八重子
「ですの!」
ユウヤ
「ですのー!」
八重子
「八重子、久々の最初からの登場で緊張してるんですの」
ユウヤ
「そうなの?」
八重子
「ですの。乙女心は難しいものですのよ、ユウヤ様。
レディはミステリアスなものですのよ」
ユウヤ
「わかったー!僕勉強する!」
アン
「アンちゃんも勉強するっす!」
八重子
「ア、アン様!いつの間にいたんですの?!」
アン
「ふふふ、ずっといたっす。
ずっとここで瞑想していた、それがアンちゃんっすよ!」
ユウヤ
「なんでー?」
アン
「ふふふ、それはデュエマに対する熱を高めていたんすよ」
アン
「脳内会議を繰り返し、デュエマに対する熱を高めていく!
それがアンちゃん26の秘密のひとつ、
『ひとりきりの猛暑
(ソローモーション)』っす!」
八重子
「ずるいですの!八重子も秘密欲しいですの!」
ユウヤ
「ぼくもほしいー!」
アン
「ふふふ、ふはははは、
はーっはっはっはっは」
ユウヤ
「ふはははは!」
八重子
「な、なんで笑ってるんですの?」
アン
「アンちゃんくらいのエスパーにならないと、26個も秘密はないっす。
八重子ちゃんはあっても、4つくらいじゃないすかね」
ユウヤ
「僕は?」
アン
「そすね、ユウちゃんは可能性の塊っすから、
108個くらいあるかもしれんすね」
ユウヤ
「すごい!」
アン
「そすね、すごいっすね」
八重子
「ずるい、ずるいですの!八重子もいっぱい秘密が欲しいですの!
八重子はもっとミステリアスなレディを目指してるんですの!」
アン
「甘いっす!秘密があるのが正義じゃないっす!
自分の能力を全部把握していることも大事っすよ!
自分の能力をすべて把握し、状況を理解、
そして、その中でできる事を臨機応変に判断する、
それが八重子ちゃん4つの秘密のひとつ、
『八十の英知(ベイビィ・エイティ)』っす!」
ユウヤ
「ベイビィ・エイティ!」
八重子
「な、なんですって、ですの!や、八重子にそんな秘密が……」
アン
「ふふふ、みんな自分のことなんて、
ましてや秘密なんて理解しきれてないもんすよ」
ユウヤ
「アンちゃんさんは
26個全部わかってるの?」
アン
「そすね。アンちゃんはエスパーっすから。
そんなことより八重子ちゃん、もうわかってることで、
まだ把握してないことがあるんじゃないすか?」
八重子
「え?なんですの?」
アン
「八重子ちゃんの大好きな光文明の事っすよ」
八重子
「あ!わかったですの!」
八重子
「H・ソウルとM・ソウルが
協力して生まれた新能力、
フリーズですのね!」
アン
「その通りっす!」
ユウヤ
「フリーズ?」
アン
「以前、火文明のK・ソウルと自然文明のW・ソウルが
手を組んで生まれた新能力、仁義については説明したっすよね?」
ユウヤ
「魂!」
アン
「そす、それっす。K・ソウルとW・ソウルが手を組んだように、
水文明のM・ソウルと光文明のH・ソウルも手を組んだっす。
そして生まれたのが、新能力フリーズっす」
ユウヤ
「どうやって使うの?」
アン
「簡単っすよ。フリーズを持ったクリーチャーがアタックして
ブロックされなければフリーズが発動っす。
フリーズが発動したら相手のクリーチャーを1体選んで
タップすることができるす!」
ユウヤ
「タップ!すごいね!
じゃあ、そのクリーチャーにアタックできちゃうね!」
アン
「そすね。その辺は光の基本的な戦い方っす。
でも、それができるのはこっちにもっと大きいクリーチャーがいた場合っす。
相手のタップしたクリーチャーの方が
こっちのバトルゾーンのクリーチャーより大きかったらどうするっすか?」
ユウヤ
「え?困る!」
アン
「そす、困るんすよね。困ったっす」
ユウヤ
「困ったね!」
八重子
「話、進んでないですのよ?」
アン
「そすね、進めてなかったす。それが答えっす!」
ユウヤ
「進めないの?」
アン
「水文明は、もともと手札に戻したりして、
相手のクリーチャーが戦えるようになるのを遅らせるのが得意っす」
ユウヤ
「そうだね!水文明のデッキと戦うと何回も手札に戻されて、
召喚し直さなきゃいけなくなっちゃうもんね」
アン
「その間にこちらは次々にカードを使えるっす。そこが水文明の強さっす」
ユウヤ
「カードを引くだけじゃないんだね!」
アン
「そすね。ひとつの文明が持ってる可能性はいっぱいあるっすよ。
相手の動きを遅らせるのが水文明の得意技。
そして、フリーズにはそんな水文明の得意技も組み込まれてるんす」
ユウヤ
「どうするの?」
アン
「フリーズでタップされた
クリーチャーは、次の相手のターンに
アンタップしないっす!」
ユウヤ
「アンタップしないの?じゃあ、攻撃できないよ!」
アン
「そういうことっす。タップしてアタックできるなら破壊し、
それが無理なら、タップしたままの状態で凍りづけにする、
それがフリーズっす」
ユウヤ
「なるほど!そうやって相手のクリーチャーに対処できれば
シールドも守れるから、H・ソウルのホーリー・フィールドも使いやすいね」
アン
「いや、それだけじゃないのが……」
八重子
「そっからは八重子が
説明するんですの!」
ユウヤ
「八重子おねぇさんだ!」
八重子
「ですの!八重子はおねぇさんだから、八重子が説明するんですの。
フリーズは相手の大型クリーチャーでも封じ込められますの。
でも、そのためにはフリーズの発動条件を満たす必要があるんですの」
ユウヤ
「発動条件?」
八重子
「ですの。フリーズはアタックしてブロックされなかった時の能力、
つまり、アタックし続けないと封じ込め続けることはできないんですの」
ユウヤ
「ほんとだ!」
八重子
「もちろん、一回食い止めるだけでも十分強力ですの。
でも、本領発揮するのは、相手のクリーチャーを封じ込めている隙に、
こちらのクリーチャーで相手のシールドをブレイクしちゃう、
そんなデッキですの」
アン
「そすね。水文明の手札に戻す能力やフリーズを使うと、
相手が思うように手札を使っていけなくなるっす」
ユウヤ
「そうだね!僕がナオキ君に手札に戻され続けてた時も、
なかなか手札を減らせなかったもん」
アン
「それが相手を遅らせる能力の強いところっす。
相手が先になかなか進めないってことは、
相手に手札がどれだけあっても怖くないってことっす」
八重子
「ですわね。ドンドン攻撃するデッキの一番怖いところは、
相手がシールドブレイクでいっぱい手札を手に入れちゃって、
バンバン使われて逆転されちゃうことですの」
アン
「だから、相手が使った手札を戻しちゃったりフリーズしちゃえば、
相手がどんだけ手札を手に入れても意味ないっす。
つまり、フリーズをうまく使えば、
今までにない、光と水を使った攻撃的なデッキも作れるってことっす」
ユウヤ
「どういう感じ?」
アン
「いや、それはまだ、アンちゃんも作ってないからわからんす」
八重子
「や、八重子もですの。八重子、速攻デッキ作るの苦手ですの……」
ユウヤ
「作らないの?」
八重子
「え、でも、作れるかわからないですの……」
アン
「いや、アンちゃんはやるっす!間違いを恐れず、様々な可能性を
思いついたら試してみる!それがアンちゃん26の秘密のひとつ、
『執行錯誤(テスト・テイスト)』っす!」
ユウヤ
「『執行錯誤(テスト・テイスト)』!」
エーツー
「テスト・テイストする必要はない!」
八重子
「エーツー様!」
アン
「なんでっすか?」
エーツー
「なぜなら、僕がすでにつくっちゃったからさ。
そして、これがそのデッキだ」
枚数 | コスト | レアリティ | 文明 | 名前 | 収録弾 |
3 | 5マナ | 水 | 超電磁カーリー・ミラージュ H |
|
|
2 | 5マナ | 水 | 電脳王機タコ・ジュランゾ | ||
3 | 4マナ | 光/水 | 電磁黙示マジェスティック・スター | ||
3 | 1マナ | 光 | 涼風の使徒ラプド |
|
|
4 | 2マナ | 光 | 天雷ピュアダクリン | ||
4 | 3マナ | 水 | アクア・ドッペル | ||
4 | 4マナ | 水 | アクア・ジェスタールーペ | ||
4 | 2マナ | 水 | ザ・ストロング・スパイラル | DM33 | |
3 | 3マナ | 光 | 雷光の使徒ミール |
|
|
3 | 6マナ | 水 | アクア・サーファー | ||
4 | 4マナ | 水 | 封魔バルソー | ||
3 | 2マナ | 光/水 | 霊王機エル・カイオウ |
アン
「ぐぐぐ、先を越されたっすか」
エーツー
「えへ」
八重子
「えへ、じゃないですの!
このデッキの基本的な動きは、コストの軽いクリーチャーを並べつつ、
手札に戻す能力やフリーズで時間を稼いで、
その間にシールドを殴りきっちゃうんですのね」
エーツー
「そうだね。《アクア・ドッペル》はソウルを持っているクリーチャーを
強化できるからタップしながら相手のクリーチャーを倒すのにぴったりだし、
一見弱そうな《天雷ピュアダクリン》も、2マナでソウル持ってて
攻撃できるっていうこのデッキにはピッタリのクリーチャーなんだ」
アン
「時間を稼いでる間にシールドをブレイクするためには、
稼いでる時間の間にがんばってくれるクリーチャーが必要すもんね」
エーツー
「そうだね。だから、こういう風にコストの軽いクリーチャーを
うまく使えるかどうかがポイントになるね」
八重子
「攻撃的なデッキなのに、軽くて対戦相手には攻撃できない
ブロッカーが入ってるのはなんでですの?」
エーツー
「うん、それはね、このデッキは速攻デッキっていっても、
火や自然の速攻デッキほどは速くないんだ」
ユウヤ
「1マナのクリーチャーがいっぱい入ってるやつだね!」
エーツー
「そうそう。だから、そういうデッキ相手にはブロッカーを用意して、
相手のスピードを遅らせて、こっちが戦いやすいくらいに
マナがそろうまでまってもらうんだ」
八重子
「自分より遅いデッキ相手には、さらに遅らせて逆転のチャンスを
無くして、自分より速いデッキ相手には、攻撃を遅らせて戦うんですのね」
エーツー
「うん。相手のデッキのスピードによって、
攻撃的にも防御的にもなれるのがこのデッキのいいところだね」
アン
「連鎖を使えば、速い相手にはバトルゾーンのクリーチャーで追いつけるっすし、
遅い相手には逆転できないくらいクリーチャーの枚数で差をつけられるっすね」
ユウヤ
「《電脳王機タコ・ジュランゾ》から
《封魔バルゾー》が連鎖したらすごいね!」
アン
「一気に3枚差を縮められるっすからね」
エーツー
「相手にクリーチャーがでたら手札を増やしてもっとこっちのクリーチャーを
増やしたり、相手のクリーチャーをふたたび手札に戻せる
《超電磁カーリー・ミラージュ H》は超強力な切り札になってくれるね」
八重子
「連鎖とブロッカーを持っている《増殖防御オンバル・チョコザイカー》を
入れてみるのもいいかもしれないですのね。
《アクア・ドッペル》や《超電磁カーリー・ミラージュ H》みたいな
レアが足りなければ試してみてもいいかもしれないですの」
エーツー
「そうだね。
もっと軽いクリーチャーを増やしてもいいかもしれないしね」
アン
「逆に《超電磁カーリー・ミラージュ H》を出せて、進化元にもなれる
《封魔ベルアリタ》を入れるのもいいかもしれんすね。
改造のしがいがあるデッキっすね」
アン
「完成されたデッキをさらに研ぎ澄まし、様々な可能性の極限を追求する!
それがアンちゃん26の秘密のひとつ、
『研ぎ澄まされた切れ味
(クオリティ・オブ・ナイフ)』っす!」
ユウヤ
「『研ぎ澄まされた切れ味
(クオリティ・オブ・ナイフ)』!」
エーツー
「ソウル同士のつながりが、
文明同士のつながりをさらに強化した!」
エーツー
「そこから生み出される
デュエマの魅力は無限大!」
エーツー
「君も、自由自在に戦える
デッキを作ってみよう!」
八重子
「でも、今回はおいしいところを全部エーツー様にもっていかれちゃったですの」
ユウヤ
「エーツーさんかっこよかった!」
エーツー
「えへへ。僕だってたまにやるときにはやるんだよ」
アン
「お、普段は周りに翻弄されているようで、たまには活躍して、がんばる、
それがエーツーくん唯一の能力、
『思い出したようにがんばる
(エモーショナル・ギャンブル)』っすね!」
エーツー
「思い出したように、ってなんだよ!
アンちゃん、それ、絶対に適当に今つくってるでしょ」
アン
「ふふふふ、それも秘密っす」