ラズパイのモデルを比較
2019/11以降、ラズパイの新モデルがたて続けに日本国内で発売されました。ラズパイも種類が多くなり、どれを買ってよいか分からない方もいらっしゃると思うので、私の独断と偏見で各モデルの特徴や違いを紹介します。
もくじ(Index)ラズパイ関連の目次へ戻る(工事中)
発売されている主なラズパイの一覧(2020/6現在)
ラズパイ4Bの1GBモデルは、まだ日本では購入できませんが以下の種類があります。※2GBモデルの価格が改定され、1GBの価格に下がりました。恐らくラズパイ4B-1GBモデルは日本では発売されないと思います。
コネクタの仕様
ラズパイはCPUの他にも各種コネクタの有無や仕様がモデルによって異なります。
推奨されるACアダプタの定格電流
ラズパイはCPUや無線LAN等が進化して、消費電力がより大きくなっています。そのため推奨される電流が異なっており次のようになっています。
各モデルの特徴
独断と偏見で各モデルの特徴を書いていきます。あくまでも私が使った印象なので参考程度に、、、
RaspberryPi 4 Model B
2019に発売されたシリーズです。主な特徴は以下の通り
※ 2020/5/28に8GBモデルが追加されました。
長所
- 搭載メモリを選べる(8GB,4GB,2GB,
1GB) ※1GBは日本未発売 - HDMI出力が2系統になった
- USB3.0端子が付いた
- 有線LANが1000BASE-Tに対応
(ラズパイ3B+はUSB2.0接続のためフル性能ではありません。) - かなり速い。(艦これが動きます。)
短所
- 消費電力がかなり大きい(推奨電源 5.1V 3.0A)
- 発熱量が大きい(ただし、パフォーマンスに影響はない。)
- 今までのラズパイで使用していた機器がそのまま使えない。(ACアダプタ、HDMIの変更)
- 互換性が低い
3B+までと大分変ったようで、アプリが動かなくなったという話も聞きます。
かなり大幅にパワーアップしたため、ACアダプタの推奨電流が3.0Aになっています。安いACアダプタだと定格出力が怪しいものもあり、低電圧警告に悩まされる方も多いようです。発熱量も大きいのですが、2020/1時点では測定した限りではパフォーマンスに影響はありませんでした。(ラズパイ4Bの熱やパフォーマンスについて調べてみたで詳しく調べました。)
RaspberryPi 3 Model B+
ラズパイ4Bが発売になったため、用途が微妙になっています。2020/6現在では4Bの2GBモデルが価格改定されたためほぼ同じ価格帯で購入できるので3B+を買う理由は無いと思います。
長所
- HDMIがフルサイズ
短所
- 消費電力が大きい(推奨電源 5.0V 2.5A)
4Bよりは少ないのですが、ACアダプタによっては低電圧警告で悩まされている方もいらっしゃるようです。 - 発熱が大きく、熱対策を行わないとパフォーマンスが下がる。
RaspberryPi 3 Model B
こちらも4Bが発売されたので、微妙なラインですが以下のような特徴となります。
長所
- HDMIがフルサイズ
- 国内で生産されているので安定供給
- 4B,3B+と比べて発熱の影響が少ない。
- 4Bや3B+よりは消費電力が少ない。
短所
- 有線LANが100BASE-Tなので遅い
- 消費電力が大きい(推奨電源 5.0V 2.5A)
RaspberryPi 3 Model A+
スペックはラズパイ4Bに劣りますが、値段や大きさなどで用途によっては重宝する方も多いと思います。有線LANが無い点が最大のデメリットだとは思いますが、初心者が入門するラズパイとしてはいいかもしれません。あとはメモリが512MBなのでサーバー等の用途には向かないと思います。
※有線LANが無いと起動できないOSもあったのでその点は注意しましょう。(USB-LANアダプタがあればOKです。)
長所
- 値段が安い(¥3,300税込)
- サイズがコンパクト
- 4Bや3B+よりは消費電力が少ない。
- HDMIがフルサイズ
短所
- USBが1つだけ
- 有線LANが無い
- 消費電力が大きい(推奨電源 5.0V 2.5A)
- メモリが少ない(512MB)
RaspberryPi Zero/ZeroW/ZeroWH
とにかく安く、コンパクト、省電力のどれかが当てはまれば買いでしょう。ただ、3A+が¥3,300と価格差があまりないので用途が絞れている方に向いています。遅いといっても他のIoT機器に使われるマイコンよりは高性能で、熱による影響も他のモデルよりは受けづらいので、屋外や過酷な条件下で使用する用途に向いていると思います。
Zero(¥660)とZeroW(¥1,320)も魅力的なのですが購入制限があるので一人1台しか買うことができません。miniHDMIとmicroUSBのOTGのため、実際に使おうとすると結構付属品が必要になるのでヘッドレスセットアップができるようになってから使ったほうがいいと思います。
長所
- 最も小さい
- 消費電力が少ない(推奨電源は 5.0V 1.2A)
- 値段が安い(WHが¥1,848)
- 発熱が少ない
短所
- 遅い。
- miniHDMI
- USB端子がmicroUSBのOTG
- メモリが512MB
初心者向けの選び方
あくまでも個人の見解です。
とにかくラズパイに入門したい
全部入りのラズパイ4Bの4GBが一番だと思います。値段が、、、という方はラズパイ4B-2GBモデルかラズパイ3A+でもいいでしょう。
IoTを勉強したい
IoTといっても色々ありますが、、、Lチカやセンサーを動かして色々勉強したい場合は、ラズパイ3A+がおススメです。
バッテリーを使ってセンサー等を使いたい。
普通のモバイルバッテリーで長時間運用する場合はラズパイZeroWHがおススメです。ただ、ラズパイは開発を上位機種で行いmicroSDカードを入れ替えて下位機種を動かすという技が使えるので、最初に買うのはラズパイ4Bか3A+がいいと思います。
サーバーとして使いたい
メモリ8GBのモデルが2020/5/28に発売されました。RaspberryPi OS(旧Raspbian)も64bit対応するようなのでメモリが必要な用途であれば、ラズパイ4B-8GBでしょう。
ラズパイの入門セット
ラズパイを最初にそろえる場合はACアダプタやmicroSDカード等をそろえるとかなりお金がかかるので下記のようなセットがおススメです。KSYは日本正規代理店で送料が別途¥550かかります。(税込11,000以上で送料無料です。)
RaspberryPi 4Bのセット
Amazon
KSY
4種類セットがあるので下記のリンクを参照してください。
RaspberryPi 3A+のセット
KSY
RaspberryPi 3A+ スターターキット V1
※ファンが付いていません。
RaspberryPi Zero WHのセット
KSY
RaspberryPi Zero WH StarterKit 8GB
まとめ
用途が決まっていれば値段に合わせて購入できるようになったので、私としては選択肢が広がったと思っています。しかし、初心者は種類が多くなってわかりづらくなってきた印象を持つかもしれません。どのラズパイを購入したらよいか分からない場合に参考になれば幸いです。
初心者の方は下記の書籍もお勧めです。
電子部品ごとの制御を学べる!Raspberry Pi 電子工作 実践講座 改訂第2版
更新履歴
- 2020/6/8 ラズパイ4B 8GBモデルについて追加
- 2020/1/7 新規作成