職も家も失い路上へ コロナ禍、食事支援が「命綱」

2020年11月16日 05時00分 (11月16日 05時01分更新) 会員限定
ボランティアから物資の配給を受ける生活困窮者(左)=名古屋市中区で

ボランティアから物資の配給を受ける生活困窮者(左)=名古屋市中区で

  • ボランティアから物資の配給を受ける生活困窮者(左)=名古屋市中区で
 国内で新型コロナウイルス感染者が再び急増し、路上生活者(ホームレス)や生活困窮者らが不安を募らせている。雇用情勢が悪化する中、名古屋市では新たに路上で暮らし始めた人も。支援者らは、冬場にかけコロナ禍による生活困窮者がさらに増える恐れがあるとみて、危機感を強める。 (丸田稔之、清水大輔)
 「弁当が入っているから、今日中に食べてね」。今月十日午後七時半、名古屋市中区の白川公園南。名古屋高速道の高架下で、ボランティア団体「オアシス」代表の西川直希さん(43)が、集まった生活困窮者ら百十人に大声で呼び掛けた。
 例年は炊き出しなどで食事を提供するが、今年は感染を防ぐため持ち帰り用の食品配布に一本化。支援者から寄せられた総菜入り弁当やパン入りの袋を、スタッフが一人ずつ手渡す。困窮者らは、隣の人と約二メートルずつ間隔を空けて並ぶ。
 「今の自分にとって、これが命綱」。この日、袋を受け取った男性(23)は取材に打ち明けた。男性によると、三重県内の企業で営業職だったが、コロナの感染拡大で顧客宅を訪問できなくなった。給料が減って上司との人間関係も悪化、九月末に退職したという。
 唯一頼れる名古屋市内の友人宅...

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