アン
「ハルくんやーい、いるっすかー?」
ハル
「いや、僕はここにいますけど、どうしたんですか?」
アン
「いやいや、これがまた、非常によいことがあったんすよ、アンちゃんに!」
ハル
「どうしました?シュウさんの家にでも遊びに行ったんですか?」
アン
「な、なにいってんすか、別にそんな話じゃないっすよ。そもそも、シュウくんちに遊びに行くときはいつも一緒じゃないっすかー、もう」
ハル
「あぁ、そうでしたね、そういえば。アンちゃんさんが行くときは確かに僕もいつも行ってますね」
アン
「そっすよー、そっすよぅ、もう」
ハル
「あはは。で、なんの話でしたっけ?」
アン
「あれっす。アンちゃんたちに、ぜひデッキをつくってほしいと、そういう依頼がきたんすよ」
ハル
「へぇ、誰からです?」
アン
「それは言えないっす!!」
ハル
「あ、そうですか。まぁ、僕はどっちでもいいんですけど」
アン
「なんすかー、もう。もっとアンちゃんにも興味持ってくれてもいいじゃないすかー」
ハル
「アンちゃんさんのことはいつも見てますよ、ちゃんと。でも、どうせ聞いても教えてくれないですよね?」
アン
「まぁ、そすけどね。とにかく、教えられないくらいすごい人が、このデッキは、デッキ開発部にはまかせられないってことで、アンちゃんたちの新チームにデッキ構築を依頼してきたわけっすよ」
ハル
「あ、その設定、まだ残ってたんですね?」
アン
「当たり前じゃないすか!!やめてください、っすよハルくんまでー。忘れないっすよ、アンちゃんは、あのときの二人の誓いを!!」
ハル
「なんか、ありましたっけ?」
アン
「忘れたんすか?二人、生まれしときは違えども、とりあえず当面の間は協力関係でいようという当面の誓いを!!」
ハル
「なんかふわふわした内容の誓いですね。なんか、公園の誓いとか当面の誓いとか変な誓いばっかりしますね、アンちゃんさんは」
アン
「なんでもいいんすよ、そういうのは。そんな細かいことにこだわって、それでも男っすか!」
ハル
「僕はどっちでもいいんですけどね」
アン
「まぁ、そすね。ハルくんはハルくんであってくれれば、アンちゃんも満足っすよ。とにかく、使用するカードは向こうから指定されてるんすよ。それが……」
アン
「新商品、『デッド&ビート』のビクトリーカード……」
アン
「《不死帝 ブルース》っす!」
ハル
「あ、久々の闇文明の単文明のビクトリーですね。僕もちょっと楽しみにしてたカードなんですよね」
アン
「そすそす。今まで、アウトレイジは水文明と火文明、そして自然文明の3文明がメインで、マナや手札を増やして、一気に攻めるみたいな戦いがメインだったっすけど、こいつの登場で、また別のタイプのアウトレイジデッキが組めるんすよ」
ハル
「ちょうど、光のアウトレイジが《驚異的陣形 アレキサンドライト》のおかげでシールド・ゴーをメインにした戦い方を手に入れたように、闇も《不死帝 ブルース》のお陰で、墓地をメインにした戦い方を手に入れられたってことですね」
アン
「そすそす。オラクル側の文明だったからアウトレイジの戦略が控え目だった光と闇っすけど、『デッド&ビート』では、オラクルの教団が崩壊したっすから、光と闇にもアウトレイジの戦略が割り振られたと、そういうわけっすよ」
ハル
「あれ?オラクル教団崩壊しちゃったんですか?僕はどっちでもいいんですけど」
アン
「いや、まぁ、確かに崩壊したんすけど、どっちでもいいんすか、ハルくん?ゴッド・ノヴァが出てこなくなっちゃわないっすかね?」
ハル
「んー、大丈夫だと思いますよ。ゴッド・ノヴァ、今いる奴らだけでも十分強いですし」
アン
「そういうもんすか……まぁ、とにかく、《不死帝 ブルース》のデッキを考えて行くっす」
ハル
「ルール破りがメインのアウトレイジの中でも、《不死帝 ブルース》は凄い能力をもってますね。とりあえず、バトルゾーンにいれば、墓地のアウトレイジとデス・パペットは召喚し放題ってことですね?」
アン
「そういうことっすね。これまでも墓地のクリーチャーを召喚できる能力はあったっすけど、これまでにないほど簡単に実現してしまっている、それが《不死帝 ブルース》の凄い所っす」
ハル
「とりあえず、墓地を増やせば増やすほど、手札が増えるようなもんですからね。しかも、墓地を増やせば増やすほど、お得なのが……」
アン
「墓地から自分自身を召喚する能力を持っている所っすね!」
ハル
「ん?それ、話の流れ的に、僕のセリフですよね?」
アン
「なんすか、いいじゃないすか、もう。ハルくんだっていつもアンちゃんのセリフとるじゃないすか」
ハル
「……」
アン
「な、なんすか……」
ハル
「……それ、どっちでもいいんでしたっけ?」
アン
「いや……ハルくんのどっちでもよくない7つのことのうちのひとつは『話し始めたら最期まで話したい』っす……」
ハル
「なんだ、知ってるんじゃないですか。気をつけてくださいよ」
アン
「はいっす……」
ハル
「で、話、戻しますけど、普通、こういう墓地のカードを増やせば増やすほど便利なカードの弱点は、墓地を増やしつつ、キーに成るカードは手札に入れなきゃいけないから、ただ墓地を増やせばいいってわけじゃないところですね」
ハル
「だから、例えば、墓地のクリーチャー分だけコストの下がる《暴走龍 5000GT》は墓地のカードを増やしつつ、手札に《暴走龍 5000GT》が入るようにしないとならないんですよね」
アン
「そすね。だから、墓地を増やしつつ、墓地からの回収もできる《白骨の守護者ホネンビー》は墓地を使う系のデッキとしては凄い使いやすいカードなんすよね」
ハル
「そこが、《不死帝 ブルース》の場合は、墓地から召喚することができる=手札に持っておく必要が無い、ですからね。とにかく、純粋に墓地にカードを増やして、あとは少しマナを増やしてれば十分なんですよね」
アン
「そこが《不死帝 ブルース》の強さっすね」
ハル
「あと、意外と気が付きにくい《不死帝 ブルース》の凄いところがあるんですけど、アンちゃんさん、気が付きました?」
アン
「ん?なんすか?」
ハル
「《不死帝 ブルース》は破壊されたら墓地に行くんですよ!」
アン
「何いってんすか?そりゃ当たり前じゃないすか、破壊されたら墓地に行くのなんて」
ハル
「いや、そこが重要なんですよ。普通、こういうタイプのカードって、墓地から復活し続けられないように、破壊されたら山札に戻ったりするじゃないですか。でも、こいつは墓地に行くから、いくらでも墓地から呼び出すことができるってわけです」
アン
「なるなる、っす。まぁ、《不死帝 ブルース》がバトルゾーンに出た時に、山札を削る能力を持ってるっすから、あんまり何回も出したら山札なくなっちゃうっすけど、その前に勝負を決めればいいだけっすもんね」
ハル
「そういうことです。あと、破壊されたら墓地に行くといえば、もう一つ凄いことがあるんですよ」
アン
「なんすか?」
ハル
「なんと、《不死帝 ブルース》がいても、他の破壊されたクリーチャーも墓地にいくんです!」
アン
「そりゃ、もっと当たり前の事じゃないっすか」
ハル
「まぁ、当たり前のことなんで、僕はどっちでもいいんですけど、デッキ作るなら結構大事なんじゃないですか?だって、破壊されても墓地に行くんですよ?《不死帝 ブルース》いるのに」
アン
「あ、そういうことっすか!」
アン
「自分から破壊できるクリーチャーを使い回しまくれるってことっすね!」
ハル
「そういうことですね」
ハル
「『デッド&ビート』にはこいつと合わせるのにピッタリなデスパペットである《骨面人形ホネタン》も登場してますしね」
アン
「こいつの登場で、闇文明のアウトレイジの戦略は大きく変わりそうっすね!」
ハル
「まぁ、とりあえず、闇単で墓地を増やしまくって、《解体人形ジェニー》とかを使いまくるデッキ、それがいいと思うんですよね。というわけで、作り上げたのがこのデッキ……」
シュウ
「それで終わりか!どっちつかずの選択者、ハル!」
ハル
「その声は!!!!!シュウさん!!!!!」
アン
「あれ?ハルくん、話を途中で遮られるのはどっちでもよくないんじゃなかったっすっけ?」
ハル
「シュウさんはいいんです」
アン
「なんなんすか、もう」
リリィ
「わ、わらわもいるのじゃ!ハルは最近、わらわを無視し過ぎなのじゃ!」
ハル
「あ、ごめんなさいね、リリィさん。かわいいかわいい」
リリィ
「な、なんなのじゃ、そんなセリフにだまされないのじゃ!」
ハル
「あれ?ダメでした?」
リリィ
「なのじゃ!とにかく、ハル!兄様は、わらわのものだから、あんまベタベタするな、なのじゃ!」
ハル
「ん?リリィさんにはエーツーさんがいるじゃないですか」
リリィ
「それはそれで別なのじゃ!兄様の友達はわらわが認めた相手じゃないとだめなのじゃ!」
ハル
「随分わがままだなーとも思いますけど、僕も気持ちはわかりますよ」
アン
「んーと、シュウくんは何しにきたんすか、結局」
シュウ
「ふむ。結構頑張って登場したんですが、なんだかリリィとハル殿に持って行かれてしまいましてな。わたくしもどうしたらいいか考えてる所ですぞ」
アン
「そすかそすか。いいっすよ、アンちゃんが話聞くっすよ」
シュウ
「感謝しますぞ、アン殿」
アン
「いえいえ、シュウくんのためならエンヤコラっすよ」
ハル
「何やってるんですか!」
リリィ
「何やってるのじゃ!」
アン
「いや、なんもしてないすけど……」
シュウ
「そろそろ話してもいいですかな?」
ハル リリィ アン
「どうぞどうぞ!」
シュウ
「なんか話しにくい空気になりましたな……とにかく、ハル殿の言うとおり、《不死帝 ブルース》は非常に強いカードですが、その構築では最高の構築とは言えないですな」
ハル
「そうですか?まぁ、シュウさんがいうならそうなんでしょうけど。美学ですか?」
シュウ
「美学でもありますぞ。でも基本的には、すごい簡単な理論の話ではあるんですが……」
アン
「むぅ、アンちゃんもわからんすね。文系を超えた超文系にして、言葉を重ねる長文系のアンちゃんにもわからない理論があるとは……」
ハル
「まぁ、アンちゃんさんが超文系で長文系なら、シュウさんは闇文明一筋の単文明にして、一言でバシっと決める短文系ですからね」
シュウ
「なんか、ハードルが上がってますな……まぁ、簡単に話すと、マナと手札のどっちを重要視してるかって話なのですが……」
ハル
「ん?へんなこと聞きますね、シュウさん。僕はどっちでもいいですけど、僕に限らず、普通はどっちかじゃなくて、どっちも大事なんじゃないですかね?」
リリィ
「む?そうか、ハル?わらわは手札よりもマナが大事なのじゃ」
ハル
「そりゃ、まぁ、リリィさんはゼニスやオラクリオンみたいな大型のゼロ文明のクリーチャーが好きですから、マナが必要でしょうけど、普通はどっちかじゃないですよね?」
アン
「いや、ハルくん、そこなんじゃないすか、シュウ君がいいたいのは」
ハル
「どういうことですか?」
アン
「マナと手札はどっちも重要なのはハルくんの言うとおり当たり前じゃないすか。マナがなければ手札は使えないっすし、手札がないと、マナも使えないっすよね」
ハル
「そうですね」
アン
「でも、例えば、リリィちゃんみたいに大型クリーチャーを使いたいってなると、当然、マナを増やす方が優先になるわけっす。つまり、デッキや使ってるカードによって、手札とマナの重要度に差ができることもあるってことっすよ」
ハル
「マナがあふれるほどあれば、マナはそんなに重要じゃなくて手札の方が重要にりますもんね。だから、マナを手札のサポートにする《蛇手の親分ゴエモンキー!》は《恵みの大地ババン・バン・バン》といい組み合わせですもんね」
アン
「そういうことっす。だから、逆に言えば、手札が余るほどあれば、マナの方が重要になるってことっすよ」
ハル
「そうなんですか?シュウさん」
シュウ
「ですぞ。そして、《不死帝 ブルース》が登場して墓地のカードを使いまくれるようになると、手札が余ってしょうがないのと変わらない状況になるわけですな」
ハル
「だから、《不死帝 ブルース》のデッキはマナの重要度が高いデッキになるってことですね……でも、どうやってマナの重要度を高めるんですか?」
アン
「あれ?ハルくん気が付かないんすか?」
アン
「つまり、Gゼロを使えばいいんすよ」
シュウ
「ですな。特にGゼロだと、《不死帝 ブルース》を出したターンに一気に召喚できますからな」
ハル
「Gゼロなら、《盗掘人形モールス》がいれば、墓地のクリーチャーも手札に回収できますからね」
リリィ
「む?何を行っているのじゃ、ハル。《不死帝 ブルース》がいるなら、《盗掘人形モールス》でわざわざ手札に入れる必要はないのじゃ」
ハル
「そんなことないですよ」
ハル
「ニンジャ・ストライクを回収すればいいんですよ」
リリィ
「おお、なるほど、なのじゃ」
ハル
「僕の大好きな殿堂カードですしね!」
アン
「ハルくんのどうでも良くない7つのことのひとつは、『殿堂カード』すからね」
ハル
「殿堂入りしてるかどうかはどっちでもよくないですからね」
シュウ
「というわけで、つくりあげたのがこのデッキですぞ」
枚数 | コスト | レアリティ | 文明 | 名前 | 収録弾 |
3 | 8 | 闇 | 《不死帝 ブルース》 | DMR10 | |
4 | 2 | 闇 | 《特攻人形ジェニー》 | DMR01 | |
2 | 4 | 闇 | 《解体人形ジェニー》 | DMX14 | |
3 | 3 | 火 | 《無重力 ナイン》 | DMR09 | |
2 | 7 | – | 火 | 《百万超邪 クロスファイア》 | DMD09 |
4 | 7 | 闇 | 《デビル・ハンド》 | DMR09 | |
4 | 3 | – | 闇 | 《ボーンおどり・チャージャー》 | DMD08 |
3 | 4 | 闇 | 《骨面人形ホネタン》 | DMR10 | |
3 | 3 | 闇 | 《魔犬人形イヌタン》 | DMR10 | |
1 | 3 | 光 | 《光牙忍ハヤブサマル》 | DMX12 | |
1 | 7 | 闇 | 《威牙の幻ハンゾウ》 | DMX08 | |
3 | 5 | 闇 | 《盗掘人形モールス》 | DMX09 | |
3 | 4 | 闇 | 《白骨の守護者ホネンビー》 | DMR08 | |
4 | 2 | 闇 | 《一撃奪取 ブラッドレイン》 | DMR09 |
アン
「まぁ、序盤はマナを増やすっすよ。《不死帝 ブルース》は8マナのアウトレイジっすから、それなりにマナを増やす努力しないと出せないっすよ」
シュウ
「自分のマナを増やすだけじゃなく、ブロッカーを用意したり、手札破壊をしたりで相手の邪魔をして時間をかせぐのも闇文明の美学ですな」
ハル
「そして、マナが揃ったら、《不死帝 ブルース》を召喚するんですね」
アン
「先週の八重子ちゃんみたいすね」
シュウ
「闇のアウトレイジにも独自の戦略が生まれて嬉しいんですぞ!」
アン
「シュウくんまで……」
アン
「先週と同じコメントっすけど『デッド&ビート』は今までのアウトレイジだけじゃなく、新たなアウトレイジの戦略も掘り下げてるっす!」
ハル
「もちろん、まだまだ見えていない強力カードも満載ですね!」
シュウ
「君も闇文明の美学を極めて、最強アウトレイジデッキを生み出すんですぞ!」
アン
「ちなみに、今回のデッキを使ったプレイは、こちらのDASHTVでもチェックできるっす!絶対チェックして欲しいっすね!」
動画の公開は終了いたしました。
ケンジ
「ハルくんちゃんさんがアンちゃんさんだけじゃなくてお兄ちゃんや妹にもちょっかいだしてますが、みなさん、僕は元気です!」
ケンジ
「今回は、デッキ開発部イラストの完成版を独占公開しちゃいますよ!」
ケンジ
「デッキ開発部プロテクトは、タカラトミーモールで独占予約受付中です!みなさんのお陰で順調に予約数は集まってるらしいですけど……ヤギーさんは少し心配らしいですよ!」