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まだまだ揉める米大統領選、トランプは一体何をしようとしているのか

選挙不正の疑いが消えない中で

油断する明智光秀と虚をつく豊臣秀吉

まず初めに確認したいのは、現時点(11月21日の本稿執筆時)では、トランプ氏が敗北宣言をしていないので、「次期大統領の確定」は法的に行われていないということである。少なくとも、12月14日の選挙人投票が行われるまでは全く未定である。

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むしろ、まるでトランプ氏がごねてでもいるかのように敗北宣言を執拗に迫る民主党やバイデン氏には、トランプ氏が敗北宣言をしなければ困る理由でもあるのだろうか? 彼らが主張するように、すべてが公正に行われた結果ならば、物事が明らかになるまで待てばよいだけのことである。

そもそも、大統領選挙の「法廷闘争」で先行したのは2000年の「ブッシュ対ゴア」における民主党候補のアル・ゴア氏である。12月12日にアメリカ合衆国最高裁判所(連邦最高裁)が判決を下してようやくブッシュ氏の勝利が「確定」した。

したがって、バイデン氏や民主党の主張は、日本の特定野党が得意とする「ブーメラン」であり、米国民主党が日本の特定野党のようになりつつある象徴とも言える。

そして、特定野党になりつつある民主党の言い分をまともな検証もせず、そのまま無批判に報道するオールドメディアは、今や中国共産党の「人民日報」のような民主党御用メディア=「民主日報」とでも呼ぶべきであろう。

「メディアが大統領を決めるのではない」から、実際のところバイデン氏は、本能寺の変で「主君殺し」という大罪を犯したにもかかわらず「天下をとった」と慢心していた明智光秀に例えられるであろう。

よく思い起こしてほしいが、豊臣秀吉が「天下人」の座を固めたのは「清須会議」である。そして、会議が始まるまで多くの織田家の重臣たちは秀吉が信長の後を継ぐなどと夢にも思わなかった。

ところが、信長の孫ではあるがまだ幼児であった「まさかの」三法師を担ぎ上げる「奇策」によって会議の流れを逆転させ主導権を握ったのだ。もちろん、その前には「反秀吉派」にはわからないように周到な準備が行われていたことはよく知られている。

もし、「居眠りジョー」と揶揄されるバイデン氏のような人物がトランプ氏の立場であったらとっくにゲームオーバーなのかもしれない。しかし、トランプ氏がビジネスの世界で絶体絶命の危機を何回も乗り越えてきたことはよく知られている。失敗と見えるケースを逆手に取って、むしろ大成功に導いているのだ。だから、「失敗を重ねることによって成功してきた」ようにも思える。

米国初代大統領ジョージ・ワシントンも、総司令官時代は強大な英国軍に負けてばかりいて、9戦のうち3勝しかしなかったとされる。しかし「米国独立という戦争」には見事勝利した。

それではトランプ氏の「中国大返し」「清須会議」に匹敵する、「秘策」はどのようなものであろうか?

 

それは、秀吉が「中国大返し」の後「清須会議」でフィニッシュを決めたように概ね2つのステージに分かれる。