「R.U.」が全てを手掛けるレザーシューズは、オリジナルの木型を使用して昔ながらの製法で全工程を丁寧にハンドメイドしている。ファッションという枠にとらわれることなく古い時代を感じさせるどこか懐かしい温かみのあるものづくり。産業革命前夜の人々に見られる手仕事ならではの手のかかる繊細な仕様や素材を敢えて選び、生活の道具として大切に手を入れながら履き古していくことで生まれる古色蒼然の美しさをイメージし、シンプルな中でのフォルムとバランスを追求しながら「背景が見える靴作り」を目指している。
普遍的な紳士靴のモデルを敬愛しつつ女性用にモディファイした「Classics」。上質なカーフを吊り込み見えない部分の本革底や踵に至るまで丁寧に仕上げているため、佇まいから凜とした気品が滲み出ている。ヨーロッパの古いモノクローム写真に映し出される正装に革靴を履いた子供達。きっと大切な行事にでも連れられていたのだろう。この愛らしくも素朴な表情をイメージしたシリーズ「General」は、初めてワンストラップを履いた時のような郷愁に駆られる。代表的な「Dessin」は全く新しい試み、セオリーに反した製法を用いているため、ヴィンテージと見紛うほどの雰囲気を醸し出している。作り手にはしっかりと見えている完成形は、どんなに熟練した職人が同じように仕上げても決して近いものはできないだろう。例えるならば絵を描くように靴を仕上げている。この佇まいの美しさから誰がこの履き心地の良さを想像できるだろうか。