反応終点の管理方法
JP2000033261A
Japan
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Yoshinori Chosakon Takashi Hirano Hitoshi Matsunami Yoshihiko Nakagawa 吉典 丁左近 慶彦 中川 隆 平野 斉 松浪
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Description
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【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂、特には
縮合系合成樹脂の製造における反応終点の管理方法に関
し、更に詳しくは該樹脂製造時の反応を精度よく制御で
きる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹
脂、フェノール系樹脂等の縮合系合成樹脂は、塗料、接
着剤、FRP、注型品等、様々な用途に使用されてい
る。かかる縮合系合成樹脂の製造については、その反応
進行度の測定を、従来から反応容器内より内液をサンプ
リングし、残存官能基(酸基、水酸基等)を中和滴定に
より求めたり、実験室用の粘度計(ガードナー粘度計
等)により粘度を測定する等いずれにしても人手による
分析法を用いて行っているのが現状であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では熟練を要するばかりでなく個人誤差が生じた
り、分析作業中に刺激性ガスが発生したり、分析値が断
続的である等の理由で、反応の終点を管理することが難
しく、製造現場から改善が要望されている。又、これら
の対策としてオンライン粘度計が検討され、細線加熱式
粘度計や特殊導電率計等が試行されるが、いずれも反応
缶に直接取り付けるタイプの測定器であり、内温の変
動、発泡及び撹拌動力による振動等の影響を受け、精度
よく粘度を測定することは難しく、同様に反応の終点を
管理することが容易ではなかった。
【0004】そこで、本発明ではこのような背景下にお
いて、反応時における粘度の測定を精度よく行うことが
でき、反応の終点を容易に管理することができる方法を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】しかるに、本発明者等は
かかる課題について鋭意研究をした結果、常圧又は減圧
反応による合成樹脂、特には縮合系合成樹脂の製造にお
いて、反応容器1に粘度計2を取り付けたバイパスライ
ン3及び3′を設置し、該粘度計2にて樹脂粘度を連続
測定し、設定した粘度範囲、例えば、ポリエステル等の
場合、110℃における粘度で1mPa・s〜40Pa
・sの粘度範囲になったときに反応を終了する反応終点
の管理方法が、反応状態(内温の変動、発泡、撹拌動力
等)に影響を受けず、精度よく粘度を測定することがで
き、反応の終点を容易に管理することができることを見
いだし、本発明を完成するに至った。又、樹脂をサンプ
リングすることなく、連続的に粘度を測定することがで
きるため、タイムラグが少なく、更に測定された樹脂は
再び反応容器1にリサイクルされるという効果も奏する
のである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を図面を参照して
詳述する。図1は本発明の一実施態様である製造ライン
であり、これに限定されるものではない。
【0007】ポリエステル系樹脂の製造を一例にする
と、ポリエステル系樹脂の製造では、反応容器1に種々
の酸成分とグリコール成分及び溶媒を入れ、更に反応触
媒を添加して縮合反応を行うのであるが、本発明では図
1に示すように、反応容器1に細管式粘度計又は振動式
粘度計等の粘度計2を取り付けたバイパスライン3及び
3′を設置して反応を行うことが必要である。必要に応
じて、ライン4より窒素を流し込むことが可能で、又
は、ライン5より減圧条件にすることも可能である。更
に、バイパスライン3において、粘度計2の手前で、異
物等を除去するために配管内部にフィルターを設置して
おくことも好ましい。
【0008】ここで、酸成分としては、例えば、無水マ
レイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
フマール酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ア
ジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリ
ット酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水コハク酸、ダ
イマー酸、ドデカン二酸等が挙げられ、グリコール成分
としては、例えば、1,2−プロピオングリコール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロ
ールプロパン、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセ
リン、トリシクロデカンジメタノール、ネオペンチルグ
リコール、ビスフェノールA型グリコール、ポリエチレ
ングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げら
れる。
【0009】又、必要に応じて、アリル誘導体成分、共
役ジエン成分も用いられ、アリル誘導体成分として、ペ
ンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリス
リトールジアリルエーテル等が挙げられ、共役ジエン成
分として、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。
【0010】更に、溶媒としては、例えば、キシレン、
トルエン、スチレン、多官能アクリレート、二塩基酸エ
ステル、ソルベッソ等が挙げられ、反応触媒としては、
例えば、ジブチルスズオキサイド、テトライソプロピル
チタネート、テトラブトキシチタネート、酸化ゲルマニ
ウム、酢酸塩(マンガン、亜鉛、コバルト、マグネシウ
ム、カルシウム等)等が挙げられる。
【0011】縮合反応の終点は、得られる樹脂の粘度を
測定することで管理されるが、本発明では、反応容器1
の底部からバイパスライン3を通ってきた樹脂が、細管
式粘度計又は振動式粘度計等の粘度計2で粘度測定さ
れ、その後、バイパスライン3′を通じて反応容器1の
上部から反応容器1に戻され、樹脂がリサイクルされ
る。かかるバイパスライン3には、温度調節機能を備え
付け、樹脂温度を20〜200℃、好ましくは100〜
150℃に調節することが好ましい。該樹脂温度が20
℃未満では、流動性が低くなるためバイパスラインでの
滞留時間が長くなり迅速な粘度測定が不可能となり、2
00℃を越えると見かけの粘度が低く粘度変化がとらえ
にくくなり微妙な終点管理が困難となり好ましくない。
【0012】温度調節については、バイパスラインをダ
ブルチューブ等の熱交換器付きとし、シェル側に温水も
しくはスチームや熱媒等を通すことにより行われる。温
度調節された樹脂は細管式粘度計又は振動式粘度計等の
粘度計2で連続測定され、反応経過を逐次管理すること
ができるため、反応の終点を容易に知ることができるの
である。
【0013】本発明では、特に、該樹脂の粘度が1mP
a・s〜40Pa・s(110℃)、好ましくは100
mPa・s〜10Pa・s(110℃)の粘度範囲にな
ったときに反応を終了することが好ましい。該粘度が1
mPa・s未満では正確な反応終点を管理することがで
きなくなり、40Pa・sを越えると粘度測定器の限界
を越えるものとなり反応を管理することができなくな
る。
【0014】本発明では、上記ポリエステル系樹脂以外
に、その他の合成樹脂であってもよいが、特に縮合系合
成樹脂であれば本発明の効果を顕著に発揮し、フェノー
ル樹脂、アルキッド系樹脂等の樹脂製造にも有効であ
る。
【0015】かくして本発明の方法は、反応容器1に細
管式粘度計又は振動式粘度計等の粘度計2を取り付けた
バイパスライン3及び3′を設置し、該粘度計2にて樹
脂粘度を連続測定するために、人的誤差によるバラツキ
や粘度測定によるタイムラグがなく、反応を精度よく制
御することができ、更に、粘度測定後の樹脂はそのまま
バイパスライン3′を通り反応容器1に戻され、リサイ
クルされるため樹脂の損失がない等の優れた効果を示す
ものである。
【0016】
【発明の効果】本発明の反応終点の管理方法は、人的誤
差によるバラツキや粘度測定によるタイムラグがなく、
反応を精度よく制御することができ、反応の終点を容易
に管理できる。更に粘度測定後の樹脂は反応容器1に戻
され、リサイクルされるため樹脂の損失がない等の優れ
た効果を示す。
【図1】本発明の1つの実施態様にかかる概略図であ
る。
1 反応容器 2 細管式粘度計又は振動式粘度計 3 バイパスライン 3′バイパスライン 4 窒素流入ライン 5 減圧調整ライン
フロントページの続き (72)発明者 中川 慶彦 岐阜県大垣市神田町2丁目35番地 日本合 成化学工業株式会社大垣事業所大垣工場内 Fターム(参考) 4G075 AA32 AA62 AA65 CA54 CA57 EA01 EB01 4J031 CA15 CA36 CB04 CB05 CE01 CG39 CG40 CG41 CG46 CG47
Claims (4)
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- 【請求項1】 常圧又は減圧反応による合成樹脂の製造
において、反応容器1に粘度計2を取り付けたバイパス
ライン3及び3′を設置し、該粘度計2にて樹脂粘度を
連続測定し、設定した粘度範囲になったときに反応を終
了することを特徴とする反応終点の管理方法。 - 【請求項2】 合成樹脂が、縮合反応により得られる樹
脂であることを特徴とする請求項1記載の反応終点の管
理方法。 - 【請求項3】 合成樹脂がポリエステル系樹脂であるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の反応終点の管理方
法。 - 【請求項4】 設定した粘度範囲が、110℃における
粘度で1mPa・s〜40Pa・sの範囲であることを
特徴とする請求項1、2又は3記載の反応終点の管理方
法。