「BanG Dream!」「少女☆歌劇レヴュースタァライト」「D4DJ」などのメディアミックスコンテンツや、新日本プロレス、スターダムのオーナー企業でもあるブシロードの第14回定時株主総会が27日、東京・中野区の中野サンプラザで開かれ、新たな役員体制の人事が承認された。
人事の中で、社外監査役の高津祐一氏が退任したが、後任として選任されたのは、ライトノベル作家の水野良氏。30年以上にわたって人気を誇る小説「ロードス島戦記」シリーズの作者として有名なバリバリのクリエイターが、ブシロードの経営陣に名を連ねた。
「これまで経営に携わったことはないんですが、物語の中で冒険をしたり様々な経験をしているので、そのあたりをフィードバックして、微力ながらお役にたてれば…」と笑わせた水野氏。ブシロード創業者の木谷高明・代表取締役会長は「ブシロードはエンターテインメントの会社。経営にもクリエイターの目線を入れた方がよいと思ったのが選任の理由です」と、作家ならではの感性に期待を寄せた。総会では、新日本プロレスのハロルド・ジョージ・メイ前社長の取締役退任も承認された。
また、2019年8月1日~2020年7月31日までの連結会計年度において、売上高330億3万2000円(前期比2.6%増)、経常利益27億5530万(同9.1%減)といった財務内容が報告された。アプリゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」など、「BanG Dream!」関連のコンテンツが同社初の年商100億円を突破するなど、デジタルを中心としたIP(知的財産)事業は好調だったが、ライブIPに関しては新型コロナウィルスの影響により、新日本プロレスやスターダム(ブシロード傘下の女子プロレス団体)などの興行が無観客、あるいは中止となり、売上と収益が悪化。その結果、グループ全体としては増収減益という結果となった。
今後も、独自のバーチャルユーチューバーによるコンテンツの展開や「D4DJ」「ARGONAVIS from BanG Dream!」の大規模イベント開催など、矢継ぎ早に新コンテンツの展開を予定している。木谷氏は「今は新規IPに力を入れているが、生まれた子供(新コンテンツ)は大きく育てないといけない。今の(ゲームなどの)リリースが落ち着いたら、既存のIPを育てる方向へ注力したい」と、これからの展開を明かした。総会の締めにはサプライズゲストとして、「D4DJ」の山手響子(Peaky P―key)役の愛美、愛本りんく(Happy Around)役の西尾夕香の人気声優2人が登場。D4DJのコンテンツを紹介し、「今後ともよろしくお願いいたします!」と株主にさらなる支援を呼びかけた。
◆水野良(みずの・りょう)本名・榎本武士。1963年7月13日、大阪府生まれ。57歳。立命館大法学部卒。1988年、角川スニーカー文庫から「ロードス島戦記」シリーズ第1作「灰色の魔女」発刊。その後も「ロードス島伝説」「新ロードス島戦記」「魔法戦士リウイ」「グランクレスト戦記」などのシリーズで人気ライトノベル作家としての地位を確立する。アニメ化もされたブロッコリー社のコンテンツ「ギャラクシーエンジェル」では総監修を務め、ノベライズ版も執筆している。
愛美「株主総会に初めて参加させていただきました。短い時間ではありましたが、皆様ありがとうございました! 走り始めたばかりのD4DJですが、精一杯盛り上げて参りますので、引き続きよろしくお願い致します!」
西尾夕香「株主の皆様の期待に応えられるよう精進、そしてD4DJというコンテンツを大きくしていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします!」