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DMデッキ開発部 レボリューション
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最新構築デッキバックナンバー記事検索開発部の軌跡TOPへ戻る 番外編 「デュエマ史上初の公認グランプリを勝利するのはどのデッキだ!?デッキ開発部がグランプリで活躍しそうなデッキを大胆予想!」 ※キャラクターアイコンをクリックすると詳細をご覧になれます。
今回のメンバー

エーツー・トモ
「グランプリ!」

エーツー
「というわけで、デュエル・マスターズ史上初の公認グランプリ開催直前だね」

トモ
「そうですね!ワクワクとドキドキが止まらないですね!」

エーツー
「うんうん。今回開催されるグランプリは、これまでと違って『デュエマを競技として楽しむ人達』に向けたイベントだもんね。どんな熱い戦いが繰り広げられるか、今からも楽しみだよ」

フルコンプ特設ページ

トモ
「そうですね!ちなみに、大会の概要についてはここのページに書いてあります。残念ながら参加者募集はもう終了してしまいましたが、すでに1000人以上の参加予定者がいる、デュエマ史上の最高のイベントになりそうですね!

クリエーターズ・レター

エーツー
「うんうん。ちなみに、今回、公認グランプリが開催されることになった理由についてはこちらのページを読んでもらえるとよくわかると思うよ。デュエマを開発しているメンバーからのメッセージって中々読む機会がないから新鮮だね」

トモ
「そうですね!」

ケンジ
「こんにちわー」

エーツー
「うわ!ケンジくんだ!珍しい!どうしたの?」

ケンジ
「いや、実は、公認グランプリが開催されるにあたって、公認グランプリで活躍しそうなデッキをまとめてほしいという依頼がデッキ開発部に来てまして……」

エーツー
「あ、そうなの?僕、聞いてなかったんだけど……トモちゃん知ってた?」

トモ
「知らないですね!」

エーツー
「だって、ケンジくん。デッキ開発部の依頼でトモちゃんが知らないってよっぽどだよ」

ケンジ
「いや、それが……Deadmanさんからお願いされて……」

エーツー
「えー、Deadmanのお願いなのー!?」

ニコニコ生放送

ケンジ
「そうです。当日朝9:30から放送されるニコ生での解説用にまとめてほしいって頼まれちゃったんですよね……」

エーツー
「うーん……ケンジくんが一番頼みやすそうだからって……どうする?トモちゃん」

DMGP注意事項コラム

トモ
「でも、Deadmanさんは、当日のニコ生解説以外にも、直前の案内とかいろいろ頑張ってくれてますし、少しくらい協力してもバチは当たらないと思いますよ!」

エーツー
「まぁ、トモちゃんがそう言うなら、まとめよう!」

テキストカバレージ

ケンジ
「ありがとうございます、エーツーさん!ちなみに、当日はDeadmanさんのニコ生だけじゃなくて、主任もテキストで観戦記事を、できるだけリアルタイムで上げていくらしいですよ

エーツー
「へぇ、そうなんだ?っていうか、主任って観戦記事とかそういうの書けるの?」

トモ
「主任は、キーボードを触るだけで蕁麻疹がでる体質らしいですけど、我慢して頑張るって言ってましたよ!」

エーツー
「最近、よくわからないな、あの人も……Deadmanのせいだな、きっと。まぁ、そのへんのよくわからない事情は置いといて、じゃ、グランプリで活躍しそうなデッキの話をしようか。うーんと、じゃあ、ケンジくん、どのへんから話せばいいかな?」

ケンジ
「そうですね……僕、一番強いデッキの話が知りたいです!」

エーツー
「一番強いデッキなんて、無い!」

ケンジ
「え!?」

エーツー
「デュエマには色々な戦略があるから、一番のデッキなんてないんだ!そもそも、一番強いデッキが決まってるなら、それがグランプリ優勝デッキなんだから、もう、グランプリやる必要ないじゃん」

トモ
「いや、エーツーさん、それはさすがに言いすぎですよ!だって、同じデッキを使っても人によって、プレイの仕方も違いますし、もっと言えば、同じタイプのデッキでも微妙に入れてるカードが違ったりするじゃないですか。私はそういうところでも勝負は変わると思いますし、それがデュエマの面白いところだと思いますよ!

エーツー
「まぁ、それはそうか。ちょっといいすぎだったけど、まぁ、とは言え、いわゆる『最強のデッキ』ってのは基本的にはないんだ」

ケンジ
「そうなんですか?」

エーツー
「うん。なぜなら、デュエマのデッキ、もっと言えば戦略には、基本的に弱点もあるからね。もちろん、他の多くのデッキより有利な戦略をとれるデッキ、ってのは存在するけど、だからといって、そのデッキが最強、そのデッキが無敵ってわけじゃないんだよ」

ケンジ
「あ、えっと……僕が聞きたいのは、無敵じゃない最強のデッキです」

エーツー
「無敵じゃない最強?どういうこと?」

トモ
「エーツーさん!多分、ケンジさんは、他の多くより有利な戦略がとれて、なおかつ弱点をつかれにくいデッキはなにか、って聞いてるんだと思いますよ」

エーツー
「うーん、つまり、勝ちやすくて負けにくいデッキってことか。そういう意味での最強っていうなら、ちょうどいいデッキが……」

シュウ
「それで終わりか!開発部リーダー、エーツー!」

エーツー
「いや、終わってな……」

ハル
「その声は!闇文明の貴公子、シュウさん!」

エーツー
「だから、むしろ話そうとしてたところだったし、ハルくんはどこから湧いてきたんだよ」

ハル
「シュウさんあるところに、僕あり、ですよ」

エーツー
「よくわからないな、もう」

ハル
「なんですか?僕とシュウさんがキャッキャしてるのに妬いてるんですか?だったらエーツーさんも、八重子さんなり、リリィさんなり、トモちゃんさんなりとキャッキャすればいいじゃないですか」

エーツー
「なんで、そこでトモちゃんが出てくるんだよ!」

ケンジ
「もう、いいですから!話すすまないじゃないですか!ただでさえ、今回は真面目にやれって、Deadmanさんから圧力がかかってるんですよ!このままじゃ、デッキ開発部がDeadmanさんに知名度で圧殺されちゃいますよ!

トモ
「ほんと、皆さんすぐ脱線するんですね!で、シュウさんはなにしに来たんですか?」

シュウ
「ふむ……我が弟が求めている最強のデッキを教えようかと思いましてな」

トモ
「うーん……シュウさんが言ってくるなら答えは見えてるような気はするんですけど……一応聞いてみますね。最強のデッキってどれなんですか!?」

シュウ
「もちろん、闇単ですぞ!闇文明の美学ですな!」

トモ
「やっぱり!!また脱線じゃないですか!」

エーツー
「あ、トモちゃん、そんなこと無いんだ!」

トモ
「え?」

エーツー
「実際、シュウくんが入ってくる前に僕がケンジくんに言おうと思っていた最強デッキも闇単なんだよね」

トモ
「そうなんですか……」

エーツー
「うん。簡単にいえば、闇単は序盤・中盤・終盤隙が無い、超強力なデッキなんだ。というわけで、一番最初に紹介するデッキはこれだ」

シュウ
「ふむ、見事な闇単ですな」

ハル
「ですね、シュウさん!やっぱり闇単の話をしているシュウさんが一番だ!」

ケンジ
「えっと、ちなみにシュウお兄ちゃん、闇単が一番強い理由はなんなの?」

シュウ
「もちろん、闇文明の美学ですぞ!闇文明の美学の結晶、それがこの闇単ヘルボロフデッキなのですぞ!」

ケンジ
「……うーん……ちょっとよくわかんないや」

ハル
「シュウさんは多くを語らないタイプですからね。じゃあ、シュウさんの代弁者として僕がケンジさんに闇単ヘルボロフが最強な理由を説明してあげますね。闇単ヘルボロフが最強な理由は……大きく分けて……5個ありますね

ケンジ
「すでに多い!」

ハル
「まぁ、闇文明の美学の結晶ですからね。というわけで、順番に解説していきますよ」

1.ピンポイントの手札破壊で特定のキーカードに依存したデッキに強い

解体人形ジェニー特攻人形ジェニー

ハル
まずは、闇文明最大の武器、手札破壊ですね。4マナ最強カードのひとつとも言われる《解体人形ジェニー》を使えるってだけで、闇文明を選ぶ理由になりますね」

エーツー
「まったくだね。4ターン目に《解体人形ジェニー》が飛んでくるってだけで、4ターン目以降に特定のキーカードに頼るコンボは、何らかの対策が必要になってしまうもんだからね」

トモ
「なんといっても、相手の手札を見ての手札破壊は強力ですからね!一番邪魔なカードを捨てられるだけでなく、残ったカードで相手の戦略をしばらく予想しやすくなりますからね!」

シュウ
「ですな。ちなみに、4ターン目では遅い、という相手に対しては、使い勝手では劣る代わりに2マナの《特攻人形ジェニー》がありますな」

ハル
「最序盤だと、ランダムに手札を捨てられるだけで大きく動きが制限されちゃいますもんね。というわけで、次行きますよ」

2.大量の手札破壊で手札が大量に必要なデッキに強い

爆霊魔 タイガニトロ

ケンジ
「また、手札破壊!」

シュウ
「我が弟よ、手札破壊は闇文明の美学ですぞ」

ケンジ
「いや、それはわかるんだけど……1.とどこが違うのかちょっとわからないや……」

ハル
「同じような手札破壊に見えるかもしれないんですけど、実はちょっと違うんですよね。比較的どんなカードでもいいから、それなりの枚数のカードが手札にほしい、っていうデッキに対しては、手札破壊は質より量なんですよ」

ヘブンズ・ゲートマーシャル・クイーン

トモ
「あ、わかりました!《ヘブンズ・ゲート》《マーシャル・クイーン》ですね!」

ハル
「そうです、そうです」

エーツー
「実際、特定のキーカードに対して強いって言っても、引かれたカードはそのターンに使われちゃうから、そのターンに引いたカードに対しては基本的に何もできないもんね」

魔天降臨

シュウ
《魔天降臨》が殿堂入りする前は、キーカードを引かれる前にマナを減らして、引かれたターンにすら使わせないことも出来ましたがな……」

ハル
「今はそこには頼りにくいですよね。で、まぁ、その点、大量に手札を捨てさせる戦略は、《ヘブンズ・ゲート》《マーシャル・クイーン》みたいにある程度以上の枚数が手札にある前提のデッキ相手だと、今引き……デッキのトップだから、トップデックって言うんですけど、それにも対応できるんですよね」

トモ
「ましてや、継続的に手札を捨てさせ続ける《爆霊魔 タイガニトロ》ならなおさら、ってことですよね」

ボーンおどり・チャージャー

シュウ
「うむ。《ボーンおどり・チャージャー》を利用すれば、4ターン目の終わりからマナ武装発動ですからな。この最速パターンだと、普通のデッキでも厳しいのは間違いないですな」

3.強力なシールドトリガーが揃っているので、速攻に耐性が高い

魔狼月下城の咆哮地獄門デス・ゲートデーモン・ハンド

ハル
「3つ目はこれですね」

ケンジ
「これはわかりやすいですね。闇文明と言えば、《デーモン・ハンド》の時代から除去をするトリガーが強い文明ですもんね」

凶殺皇 デス・ハンズ

トモ
「『燃えろドギラゴン!!』では、《デーモン・ハンド》内蔵クリーチャーが登場して、相手を破壊しつつ殴り返し要員も準備できますからね!これは強力ですね!」

西部人形ザビ・バレル白骨の守護者ホネンビー

ハル
「ちなみに、少し話はずれますが《西部人形ザビ・バレル》《白骨の守護者ホネンビー》は、手札破壊や墓地活用をしながらブロッカーを用意してくれるので、そこでも速攻相手の耐性はありますね」

4.強力な墓地利用で中盤以降の息切れを防ぎやすい

極・龍覇 ヘルボロフ極魔王殿 ウェルカム・ヘル

ケンジ
「これもわかりやすいですね!というか、デッキの名前にもなってますね」

ハル
「そうですね。むしろ、このカードがここまで強力だからこそ、闇単の隙が大きく減ったといってもいいかもしれないですね」

龍覇 ウルボロフ滅殺刃 ゴー・トゥ・ヘル

シュウ
「うむ、そうですな。実際、今の闇単の原型はほとんど『龍解ガイギンガ』発売時には出来上がってましたが、《龍覇 ウルボロフ》《滅殺刃 ゴー・トゥ・ヘル》は効果が小さかったのももちろんですが、なによりクリーチャーどドラグハート・ウエポンの組み合わせで龍回避もないので、継続的に使いにくかったですからな」

トモ
「相手にトドメを指す状態をいち早く整えるのにも、そして、整えるまでの時間を妨害し続けるのにも、継続的にカードを供給する要素は必要ですもんね!そういう意味で、闇単ヘルボロフが今までの闇単以上に強力なのはこの2枚のお陰ですね!」

龍覇 ニンジャリバン龍魂城閣 レッドゥル

ケンジ
「あと、あれですね。《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》の能力発動条件がバトルゾーンに出た時と自分のドラグナーが攻撃した時、なので、出した時に《龍覇 ニンジャリバン》を墓地から出して、《龍魂城閣 レッドゥル》でスピード・アタッカーを与えることですぐ能力を発動させられるのは強いですよね」

ハル
「そう!そこなんです!というわけで、次ですね」

5.強力なドラグナーとドラグハートがある

悪夢卍 ミガワリ忍者屋敷 カラクリガエシ

ケンジ
「えー、これは前のと同じじゃないですか」

ハル
「まぁ、すごい大雑把に言えばそうなんですけど、《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》《忍者屋敷 カラクリガエシ》の能力発動ってことを考えると、闇文明のドラグナーってだけで、他の文明のドラグナーより大体強いですし、そうさせることができる闇のドラグハートもやっぱり強い、ってことなんですよ」

エーツー
「墓地利用を考えなくても単純に強い、ってこと?」

ハル
「強さの理由は墓地にあるんで、完全にそう!とまでは言えませんけど、それに近いですね。そもそも、《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》《悪夢卍 ミガワリ》が相性がよすぎるんですよね」

シュウ
「ですな。バトルゾーンにクリーチャーが何でもいいから1体いて、墓地に《龍覇 ニンジャリバン》がいるところで《極・龍覇 ヘルボロフ》を出したりすると……」

 1.《極・龍覇 ヘルボロフ》《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》をバトルゾーンに出し、そのときの効果で《龍覇 ニンジャリバン》をバトルゾーンに出す。

 2.《龍覇 ニンジャリバン》《龍魂城閣 レッドゥル》をバトルゾーンに出し、《龍覇 ニンジャリバン》をスピード・アタッカーにしてアタックする。

 3.《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》のドラグナーがアタックした時の能力が発動。《龍覇 ニンジャリバン》をバトルゾーンに出して、《悪夢卍 ミガワリ》を装備させる。

 4.《極・龍覇 ヘルボロフ》《龍覇 ニンジャリバン》2体と、最初からいたクリーチャーを破壊して《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》《極・魔壊王 デスゴロス》に龍解させる。この時に《悪夢卍 ミガワリ》を装備していた《龍覇 ニンジャリバン》は破壊される代わりに《悪夢卍 ミガワリ》《忍者屋敷 カラクリガエシ》に龍解させる。

 5.《極・魔壊王 デスゴロス》の龍解時能力で、相手のクリーチャーを2体破壊。さらに、龍解時に闇のクリーチャーが破壊されているので《忍者屋敷 カラクリガエシ》が龍解する。

シュウ
「ということで、相手のクリーチャーを2体破壊しつつ、《極・魔壊王 デスゴロス》《絡繰の悪魔龍 ウツセミヘンゲ》《龍覇 ニンジャリバン》と、一気にゲームを決めるだけの数のクリーチャーが並びますからな

ハル
「そうなんですよ!そこなんですよ、シュウさん!というわけで、最後がこれです!」

6.切札が環境最強クラス

極・魔壊王 デスゴロスリュウセイ・イン・ザ・ダーク

ケンジ
「6個あるじゃないですか!」

ハル
「シュウさんの大好きな闇単を説明してると思ったらつい興奮して……というのは冗談としても、4と5と6の区分けは少しむずかしいですからね。なんであれ、闇単はここまでだけでも超強力なのに、切札の性能が環境最強クラスなんですよ!」

エーツー
「たしかにそうだよなー。さっき出てきてた名前で言っても《極・魔壊王 デスゴロス》は龍回避があって、場持ちがいいし、《絡繰の悪魔龍 ウツセミヘンゲ》に至っては墓地があれば破壊されないと、トリガーにすらある程度は耐性がある切札だもんね」

シュウ
《リュウセイ・イン・ザ・ダーク》も、中盤は相手のスピード・アタッカーを対策しつつ、じわじわと相手のバトルゾーンを攻めてくれますが、終盤も、相手が《ヘブンズ・ゲート》で出してくるブロッカーを無効化できますし、破壊されても手札に戻ってくるので、耐性も高いですな」

ハル
「というわけで、これが闇単ヘルボロフの強いところ、つまり、最強のデッキである理由ですよ。さっきエーツーさんも言ってましたけど、序盤・中盤・終盤と隙が無いデッキ、それが闇単ヘルボロフなんです!」

ケンジ
「なるほどー。っていうか……これだけ見てると、闇単ヘルボロフに勝てるデッキなんて想像できないですね」

ハル
「そうですね。まさに闇単ヘルボロフは、僕とシュウさんみたいなパーフェクトフォルムなデッキですからね!」

シュウ
「ですな!」

エーツー
「そんなことはないよ!」

トモ
「さすが、エーツーさん!惚れちゃいます!」

エーツー
「たぶん……」

ハル
「急に弱気ですね」

エーツー
「まぁ、やっぱ、ここまで長々と闇単ヘルボロフの説明に時間を使うくらいには、闇単ヘルボロフは隙が小さくて強いデッキだからね。とはいえ、弱点が無いわけではないから、そこを攻めればなんとか行けると思うんだ。というわけで、まずは闇単の弱点を上げていくよ」

1.速攻デッキで一気に殴りきれる(こともある)

トモ
「いきなり、弱気じゃないですか!」

エーツー
「うーん、まぁ、これ、僕も本当に弱点かなやんでるところなんだけどさ。ただ、闇単は、防御を大きくトリガーに依存してる部分はあるんだけど、トリガーするかどうかはゲーム開始時に並べた5枚頼みなんだよね。そこが、まぁ、他の特に速攻に強いデッキに比べると少し脇が甘いかなって」

シュウ
「ふむ。まぁ、実際、トリガーを10枚前後入れてたとしても、それがたまたまトリガーせずに負けてしまうことはありますからな

エーツー
「うん。なんだかんだで闇単が負けるパターンってそれもあるよね。ただ、これは運の要素が大きすぎるから明確な弱点とは言えないかもしれない。でも、逆に言えば、トリガー対策をした速攻なら、勝てる可能性は上がるってことだよね」

学校男

ハル
「まぁ、闇単は軽めの除去入れてることも多いですけどね」

エーツー
「そうなんだよね。なんで、これは参考程度ってことで。次行こうか」

2.トップデックした強力カード1枚に負けてしまう(こともある)

ケンジ
「また、弱気ですね……」

エーツー
こっちはさっきよりも自信はあるんだけどね。マナさえあれば、1枚を叩きつける、みたいなタイプのカード、いわゆる1枚コンボをトップデックすれば、それだけで一気に闇単に勝ってしまう!こともある

ケンジ
1枚コンボってなんですか?1枚で勝てるってのがちょっとわかりにくいんですけど……」

エーツー
「あ、もちろん、純粋に1枚で勝てるってわけじゃないんだけどね。ただ、手札からそれを1枚使うだけで、ほぼ勝ち確定のところまで持っていけるカードのことだね」

黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド

ハル
「山札を一気に墓地にして、さらに山札の一番上まで積み込める《黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド》なんて典型的な1枚コンボですよね」

エーツー
「そうだね。まぁ、《黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド》を使うコンボの場合、デッキの中身のほとんどがコンボ用になるっていう無視しにくい弱点もあるし、なにより《ヴォルグ・サンダー》で山札を削られてしまうっていう最大の弱点があるからグランプリでは使いにくいかもしれないけど、考え方はあってるよね」

パーロックのミラクルフィーバー偽りの名 iFormula X

トモ
「山札の下のカードを仕込んだ状態での《パーロックのミラクルフィーバー》も、残りのコンボパーツをすべて手札に持ってきてくれるから、1枚コンボですね」

エーツー
「うん。事前の仕込みが必要でも、対闇単で考えるなら、1枚コンボって言っていいと思う。そこが、闇単が触れにくい部分なら、だけど

ケンジ
「触れにくい部分ってなんですか?」

エーツー
「それは次のお題なんだけど、逆に言えば、例えば闇単が破壊しやすいクリーチャーを並べておく、とかの準備だと、トップデッキする時まで準備したものが残ってる可能性がどんどん下がるから、勝率もさがっちゃうよね?そういうこと」

ケンジ
「なるほどです」

エーツー
「そういうわけで、万能に近い対応を誇る闇単も引いたばかりのカードは対処できないから、それがゲームに勝ってしまう1枚コンボだと対応しにくいってことだね。まぁ、それがシールドをブレイクするタイプの1枚コンボだと、トリガーもあるけどね」

トモ
「まぁ、そこは物量作戦とかでなんとか」

3.闇単文明であるがゆえに、触れにくいカードがある。

ケンジ
「これ、さっき言っていたことですよね。これってどういう意味ですか?」

龍波動空母 エビデゴラス

エーツー
「うん。実は、五文明の中で、唯一闇文明だけが直接フォートレスをどかす手段を持っていないんだよね」

時空の封殺ディアス Z

ケンジ
「あれ?《時空の封殺ディアス Z》ってフォートレスもどかせるんじゃないでしたっけ?」

エーツー
「それはそうなんだけど、相手が選ぶからね。自分で直接邪魔なカードをどかせないんだ。特に、毎ターンカードをドローさせてくる《龍波動空母 エビデゴラス》は、龍解後も除去耐性として龍回避を持っていたりとかなり苦手なカードだね」

ケンジ
「なるほど。じゃあ、相手の妨害に対抗できるフォートレスを出してしまえば、闇単相手はかなり楽になるってことですね」

シュウ
「ふむ。たしかに、フォートレスを出された場合は、触れないのでかなり苦しみますな。とは言え、触れないカードがあるのも闇文明の美学、それはそれで仕方ないと割り切って、フォートレスが力を発揮してしまう前に殴り勝つ戦術に切り替えますな」

エーツー
「うん、そうなんだよね。殴り始めたらそれはそれで強いからな、闇単」

トモ
「あぁ、あと、さっきシュウさんが言ってましたけど、《魔天降臨》が殿堂入りしたから、相手のマナゾーンもさわりにくいんじゃないですか?」

ハル
「殿堂入りした、ってのもありますけど、闇単ヘルボロフの場合、墓地利用してカードを稼いでも直接バトルゾーンに出てしまうので、手札が増えなくてそもそも《魔天降臨》が使いにくいんですけどね、まぁ、どっちでもいいんですけど」

エーツー
「というわけで、そのへんの触りにくいところを使って勝てるデッキがあれば、闇単に有利になれるかもしれないね」

ケンジ
「闇単が他の文明を足してきたらどうするんですか?」

シュウ
「闇文明の美学的にそれはありえないですな」

ケンジ
「え?」

ハル
闇単ヘルボロフは、《魔狼月下城の咆哮》《爆弾魔 タイガマイト》と、マナ武装を活用してるから、文明を足しにくいんですよね。僕はどっちでもいいので、思い切って足してみる、っていうデッキ構築もありかもしれませんけど、そのリスクに見合わないっていうのが現状なんじゃないですかね」

トモ
「グランプリで、上手いバランスで他文明を足してくるデッキが出てきたら脅威ですね!」

エーツー
「まぁ、単文明でくまなきゃいけないのも、闇単の弱点っちゃ弱点なのかもね」

4.なんだかんだでアタックして勝つデッキである。

ケンジ
「デュエマは、クリーチャーでアタックするゲームなんだから、当たり前じゃないですか!」

エーツー
「こないだ、君の弟もそう言っててびっくりしたけど、まぁ、逆に言えば、ユウヤくんが使うようなアタック以外で勝つデッキに比べれば、相手のシールド関係のギミックとか、アタック関係のギミックにひっかかりやすいんだよね」

ケンジ
「とはいえ、切札が強力だから、どちらかと言えばひっかりにくいですよね?」

「無情」の極 シャングリラペトリアル・フレーム

エーツー
「ひっかかりにくい、ってわけで、完全に無視できないってことだよ。例えば《「無情」の極 シャングリラ》《ペトリアル・フレーム》がクロスされて、横に《学校男》避けにクリーチャーがいたら、勝てないよね?」

ケンジ
「でも、そこまで決まっちゃったら、ほとんどのデッキは勝てないですよね?」

エーツー
「一応、《偽りの名 iFormula X》みたいなエクストラウィンや、山札削るループみたいに、そこからでも勝てるデッキはあって、それに比べると一応アタック制限系のギミックには弱いかな、っていうだけの話。それこそ、《ペトリアル・フレーム》みたいなクロスギアに触れる闇のカードは大会ではほとんど使われないし、《「無情」の極 シャングリラ》の進化元は、手札やバトルゾーン以外のマナゾーンや墓地でいいんだから、さっきの1枚コンボの条件には噛み合ってるわけじゃない」

ケンジ
「なるほどなぁ……」

エーツー
「まぁ、とはいってもレアケースに近い弱点ではあるよね。でも、逆に言えば、そこを満たしてるデッキは闇単相手に勝てる可能性が少しはあるデッキ、ってことになるかもしれない」

ハル
「あ、あとあれですよね。さっきシュウさんが言っていたみたいに、相手がフォートレスとかで有利だから、さっさと勝負を決めたい、って時には、トリガーとかの時間稼ぎも役に立ちますよね、結局殴ってくるわけですから」

エーツー
結局殴らないといけない、っていう弱点を攻めるならそういう考え方もあるね。なんであれ、闇単ヘルボロフに対して勝てるデッキを考えるなら、こういう弱点をつける、もしくはこれらの弱点を複合してるデッキを考えることになるね

ケンジ
「なるほど。じゃあ、それを踏まえて、エーツーさんが最強デッキである闇単ヘルボロフに勝てると思うデッキはなんですか?」

エーツー
「うん、僕が考えるデッキはこれだ」

火自然モルトNEXT
枚数 コスト レアリティ 文明 名前 収録弾
4 2 / DMX14
4 3 自然 《フェアリーの火の子祭》 DMX14
4 5 / DMD20
3 6 《メガ・マナロック・ドラゴン》 DMR17
4 6 《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》 DMR15
2 7 《熱血龍 メッタギルス》 DMR16真
2 7 《次元龍覇 グレンモルト「覇」》 DMD20
4 7 《超戦龍覇 モルトNEXT》 DMR16極
1 7 / DMD13
4 8 《熱血龍 バトクロス・バトル》 DMD18
3 8 《永遠のリュウセイ・カイザー》 DMD20
2 8 《不敗のダイハード・リュウセイ》 DMR09
3 8 / DMD20
超次元ゾーン
枚数 コスト レアリティ 文明 名前 収録弾
1 2 《革命槍 ジャンヌ・ミゼル/聖槍の精霊龍 ダルク・アン・シエル》 DMX17
1 3 《龍魂教会 ホワイティ/極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》 DMR16極
1 3 《爆熱剣 バトライ刃/爆熱天守 バトライ閣/爆熱DX バトライ武神》 DMX18
1 4 《銀河大剣 ガイハート/熱血星龍 ガイギンガ》 DMR13
1 5 《覇闘将龍剣 ガイオウバーン/勝利の覇闘 ガイラオウ》 DMD20
1 5 《闘将銀河城 ハートバーン/超戦覇龍 ガイNEXT》 DMR16真
1 5 自然 《恐龍界樹 ジュダイオウ/恐・古代王 サウザールピオ》 DMR16真
1 6 《無敵王剣 ギガハート/最強熱血 オウギンガ》 DMR15
超戦龍覇 モルトNEXT闘将銀河城 ハートバーン

エーツー
「火自然ガイNEXTデッキだ!」

シュウ
「ふむ、なるほど、そうきましたか」

ケンジ
「あ、やっぱりシュウお兄ちゃん、火自然ガイNEXTデッキは闇単ヘルボロフを使ってるとつらいの?

シュウ
「うーん、まぁ、なんとも言えないんですがな。全く勝てないくらいきつい、ってわけではないけれども、まさにさっきエーツー殿が言っていた闇単ヘルボロフの弱点、つまり、トップデックされたカードで一気に負けるパターンが多いデッキですからな」

エーツー
「うん、そうなんだよね。実際、どれだけ手札破壊されようと、除去されようと、マナゾーンに火のドラゴン5枚を含む7マナがあれば、《超戦龍覇 モルトNEXT》を引くだけで、シールドを5枚ブレイクしてダイレクトアタックまで持っていけるんだよね」

トモ
「最初の《超戦龍覇 モルトNEXT》のブレイクで2枚、アンタップして龍解した《超戦龍覇 モルトNEXT》のブレイクで3枚、そして《超戦龍覇 モルトNEXT》でダイレクトアタックですね!」

ケンジ
「たしかに、それだとさっき言っていた1枚コンボの条件にあいますけど……でも、結構普通にシールドを殴ってきてるから、トリガーが強いデッキ闇単ヘルボロフ相手には殴りきれないんじゃないですか?」

シュウ
「まぁ、たしかにそうだから、絶対勝てないとは言わないんですがな……実は、その動きをされた場合、トリガーするチャンスは最初の2枚しかないから、分が悪いんですぞ」

ケンジ
「最初の2枚だけ?でも、その後のT・ブレイクでトリガーしてもダイレクトアタックはしのげるよ」

ハル
「まぁ、それはそうなんですけどね……そこで、さっき話してた弱点の3つ目が活きてくるんですよ。闇単は《超戦龍覇 モルトNEXT》……っていうか、まぁ、どっちでもいいんですけど、根本的には《闘将銀河城 ハートバーン》に対処することができないんですよ。だから、その状態でシールドがゼロになっちゃうとグッと負けが近づくんです」

ケンジ
「あ、なるほどです、ハルくんちゃんさん!T・ブレイクでトリガーしても、対処できるのはダイレクトアタックしてくる《超戦龍覇 モルトNEXT》じゃなくちゃダメで、さらなるトリガーや次のターンに《超戦龍覇 モルトNEXT》を除去しても龍回避しちゃって《闘将銀河城 ハートバーン》はバトルゾーンに残っちゃうんですね」

シュウ
「ですな。そうなってしまうと、引いたドラゴンがすべてスピード・アタッカーでダイレクトアタックを狙ってきますからな。その前に勝ちきりに行かなければならないんですぞ。でも、なまじブレイクしてしまうと相手に勝負を決めるカードを与えてしまう可能性が上がるので難しいところなんですぞ」

ケンジ
「闇単ヘルボロフが苦手な1枚コンボでの必殺があって、しかもそれをしのいでも闇単ヘルボロフが対処できないフォートレスをバトルゾーンに残せるから有利、ってことですね」

エーツー
「そうだね。さらに補足すると、火自然ガイNEXTが闇単ヘルボロフに対してがんばれるのは、その1枚コンボ待ちの状態にマナ加速で素早くたどり着けることと、1枚コンボのデッキ内の枚数が多いから、トップデックし易い、イコール勝ちやすいってことだね」

ケンジ
「1枚コンボは《超戦龍覇 モルトNEXT》だけじゃないんですか?」

次元龍覇 グレンモルト「覇」龍秘陣 ジャックポット・エントリー

エーツー「《次元龍覇 グレンモルト「覇」》も、闇単ヘルボロフ相手には実質1枚コンボだし、そのどちらかをバトルゾーンにだせる《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》も実質1枚コンボって言っていいと思うよ。デッキに10枚前後トップデッキして有利になるカードがあるなら、闇単ヘルボロフは不利って言っていいとは思うよ」

ケンジ「《次元龍覇 グレンモルト「覇」》も闇単は厳しいですか」

真聖教会 エンドレス・ヘブン真・天命王 ネバーエンド

エーツー
《超戦龍覇 モルトNEXT》ほどはきつくないだろうけど、例えば《真聖教会 エンドレス・ヘブン》を置かれてしまうだけで、一気に厳しくはなると思う。このカード、攻めてる時に使うと本当に対処できないからね」

ハル
「とは言え、結局闇単ヘルボロフは妨害力・対応力・決定力が揃ったデッキですからね。圧倒的に火自然ガイNEXTが有利!ってほどにまではならないですよね」

エーツー
「うん、そこが辛いところだよね。ただ、火自然ガイNEXTの闇単ヘルボロフに強いところである、ものすごい速さで1枚コンボが成立する状態を作って、対処しにくいフォートレスを含めて一撃必殺してくる、って戦略はデュエマのほとんどのデッキに対して有効なんだよね」

トモ
「そうですね。少なくとも、妨害要素や防御要素が少ないデッキだと、火自然ガイNEXTより早く勝たなければ、一気に勝負を決められちゃいますもんね」

エーツー
「うん。だから、色々なデッキに対して常に勝てる可能性を残せる、ってのはこのデッキを選ぶ強みだよね。特に、不利な状況から一枚のトップデックでひっくり返すパワーではこのデッキより上のデッキは中々ないね」

トモ
「まさに、ひっくり返したれや、ですね!」

ケンジ
「ふむふむ、ってことは火自然ガイNEXTデッキも十二分に強力なデッキでグランプリでも多くいる可能性があるんですね」

エーツー
「そうだね。色々なデッキに常に勝てる可能性がある、ってのは長丁場で色々なデッキと戦う可能性があって、しかも1本勝負で、運次第で不利な状況にさせられてしまったらキツいグランプリでは悪くない選択肢かもな、って僕は思うよ」

ケンジ
「ちなみに、火自然ガイNEXTデッキの弱点ってあるんですか?今、聞いてると、ものすごい理想的なデッキに聞こえるんですけど」

エーツー
「闇単ヘルボロフと火自然ガイNEXTの一番の違いは、火自然ガイNEXTは、対応力や妨害力をほとんど攻撃力にしちゃってるんだよね。だから、妨害しないといけないようなデッキ相手にはスピードで勝負をつけるっていう力技で対処できるんだけど、逆にその攻撃力を潰しに来るデッキ、つまり防御力に焦点を当てたデッキは勝ちにくいんだよね。1枚コンボが機能しにくくなってしまうから」

ケンジ
「うーん、それってどんなデッキですか?」

エーツー
「まぁ、デュエマで防御力って言ったら、あれでしょ……」

八重子
「ですのよー!」

ケンジ
「あ、八重子おねぇさん!」

八重子
「ですのよ、八重子ですのよ。デュエマで防御力といえば、八重子、そしてトリガーとブロッカーですの。というわけで、八重子が紹介するのはこのデッキですの」

ヘブンズ・ゲート

八重子
「光水闇ヘブンズ・ゲートですのよ!」

ケンジ
「あぁ、たしかにデュエマで防御のデッキといえば《ヘブンズ・ゲート》ですよね……でも、なんかちょっと昔のデッキ、っていう印象の人も多いんじゃないですか?」

八重子
「そんなことないんですのよ!!シュウ様の愛する闇単の絶頂期が今だとしたら、八重子の愛する《ヘブンズ・ゲート》の絶頂期は、いつですの?

ケンジ
「え?」

八重子
「今ですのよ!」

ケンジ
「そういうところがなんか、昔のやりとり感あるんですけどね……でも、圧倒的な破壊力を持つ火自然ガイNEXTに対応できるほどの防御力があるんですか?

八重子
「それがあるんですの。まさにこのコンボが今の光水闇ヘブンズ・ゲートを支えているんですのよ!」

音感の精霊龍 エメラルーダ奇跡の精霊ミルザム

トモ
《ヘブンズ・ゲート》で同時に出した2枚のうち、《奇跡の精霊ミルザム》のウルトラシールド・プラスを先に解決して、6枚になったシールドを《音感の精霊龍 エメラルーダ》の能力で手札に戻して、その中のシールド・トリガーを一気に発動させる大技ですね!」

八重子
「ですのよ。もちろん、シールドが1枚も残ってない時は、先に《音感の精霊龍 エメラルーダ》でシールドを増やして、《奇跡の精霊ミルザム》のウルトラシールド・プラスをして、相手のブレイクを待つとか、色々小技はできるんですの。なんにしろ、これで一気に防御を固めたり有利になる、っていうのが、光水闇ヘブンズ・ゲートのすごいところですのよ

ケンジ
「すごいコンボですね。でも、それだけで圧倒的な攻撃力を持つ火自然ガイNEXTを対処しきれるもんなんですか?

エーツー
「それが、まぁ、実際キツイ。《パクリオ》で遅らされたり、《スペルブック・チャージャー》で加速されたりして、こっちが攻め始める前に《ヘブンズ・ゲート》からのコンボが決まっちゃうと、少なくとも一気に攻めきれなくなっちゃうんだよね」

ケンジ
「攻めきれなくても、圧倒的な攻撃力でなんとかなるんじゃないですか?」

真・龍覇 ヘブンズロージア英雄奥義 バーニング銀河

エーツー
「そこがねぇ……時間を稼がれてるウチに、《真・龍覇 ヘブンズロージア》を出されてフォートレスを出されちゃうと、ほとんど攻めきれなくなっちゃうんだ。火自然ガイNEXTは、デッキの戦略上ある程度以上のドラゴンをデッキにいれないと行けない関係で、《英雄奥義 バーニング銀河》をデッキに入れにくい、つまり、闇単ヘルボロフと同じように、強力なフォートレスがでてくると対処できないデッキなんだ」

八重子
「光文明のフォートレスも、条件さえ揃っちゃえば最強クラスのものが何枚もありますのよ。そこでの対応力の高さも魅力ですのね」

ケンジ
「でも、同じ様にフォートレスが強い闇単ヘルボロフ相手の場合は、問題じゃなかったですよね」

シュウ
「うむ。闇単ヘルボロフのフォートレスに関しては、火自然ガイNEXTは無視して先に勝てば良いからな。しかし、火自然ガイNEXTの攻撃を止めてくる光のフォートレスを無視することはできないんですぞ」

ハル
「もちろん、《英雄奥義 バーニング銀河》をいれればこの弱点はなくなりますけど、代わりに火自然ガイNEXTの強いところである安定した爆発力が減ってしまいますからね。これはどっちでもいいってわけじゃなくて、どっちかを選ばないと行けない時点で苦しいですよ」

ケンジ
「光水闇ヘブンズ・ゲートに勝つために《英雄奥義 バーニング銀河》を入れると、闇単相手に強かった爆発力が減って、ただでさえ圧倒的有利ではないのが、不利になっちゃうかもしれない、ってことですね……それは苦しそうだなぁ」

龍脈術 水霊の計魔天降臨

エーツー
「そうなんだよね……あと、火自然ガイNEXTの強さを支える『フォートレスが対処されにくい』ってところをがっちり対処できる《龍脈術 水霊の計》を無理なくデッキにいれられたり、闇単ヘルボロフと違って手札を増やしやすいデッキだから、マナを減らしてこちらのトップデッキそのものを防ぐ《魔天降臨》を無理なく入れられたりと、実際、まったく勝てないわけじゃないけど、かなり戦いたくないデッキなんだよね」

ケンジ
「なるほどです。闇単ヘルボロフが勝てないわけじゃないけど火自然ガイNEXTと戦いたくないように、火自然ガイNEXTは、光水闇ヘブンズ・ゲートが勝てないわけじゃないけど戦いたくはない相手なんですね」

ハル
「そういうことですね」

ケンジ
「じゃあ、逆に、光水闇ヘブンズ・ゲートが戦いたくないデッキってどんなデッキなんですか?」

トモ
「あれ、その話はもうしてますよ」

ケンジ
「そうでしたっけ?」

シュウ
「ふむ。さっき、闇単ヘルボロフの強いところを説明してる時にでてきてたな」

ケンジ
「あ、そういえばそうでしたね!」

八重子
「ですのよ。やはり光水闇ヘブンズ・ゲートは、《ヘブンズ・ゲート》っていうキーカードが重要な上に、ある程度以上の手札を持って戦いたいデッキですの。だから、大量の手札破壊で攻めてくる闇単ヘルボロフはかなり苦手ですのよ」

ケンジ
「なるほどなぁ……」

聖鐘の翼 ティグヌス復活の祈祷師ザビ・ミラ

八重子
「もちろん、手札破壊対策の《聖鐘の翼 ティグヌス》も入ってますのよ。あと、先にコンボが決まれば物量で圧倒できることも多いですの。さらに、デッキの構造上、どうしても墓地を増やすために山札を削る闇単ヘルボロフ相手には《転生スイッチ》からの《復活の祈祷師ザビ・ミラ》《ヴォルグ・サンダー》を一気に並べてトリガーで勝つ、みたいな相手の嫌な勝ち方も備えてるから、圧倒的不利、とまではいいませんの。でも、逆に言えば、専用の対策カードを用意しないと行けないくらいには戦いたくない相手ですのよ」

ケンジ
「なるほど、光水闇ヘブンズ・ゲートも、絶対勝てないわけじゃないけど、闇単ヘルボロフは苦手だということですね」

シュウ
「ですな。まとめると、闇単ヘルボロフは、光水闇ヘブンズ・ゲート相手は戦いやすくて、火自然ガイNEXTが苦手ですぞ」

エーツー
「火自然ガイNEXTは、闇単ヘルボロフ相手は戦いやすくて、光水闇ヘブンズ・ゲートは苦手だね」

八重子
「光水闇ヘブンズ・ゲートは、火自然ガイNEXTが戦いにくくて、闇単ヘルボロフが苦手ですの」

図1

ケンジ
「図にまとめるとこういう感じですね」

トモ
「ただ、それぞれ超強力なデッキだけに得意パターンがあって、それが決まれば不利な相手でも勝てちゃったりするから、絶対的な相性ではないですけどね」

ハル
「あと、その中だと、やっぱり闇単ヘルボロフが少しだけですが有利なんじゃないかなと僕は思いますね。なんだかんだで、一応は最強だと思います」

エーツー
「とはいえ、こういう感じの三すくみになって圧倒的に最強のデッキにならないようにお互い監視しあってるんだよね。火自然ガイNEXTのパターンはさっき説明したけど、例えば闇単ヘルボロフも、苦手な火自然ガイNEXTに対処するためにシールド・トリガー呪文を増やすと、クリーチャーが減ったことで墓地戦略が使いにくくなって物量でかなわなかったり、そもそも《復活の祈祷師ザビ・ミラ》で負けやすくなって、光水闇ヘブンズ・ゲートへの有利が減ってしまうんだよね」

シュウ
「ですな。そもそも、得意な戦い方を崩さないといけなくなってしまう時点で、デッキのパワーが落ちて、この3つ以外のデッキにも勝ちにくくなってしまったりしますしな」

ケンジ
「なるほど、面白いですね」

エーツー
こういう三すくみのことを、メタゲームって呼んでる人は多いね。メタ、ってのは『上位の』みたいな意味なんだけど、実際に対戦してるゲームより上位の部分で相性とかのゲームが発生することを指してるみたいだね。なんにしろ、グランプリにむけてはまずはこの3つのデッキの動きと相性を理解するのがいいと思うよ」

ケンジ
「はーい、わかりました、ありがとうございます」

リリィ
「待つのじゃ!!!!!」

ケンジ
「あれ、リリィ、どうしたの?」

リリィ
「兄様、待つのじゃ!グランプリのために覚えておくべきデッキは、その3つだけじゃないのじゃ!」

ケンジ
「え?まだあるの?」

リリィ
「なのじゃ。色々なデッキが状況によって勝てる可能性がある、それがデュエマの面白いところなのじゃ。そもそも、メタゲームをそういう三すくみの相性だけで語ってしまうのもあぶないのじゃ」

ケンジ
「え?そうなの?そうなんですか、エーツーさん?」

エーツー
「あぁ、まぁ、メタゲームの整理の仕方は色々な方法があるからね。実際、この三すくみ以外の考え方で、一応最強デッキである闇単ヘルボロフに結構有利なデッキもあるんだよね」

ケンジ
「そう聞いちゃうと気になるなぁ……」

リリィ
「気になるとよいのじゃ!そもそも、そのデッキは兄様とわらわが大好きなデッキなのじゃ!」

ケンジ
「え、そう聞いちゃうともっと気になる……」

リリィ
「それを考えるためには、まずは、『デッキのバランスのとれた強さ』『対応するためのスピード』について考えるのじゃ」

ケンジ
「うわ、急に難しいことをリリィが言い始めた。なんで、そんなことを知ってるの?」

リリィ
「うむ。ハルに習ったのじゃ」

ハル
「あ、そうですね、僕が教えましたね。説明するの難しいので、図を用意しましょうか。まず、『デッキのバランスのとれた強さ』ですけど、『根本的な強さ』って言い換えてもいいいですね。これは単純に相手が何であっても強い、みたいなことです。基本的には、一番バランスのとれた強さを持ったデッキがあって、それにどう対応するかっていう考え方ですね」

ケンジ
「さっき話してた、対応するためのカードをいれると、本来の強さじゃなくなっちゃうから、特定のデッキに対応するカードを入れていくほうがデッキが弱くなってしまう、ってことですか」

ハル
「そうですね。あと、特定のカードだけじゃなくて、デッキ全体で対策してる場合も対策した相手のデッキに対しては強いけど、メタゲーム全体でみた場合は少しデッキパワーが下がってる、みたいなことも含めてますね

エーツー
「ここまで散々話してきたように、今回で言えば一番バランスのとれた強さを持っているデッキは、闇単ヘルボロフだね」

ハル
「そうですね。で、ここまでは、あるデッキに対処する方法を特定のカードや戦略で語ってきましたけど、それをもっとざっくりと『デッキが一番得意なターン』で考えると、また別の対策デッキが見えてくるわけです」

ケンジ
「ん?ちょっとわからないです」

ハル
「対策したいデッキの得意なターンより、得意なターンが早いか遅いか、で考えるってことですね。
得意なターンが早い、はわかりますよね」

ケンジ
相手が得意なターンや状況になる前に勝ってしまう、もしくは有利になってしまう、っていうことですか?例えば、闇単ヘルボロフが準備する前に、1枚コンボの状況を素早く作って素早く勝ってしまう火自然ガイNEXTみたいに」

ハル
「そうですそうです。さすがはシュウさんの弟ですね!で、遅いっていうのが少しわかりにくいと思うんですけど、デュエマのカードって、マナが重い方が基本的には強いんですよ」

ケンジ
「マナが軽いカードより、重いカードが強かったらおかしいですもんね」

トモ
「もちろん、マナが軽いカードには、相手の得意なターンより先に行動できるっていうメリットがありますけどね!」

エーツー
「あと、そういうコストを踏み倒すっていう戦い方もあるけど、まぁ、基本的にはそうだし、そのへんを覆してるカードこそ、みんな強いカードっていうよね」

ハル
「ですです。というわけで、カード同士がぶつかり合うなら、基本的にはコストが重いカードの方が勝てるわけです。じゃあ、相手より重いカードを使うにはどうするか、っていうと、相手が得意なターンをなんとかして乗り切って、より重くて強いカードで自分が戦えるターンまで戦いを引き伸ばす、ってわけです」

ケンジ
「あぁ、わかりました!自分より早いターンが得意な火自然ガイNEXTに対して、相手の得意なターンは対応カードでしのいで、より強力なコンボやカードで勝つ光水闇ヘブンズ・ゲートみたいな形ですね」

ハル
「その通りです!さすがはシュウさんの弟!」

シュウ
「そんなに褒められると照れますぞ」

ハル
「シュウさんはもっとすごいですよ。というわけで、今の話をまとめるとこういう感じの図になります」

図2

ハル
「図の横軸は、左に行けば行くほどバランスのとれた本来の強さ、右に行けば行くほど、対応するための強さです。で、縦軸は、対応するためのスピードに速さと遅さのどちらを選んでるか、ですね」

ケンジ
「ふむふむ、なるほど一番左にある闇単ヘルボロフに対して、火自然ガイNEXTは速さで対応していて、その火自然ガイNEXTに対しては、光水闇ヘブンズ・ゲートが遅さで対応してるってことですね。ちなみに、闇単ヘルボロフと光水闇ヘブンズ・ゲートはだいたい同じ速さって事になってますけど、この場合はどうなるんですか?」

ハル
「その場合は、当然、より左側にあるカードの方がデッキのバランスがいいので、基本的には有利です。だから、闇単ヘルボロフの方が有利ですね、基本的には。というわけで、この関係性をさっきの図に書き込んで見ましょう」

図3

ケンジ
「あ、さっきの三すくみと同じ形になった!」

ハル
「ですね。実際には、上下や左右ではどんぐらい遠いと相性がひっくり返るかとかみたいな話もあるんですけど、長くなりますし、今は必要ないんで省略しますね」

ケンジ
「でも、同じ形になるなら、わざわざこの考え方で新しい図を書く必要は無いんじゃないですか?」

リリィ
「違うのじゃ、兄様!さっきの図を、この形に置き換えると気がつけることがあるのじゃ」

ケンジ
「え?」

リリィ
「闇単ヘルボロフの上、闇単ヘルボロフに対応できるデッキのスペースが開いているのじゃ!」

ケンジ
「え?つまり、闇単ヘルボロフを受けきって、遅さで対抗するデッキがある、ってこと!?

リリィ
「なのじゃ!そして、それがこのデッキなのじゃ」

光水火自然カイザー刃鬼
枚数 コスト レアリティ 文明 名前 収録弾
4 2 自然 《フェアリー・ライフ》 DMR17
4 2 自然 《ピクシー・ライフ》 DMD12
1 3 《光牙忍ハヤブサマル》 DMD24
1 3 自然 《セブンス・タワー》 DMD13
3 4 《パクリオ》 DMX01
4 4 《ドンドン吸い込むナウ》 DMD26
3 4 / DMR11
1 4 / DMR02
2 5 自然 《超次元フェアリー・ホール》 DMX08
2 5 / 調 DM11
2 6 《龍覇 M・A・S》 DMR14
1 6 // DMX01
3 7 《龍素記号Sr スペルサイクリカ》 DMR13
1 7 / DMD13
2 8 《永遠のリュウセイ・カイザー》 DMD20
2 8 《不敗のダイハード・リュウセイ》 DMR09
1 10 《勝利宣言 鬼丸「覇」》 DMD20
1 11 ゼロ 《「祝」の頂 ウェディング》 DMR06
2 11 ゼロ 《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》 DMX13
超次元ゾーン
枚数 コスト レアリティ 文明 名前 収録弾
2 2 《時空の喧嘩屋キル/巨人の覚醒者セツダン》 DMX02
1 5 // / DMD20
1 6 自然 《タイタンの大地ジオ・ザ・マン/貪欲バリバリ・パックンガー》 DMR01
1 6 自然 《魂の大番長「四つ牙」/バンカラ大親分 メンチ斬ルゾウ》 DMX06
1 7 // / DMD20
2 4 《龍波動空母 エビデゴラス/最終龍理 Q.E.D.+》 DMR14
「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」ピクシー・ライフ

リリィ「《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》を使った、刃鬼デッキなのじゃ!」

ケンジ「おお、たしかに僕の大好きなデッキだ。たしかに言われてみると《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》は闇単が苦手な1枚コンボだし、序盤に手札に来てしまったら、闇単が触りにくいマナゾーンにチャージしておけば、《ピクシー・ライフ》をトップデックすれば、1枚コンボで勝てるもんね」

リリィ「なのじゃ。デッキ自体の細かい動きはちょっと省くが、簡単に言えば、刃鬼は《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》を召喚さえしてしまえば、大量の重量級ハンターがバトルゾーンに並んで一気にゲームを決めるデッキなのじゃ。それこそ、闇単のトリガーすらものともせずに一気にゲームに勝ってしまうのじゃ!」

ケンジ
「でも、闇単ヘルボロフは、ものすごい妨害も多いし、攻め始めたら、火自然ガイNEXTほどじゃないとしても、結構強烈な攻撃力があるけど、そこはどうするの?」

ハル
「そこは、さっき言った遅いデッキは相手の得意なターンを凌ぎきる、ですね。そして、そのために相手、つまり闇単ヘルボロフの苦手な部分を利用するわけです」

龍波動空母 エビデゴラス調和と繁栄の罠

リリィ
「なのじゃ。闇単の触れないフォートレスで手札破壊の影響を小さくしつつマナ加速やトップデックするべきカードを探しだして、相手の得意な状況を短くしたり、そもそもアタックして勝負を決めないといけない闇単相手に《調和と繁栄の罠》で攻撃を無効化して時間を稼いだりするのじゃ!」

エーツー
「さっき、闇単は単文明で組まないといけない、みたいな話があったけど、そういう事情もあって《調和と繁栄の罠》は闇単相手にすごい効果的だもんね」

メガ・マナロック・ドラゴン

リリィ
「一時期は、マナを使いにくくする《メガ・マナロック・ドラゴン》の影響で少し勝ちにくくなってた刃鬼なのじゃが、闇単相手に効果的なカードを用意して、圧倒的なカードパワーで勝つということで、大復活したのじゃ!」

ハル
「こういう考え方をすると、実はあるデッキがこうすればもっと勝てるようになるかもしれない!ってことに気が付きやすくなるのでおすすめですね」

龍素記号Sr スペルサイクリカ「祝」の頂 ウェディング

リリィ「闇単の得意なターンあたりで、闇単に匹敵できるパワーのある《龍素記号Sr スペルサイクリカ》を使いやすいデッキなのも含めて、もともと可能性は高いデッキだったのじゃ。闇単への対策を増やすのならば、そのデッキのスペースを作るために、勝つためのパーツを多くデッキにいれないと行けない《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》の代わりに、少し速度は遅くなるが同じく圧倒的なカードパワーの《「祝」の頂 ウェディング》を入れる形も結構強いんじゃないかとわらわは思うのじゃ」

図4

ケンジ
「じゃあ、刃鬼も含めると、こういう感じの図になるんですね。これは確かにさっきの三すくみだけだと気が付かないですね。ちなみに、横軸だと、左の方が強いのはわかったんですけど、縦軸で同じくらいの位置にある火自然ガイNEXTと刃鬼の場合は、どっちが有利なんですか?」

ハル
「うーん、そこはまぁ、どれくらい速度に差があるかみたいなのも影響してくるんで、図の上でどれくらい離れているかも重要なんですけど、基本的には遅い方が有利になりますね。ただ、この場合はどうですかね……」

リリィ
その場合は防御が《調和と繁栄の罠》だよりなので、その枚数次第で受けきれるかどうかが決まってしまうので、闇単よりは少し戦いにくいのじゃ。とはいえ《調和と繁栄の罠》《龍素記号Sr スペルサイクリカ》で使いまわしていれば受けきれてしまうことも多いのじゃ」

エーツー
「この図は説明しやすくするために、左右の関係性を単純化してるから、純粋にこの図だけで相性を把握するのは少しむずかしいかもしれないから、さっきの図と併用するといいかもね。刃鬼を踏まえると、こういう感じの図になるね」

図5

ケンジ
「なるほど。火自然ガイNEXTが刃鬼を飛び越えているのは、さっき言っていた『バランスのとれたデッキパワー』の影響ですか?」

エーツー
「今のところはね。闇単相手のデッキとしては、今のところは火自然ガイNEXTの方が完成度が高いデッキが多いような気はするね。ただ、闇単に刃鬼で勝てる!ってなってグランプリに向けて完成度の高い刃鬼を作っている人もいるだろうから、完成度で刃鬼が上回れば、このふたつのデッキの位置は逆転するだろうね

リリィ
「わらわは、グランプリの結果はそうなると思ってるのじゃ」

ケンジ
「なるほどなぁ……でも、そうなってくると、闇単とヘブンズ・ゲートの間、ヘブンズ・ゲートとガイNEXTの間が空いてるのも気になってきますね。ここの部分にはまるデッキもあるんじゃないですか?

エーツー
「いいところに気がついたね、ケンジくん!もちろん、そこのポジションのデッキはあるよ。まず、ヘブンズ・ゲートとガイNEXTの間に入るデッキ、それは……ガイNEXTよりも早いデッキだ!というわけで、このデッキを紹介するよ」

火単ガトリング
枚数 コスト レアリティ 文明 名前 収録弾
4 1 《凶戦士ブレイズ・クロー》 DMD21
4 1 《螺神兵ボロック》 DM14
4 2 《爆冒険 キルホルマン》 DMR16極
4 2 《斬斬人形コダマンマ》 DMX14
4 2 《炎舌実況 DJ・ショー》 PROMO
4 3 《鬼切丸》 DMX20
4 3 《爆炎シューター マッカラン》 DMD21
4 3 《音速 ニトロフラグ》 DMR17
4 4 《音速 ガトリング》 DMR17
4 6 《デュアルショック・ドラゴン》 DMX19
音速 ガトリング

エーツー
「もともと、火単速攻は、大会でたまに結果を残すくらい速さで極まったデッキだったんだけど、『燃えろドギラゴン!!』でその速さを底上げする侵略が登場したことで、火自然ガイNEXTが対応しにくいレベルの速さのデッキになったんだ」

八重子
「ただ、火自然ガイNEXTみたいな後半の一発があまりないデッキだから、初速を凌がれてしまった時の勝ちにくさは火自然ガイNEXT以上ですのよ。あと、サイズが小さいからブロッカー相手も他のデッキに比べて特に苦手ですの。そういうわけで、光水闇ヘブンズ・ゲートは、火単ガトリングには有利だと思いますのよ」

スナイプ・モスキート死神術士デスマーチ

ケンジ
「ちなみに、速攻の代名詞とも言える闇自然墓地速攻はどうなんですか?」

エーツー
「もちろん、今も現役だよ。純粋な速さでは火単ガトリングの方がマックスが早いのと、新しいデッキだから対処しにくいのもあって、今は火単ガトリングの方が流行ってるように見えるけど、安定感と粘り強さは闇自然墓地速攻のほうが高いんじゃないかと僕は思うから、グランプリでは見るデッキになるかもね」

ケンジ
「なるほど……じゃあ、ヘブンズ・ゲートと闇単の間に入るのはどんなデッキですか?」

エーツー
「そりゃ、あれでしょ。ヘブンズ・ゲートといえば、八重子ちゃん。で、八重子ちゃんが苦手なデッキだよ」

ケンジ
「八重子おねぇさんが苦手なデッキ?アレしか思いつかない」

トモ
「しかも、闇単、つまり手札破壊が苦手ですね!」

ケンジ
「じゃあ、アレだ!間違いない……それは……」

ユウヤ
「わぁい、コンボー!!!」

エーツー
「あ、ユウヤくん、元気になったの?」

シュウ
「……ユウヤは先日の殿堂のショックがまだ癒えてないんですぞ……でも、グランプリでコンボに活躍して欲しくて、来たわけなのです」

ユウヤ
「うん、そうだよー」

エーツー
「たしかに、心なしかいつもより声が弱々しい……」

八重子
「八重子も一安心ですのよ」

ユウヤ
「でも、コンボデッキを考えるのは僕だけじゃないからねー。世界中のコンボ好きたちが常に新しいコンボを考えてるから、八重子おねぇさんも油断できないよー」

八重子
「ひぃぃいぃぃぃぃぃ」

トモ
「コンボデッキは、手札への妨害が少なめで、相手が攻撃してくるのを対処する前提であることが多い光水闇ヘブンズ・ゲート相手には有利ですね!」

シュウ
「かわりに、闇単ヘルボロフの強いところの話で出たように、特定のカード相手に対処してくる闇単は苦手ですな」

ハル
「あ、でも、クリーチャーで攻撃しなかったり、トリガーを無効にするコンボだと、闇単対策を攻撃対策にしてるデッキにも有利なので、実は今、結構強いかもしれないですよね」

ユウヤ
「そうだねー。で、数あるコンボの中でも、闇単が触りにくいゾーンで準備をしつつ、最終的にはトップデックの1枚コンボもできるこのデッキがグランプリ的には本命かなーとおもうよー」

イメンループ
枚数 コスト レアリティ 文明 名前 収録弾
2 1 自然 《トレジャー・マップ》 DMR14
1 2 自然 《ダンディ・ナスオ》 DMD25
4 2 自然 《霞み妖精ジャスミン》 DMD25
2 2 自然 《フェアリー・ライフ》 DMR17
1 3 《光牙忍ハヤブサマル》 DMD24
2 3 《終末の時計 ザ・クロック》 DMD26
3 3 自然 《天真妖精オチャッピィ》 DMX18
4 4 《パクリオ》 DMX01
1 4 自然 《霊騎ラグマール》 DMD12
1 4 自然 《掘師の銀》 DMD03
1 4 《爆轟 マッカラン・ファイン》 DMR14
3 4 《ドンドン吸い込むナウ》 DMD26
3 5 《電流戦攻セブ・アルゴル》 DMR01
1 5 自然 《次元流の豪力》 DMX06
4 5 / DMD26
1 5 // DMX08
1 5 / DMR03
1 6 / DM13
4 7 自然 《龍覇 イメン=ブーゴ》 DMX18
超次元ゾーン
枚数 コスト レアリティ 文明 名前 収録弾
1 4 《イオの伝道師ガガ・パックン/貪欲バリバリ・パックンガー》 DMR01
1 5 《サンダー・ティーガー/雷獣ヴォルグ・ティーガー》 DMR02
1 5 《シルバー・ヴォルグ/撃墜王ガイアール・キラードラゴン》 PROMO
1 5 // / DMD20
1 5 // / DMR04
1 6 // / DMD20
2 4 自然 《邪帝斧 ボアロアックス/邪帝遺跡 ボアロパゴス/我臥牙 ヴェロキボアロス》 DMX18
龍覇 イメン=ブーゴ邪帝斧 ボアロアックス鎧亜戦隊ディス・マジシャン

ユウヤ
「イメンループだよー!」

八重子
「ひぃぃいぃぃぃぃぃ!」

ハル
《龍覇 イメン=ブーゴ》がいて《邪帝斧 ボアロアックス》が龍解している状態で、《鎧亜戦隊ディス・マジシャン》がなれべられれば、《霞み妖精ジャスミン》をバトルゾーンにだして、破壊すると、マナが増えて《鎧亜戦隊ディス・マジシャン》のスペースチャージが両方発動、つまり、墓地の《霞み妖精ジャスミン》を回収しつつ、増えた1マナで召喚できるようになるってループですね。で、《霞み妖精ジャスミン》がでるたびに《邪帝遺跡 ボアロパゴス》も発動するから、マナゾーンからどんどんクリーチャーがでてきて、一気に勝負を決めるコンボですね」

エーツー
「……《鎧亜戦隊ディス・マジシャン》が殿堂入りしても、まだ存在するデッキなんだね……」

ユウヤ
「そうだねー。もともと《龍覇 イメン=ブーゴ》はコンボに頼らなくても強いデッキだったし、相手にプレッシャーを与えつつ隙を見てコンボパーツを集めつつ、瞬殺もねらう、みたいな調整で勝ってる人がいるみたいだねー。こういうの見ると、僕ももっとがんばらなきゃ、って思うよー

八重子
「そんなに頑張らなくていいんですのよ!」

ユウヤ
「このコンボのいいところは、ある程度パーツをマナゾーンに置いておけば闇単は手出しできないし、途中で、コンボが決まらなくても《邪帝遺跡 ボアロパゴス》に龍解してフォートレスになっておけば、これも闇単は触れないところだね。もちろん、コンボだから手札破壊はきついけど、闇単相手に一番戦えるコンボなんじゃないかなー」

図6

ケンジ
「なるほど。じゃあ、全部埋めると、こんなかんじですね。この6つのデッキに現時点では注目するのがグランプリでデッキを楽しむ方法ですね」

エーツー
「うん。とりあえずは、それでいいんじゃないかな」

ケンジ
「この中のデッキのどれが勝つか、楽しみですね」

アン
「ちょっと待ったー!!!!!っす!」

シュウ
「その声は、開発部の道化師、アン!」

アン
「そすそす、アンちゃんっすよ!アンちゃんの出番まで長すぎて、このまま終わっちゃうのかと思ったっすよ!」

エーツー
「いや、ケンジくんもだいたいまとまってデッキを把握したし、もう終わろうかと思ってたんだけど」

アン
「それで終わりか!開発部リーダー、エーツー!」

シュウ
「その声は、開発部の道化師、アン!」

ハル
「二回もやる必要ないですよ、シュウさん!」

アン
「まぁ、なんであれ、いいんすよ。今、勝ってるデッキをうまくまとめるのは、グランプリを楽しむためにも重要っすよ。でも、いいっすか、その6つのデッキの中から優勝デッキが出てくるって考えるのは、おかしいっすよ、ケンちゃん!」

ケンジ
「え?そうなんですか?」

アン
「そりゃそうっすよ。勝つために更にアイディアにアイディアを練り込んできたデッキに対して最大の評価は、もちろん勝利っす。そういうデッキの勝利の可能性を考えないのはそういうデッキを作ってる人に失礼っすよ!衝撃は、いつも枠の外からくるんすよ!」

エーツー
「いや、まぁ、そうだけどさ……」

アン
「例えば、さっきのデッキの中で言えば、刃鬼は一時期あまり勝ててなかったっすけど、《調和と繁栄の罠》という尊い閃きから逆算することで、闇単に対抗しうるデッキとして輝いたわけじゃないっすか!そういう尊い閃きを大事にしたいとアンちゃんは思うっすし、それを楽しみにするために、アンちゃんは今の環境を熟知したいんすよ!閃きだと気がつくために!」

リリィ
「むぅ……たしかに、わらわも《調和と繁栄の罠》が入った刃鬼を見た時はワクワクしたのじゃ」

アン
「そすそす、さすがリリィちゃん、わかってるっすね!ひとつのアイディアで、いきなり予想外のデッキが勝ってくる、これこそ、大会のデッキを追いかける醍醐味なんすよ!過去の全国大会でも、そういった、勝利のためのイノベーションによって一気に有名になったデッキもたくさんあったじゃないっすか!

エーツー
「あー、確かにそうだね……光闇オールイエスとか、マーシャルデッキとか、自然単サソリスとかは、全国大会に勝つためにアイディアを練り込んできて、多くの人に驚きを与えつつ、みんなが使うデッキになっていったもんね」

マーシャル・クイーン

アン
「そすそす、そうっすよ。勝つために知恵を絞り、それを賞賛する、それこそが大会の醍醐味っす。アンちゃん、個人的には、マーシャルデッキも、手札破壊に致命的に弱いという弱点を補完するスーパーアイディアが出てくれば、その他のデッキにたいしてかなり有利に戦えるデッキとして復活する可能性はあると思ってるっすよ。今の、ループを備えたマーシャルデッキなら、それくらいのデッキパワーはあるっす!」

シュウ
「ふむ。たしかにそうですな。それぞれの勝つための美学を楽しむのは必要ですな」

トモ
「そうですね!それによって、とんでもないデッキパワーのデッキが生まれてくる可能性もありますもんね!」

アン
「っていうか、アンちゃん、究極、デッキパワーすら勝つためには必要ないと思ってるっすよ、アイディアさえあれば」

ハル
「え?それはおかしくないっすか、アンちゃんさん。さすがにデッキパワーは必要ですよ

アン
「まぁ、ハルくんはゴッドデッキ以外は、デッキパワー信者みたいなところあるっすからね。もちろん、最低限のデッキパワーは必要っすよ。でも、デッキパワーを犠牲にするのは対応カードを入れる時だけじゃないってことっす」

ケンジ
「どういうことですか、アンちゃんさん」

アン
「知られていないことも、大会では有利になることもあるってことっす。
例えば、このデッキを見て欲しいっす」

光水火自然ビッグマナレッドゾーン
枚数 コスト レアリティ 文明 名前 収録弾
4 2 自然 《フェアリー・ライフ》 DMR17
4 2 自然 《霞み妖精ジャスミン》 DMD25
1 3 《光牙忍ハヤブサマル》 DMD24
3 4 《サイバー・ブック》 DMR17
3 4 《ドンドン吸い込むナウ》 DMD26
3 4 / DMR11
1 4 / DMR02
2 5 《音感の精霊龍 エメラルーダ》 DMX18
3 5 自然 《超次元フェアリー・ホール》 DMX08
2 5 / 調 DM11
2 6 《轟く侵略 レッドゾーン》 DMR17
3 6 《龍覇 M・A・S》 DMR14
1 6 《アポカリプス・デイ》 DMD24
2 6 《DNA・スパーク》 DMD24
3 6 《超次元ガロウズ・ホール》 DMR01
3 7 《龍素記号Sr スペルサイクリカ》 DMR13
超次元ゾーン
枚数 コスト レアリティ 文明 名前 収録弾
2 5 // / DMD20
1 6 自然 《タイタンの大地ジオ・ザ・マン/貪欲バリバリ・パックンガー》 DMR01
1 6 // / DMD20
1 7 // / DMD20
1 7 / / DMX06
2 4 《龍波動空母 エビデゴラス/最終龍理 Q.E.D.+》 DMR14
轟く侵略 レッドゾーン

エーツー
「お、『燃えろドギラゴン!!』のレジェンド、《轟く侵略 レッドゾーン》を使ったデッキだね。このカード、すごい強い割には、まだまだ使われてない印象だよね」

アン
「そすね。で、このデッキ、実際に《轟く侵略 レッドゾーン》を始め、強いカードをたくさん使ってるから、デッキパワーは高いっす。でも、このデッキの真の強さは、さっきの図の中で表現するのは、今は難しいんすよ。いや、逆に、あの図があるから、このデッキはますます強いとも言えるっすね」

ケンジ
「どういうことですか?」

アン
「プレイを無理やり間違えさせることができるんすよ、相手がこのデッキを知らなかったら」

エーツー
「あぁ、そういうことか」

八重子
「八重子もまだわからないんですの」

アン
「たとえば、八重子ちゃんがヘブンズ・ゲートを使う時、対戦相手が火自然ガイNEXTか、刃鬼かでプレイの仕方は変わるっすよね」

八重子
「ですのね。さっきの図にあったように、ガイNEXT相手にはこっちが遅いデッキとして、そして、刃鬼相手にはこっちが早めのデッキとして戦いますのよ

アン
「じゃあ、刃鬼だと思っていたデッキが、いきなりガイNEXTレベルの攻撃力を発揮してきたらどうするっすか?

八重子
「それは困るんですの。でも、そんなことないですのよ?」

アン
「超次元ゾーンからの《勝利のガイアール・カイザー》《轟く侵略 レッドゾーン》で侵略することでそれを実現してるのがこのデッキなんすよ」

ケンジ
「なるほど……予想と違うデッキなだけで、マナチャージとか取り返しがつかない可能性も高いですもんね」

アン
「そすそす。実際に、このデッキがデッキパワーで他のデッキに対抗できるかはまた改めて精査する問題として、少なくとも、はじめて使われた大会では、相手のそういう判断ミスで勝ててる試合も多いはずなんすよ。相手がどのターンにどれくらいの勢いで勝ってくるかの間合いを読み間違えるのは致命傷になることも多いっすからね。相手が判断を間違える、それが知られてないデッキを使う最大のメリットっすよ。これはカードパワー以上の価値があることもあるっす」

ユウヤ
「だれも見たことがないコンボデッキだと、手札破壊すら間違えることもあるもんねー」

アン
「そすそす。誰も見たことがないアイディアで勝つ、これもグランプリのデッキの見どころだと思うんすよ」

ハル
「今までのデッキのリストとプレイを研ぎ澄まして、勝利するのも尊いですよね」

アン
「もちろんっす。ハルくん風に言うなら、どっちでもよくて、どっちもいいっす。面白く見るための軸は多いほうがいいっす」

ケンジ
「ありがとうございます、アンちゃんさん。じゃあ、さっきの図のデッキの関係に注目しつつ、新しいアイディアやデッキも楽しみにするのがグランプリのデッキの楽しみかたですね」

アン
「そういうことっす!」

エーツー
「様々なデッキが躍動し、熱戦を繰り広げること間違いなしの公認グランプリ!」

エーツー
「君も、最強のための最新の技術を最高に楽しもう!」

テキストカバレージ
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