守られる安心感を得ていかれるようです。
ボランティア接遇では参拝者からいろいろなことを質問されます。このため、質問されたことを一つ一つ書き止めて、分からないことは本やインターネット、本願寺のホームページや築地本願寺の職員に聞いて資料を作り、ファイルしていきました。しかし、資料が多くなると重くて、持っているのが辛いため、小冊子にしょうと思い立ち、一年間かけて写真を撮って説明しやすいようにまとめてみました。さらに外国人向けにもなるように協力を願い英文も併記しました。
この小冊子は、築地本願寺に訪れる参拝者や大多数の観光客の方々に築地本願寺の楽しさや仏教ならびに浄土真宗に親しんで貰うために役立てればと思い、ボランティア接遇員用ガイドブックとして作成しています。皆様のお役に立てれば幸いです。
同窓会関東支部 『さんが』十八号より
奉仕活動員 平成24年度卒 洞鶏(どうけい)憲雄
2018年7月5日