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トランプ氏、「CNNへ暴行」動画投稿 メディア批判加速

2017/7/3 11:41
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

【ワシントン=共同】トランプ米大統領は2日、スーツ姿の人物を殴打している自身のビデオ映像をツイッターに投稿した。人物の頭部には、米CNNテレビのロゴが重ねて表示されており、メディアに対する脅迫と受け取られかねない内容に非難が殺到している。

約30秒の動画では、プロレスのリング脇に現れたトランプ氏が、スーツとネクタイ姿の人物を組み伏せて激しく殴りつけている。殴られた人物の頭部をCNNの赤いロゴが覆うように映像処理されているため、トランプ氏がCNNを相手に乱闘しているようにみえる。

この動画は、大統領就任前のトランプ氏がプロレスのイベントに出演した際の映像を加工したものとみられる。最後には、CNNをもじった「FNN(詐欺ニュース・ネットワーク)」の文字が映し出されるなど、自身に批判的なメディアを攻撃する意図は明白だ。

CNNは声明で「米大統領が記者に対する暴力を奨励した悲しい日」と指摘。トランプ氏が北朝鮮核問題などの課題に取り組むよりも「子供じみた振る舞い」に時間を浪費していると批判、「私たちは仕事を続ける。大統領も仕事をすべきだ」とした。

トランプ氏はメディアへの攻撃をエスカレートさせているが、今回の投稿には身内の共和党からも「目に余る」(サス上院議員)と当惑の声が上がっている。一方、ボサート米大統領補佐官(国土安全保障・テロ対策担当)はABCテレビに対し「大統領にはメディアに反論する権利がある」と擁護した。


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