ダイキンは空気・空調の専門家として、ご家庭でできるエアコンの節電方法や
エアコンを使いながら換気することで、気になる節電についてご紹介します。
冷たい空気は、下にたまりやすい性質を持っています。外から入ってきた冷たい空気はそのまま下にためておかず、かきまぜることが暖房を使う時の節電のポイントです。コロナ禍の新しい生活様式の中で換気をする際にも、窓開け換気や24時間換気の給気口から入ってくる冷たい空気、家の中のすきまから入り込むすきま風は、サーキュレーターなどを使って、足元にたまらないようにゆっくりとかきまぜましょう。足元に冷気がたまるのを防ぎ、室内の温度ムラを解消するだけでなく、部屋全体を換気することにもつながります。
空気清浄機を常にお使いの家では、空気清浄機の風を利用してかきまぜることもおすすめです。この時、風が窓に当たってしまうと、必要以上に冷気を部屋の中に入れてしまうので、窓には風が直接当たらないように、空気清浄機は窓や壁から少し離して置くようにしましょう。また、風が直接体にあたると寒く感じてしまいますので、風が人にあたらないような工夫もしましょう。
昼間の太陽の熱は、積極的に部屋に取り込み部屋を暖かくしておくことで暖房の効率を上げましょう。そして、夜間は厚手のカーテンや断熱シートなどを活用することで、室内に取り込んだ"熱"が外に逃げないように工夫して、部屋に"熱"をためておきましょう。そうすることで、より少ない電気で暖房を使うことができます。
夏場に窓の外に作った緑のカーテンやよしずをそのままにしていると、昼間の太陽の"熱"を阻んでしまうので、取り外した方がよいでしょう。
昼間取り込んだ太陽の熱や、暖房中の熱を保つように、カーテンでもひと工夫しましょう。カーテンは窓ガラスの部分だけを覆うのではなく、上部や下部にすきまができないよう、天井から床いっぱいまでたっぷりと垂らすと、保温効果が高まります。
また、カーテンの色も実は節電に効果があります。暖色系でまとめられたお部屋は、寒色と比べて暖かく感じるといわれています。カーテンの色で体感温度をあげて、暖房の設定温度をおさえるのも、節電の冬を快適に過ごす工夫のひとつです。
冷たい空気は部屋の下のほうにたまりやすく、暖かい空気は天井付近にたまりやすいという性質をもっています。
スイッチを入れた時に、部屋全体を素早く暖めるためには、まず風向きルーバーを下向きに設定しましょう。エアコンから床に向かって出た暖かい空気は、自然と天井に向かって上がっていくため、結果、部屋全体を暖めることができます。
ただし、風が直接体に当たると体感温度が下がり寒く感じますので、部屋が暖まった後は、風が直接体に当たらないような風向きにしておくほうがよい場合があります。
部屋の中で部分的に冷たくなっている場所を、"冷気だまり"といいます。冷たい空気は部屋の下のほうにたまるので、部屋の空気をうまく循環させないと、"冷気だまり"ができて、いつまでも足元は寒いままです。そんな時は設定温度を上げるのでなく、空気清浄機やサーキュレーターを活用しましょう。足元の冷たい空気と天井付近にたまる暖かい空気をかきまぜることで、温度のムラをなくして、部屋全体に暖かい空気が行き届くようになります。
エアコンは、寒い部屋を一気に暖める時に、多くの電気を使います。設定温度まで暖めた後、その設定温度を維持している時は、寒い部屋を暖める場合と比べてとても少ない電気ですみます。
「部屋が暖かくなったらエアコンを止め、寒くなったら再びスイッチを入れる」というように、こまめにスイッチの入切を繰り返して温度調節を行うと、節電のつもりがかえって電気のムダ使いになる場合があります。部屋にいる時はスイッチの入切を控え、エアコンの温度調節機能に任せるのがおすすめです。
エアコンの設定温度は消費電力に大きく関わり、設定温度を1℃下げると約10%の節電になるとされています。環境省が推奨する暖房時の設定温度20℃を目安として、寒く感じた場合も少し厚着をすることで、無理のない程度に温度調整が行えます。暖房の設定温度を控えめにする場合は、寒さを感じやすい首・手首・足首などをタートルネックやレッグウォーマーなどで保温するのもおすすめです。
人間が快適と感じる環境は、温度と湿度(しつど)のバランスで決まります。暖房時、設定温度を低めにしていても、湿度(しつど)を上げることで、設定温度が高めの時と同じ暖かさを感じることができます。お使いのエアコンが、温度と湿度(しつど)を設定できるタイプならぜひお試しください。空気清浄機の加湿機能や加湿器も活用しましょう。また、冬に湿度(しつど)を高くたもつと活動しにくくなるインフルエンザウイルスもあります。ただし、湿度(しつど)が高すぎるとカビや結露の原因となります。人にも住まいにもちょうどいい湿度(しつど)は40~60%とされています。部屋の中をちょうどいい湿度(しつど)バランスに保ちながら、この冬を健康で快適に過ごしましょう。
冬場、外に干してもなかなか乾いてくれない洗濯物。エアコンの加湿機能や加湿器がない場合は、濡れた洗濯物を部屋の中で干して加湿器の代わりにするのもひとつの方法です。
ただし、洗濯物の量が多かったり、換気が十分でなかったりすることが原因で結露が発生してしまう可能性もあります。湿度計をみながら、湿度が高くなりすぎないよう、ちょうどよいバランスになるよう注意しましょう。
暖房時、エアコンは部屋の冷たい空気を吸い込み、暖かい空気にして部屋の中に吐き出すことで部屋を暖かくします。エアコン内部のフィルターにゴミやほこりがついて目詰まりしてしまうと、吸い込める空気の量が少なくなって暖める力も小さくなるため、部屋を暖めるのに多くの電力が必要になります。
2週間に1度、フィルターを水洗いするかほこりを掃除機で吸い取りましょう。汚れがひどい時には、中性洗剤をとかしたぬるま湯で洗い、その後、日陰でよく乾かしてください。
フィルターの奥にあるフィン(熱交換機)の掃除も意外と大切です。フィンは吸い込んだ空気を暖めるための部品です。そこにほこりがたまると、フィンに触れる空気の量が少なくなり、部屋を暖める力が小さくなるため、より多くの電気が必要になります。長期間エアコンを使用されている場合はフィンの汚れも確認してみましょう。フィルターに比べるとフィンの掃除はご家庭では難しいので、汚れが目立つようであればプロの方に相談してみるのがよいでしょう。
暖房の効率を落とさないためには、室外機の前に物を置かないようにしましょう。
エアコンは、ヒートポンプという仕組みで空気の中にある熱を利用して部屋を暖めるので、室外機から外の空気を吸い込んで、空気の中に存在している"熱"を取り込みます。そして、取り込んだ"熱"で暖めた空気を部屋の中に吐き出し、部屋の中にあった冷たい空気を室外機から外に吐き出すことで、部屋を暖かくしています。
室外機の吹き出し口付近やその周囲に物を置いたり、カバーで覆ってふさいでしまうと、室外機から吐き出した冷たい空気が、室外機の後ろに回りこんでしまいます。室外機がこの冷たい空気を吸い込むことになるため、熱を取り込んでいくのは、暖房の効率が落ちてしまうことになります。
雪がたくさん降る地域では、室外機の雪対策はとても大切です。室外機の吸込口が雪で目詰まりを起こすと運転効率が低下するだけでなく、内部のフィンに雪が吸い込まれて付着した場合、空気が通らなくなるのでより多くの電気を使うことになります。そんな時は防雪フードや防雪ネットを活用しましょう。雪による目詰まりや付着を防ぐことができ、省エネ運転はもちろんのこと、快適な暖房にも役立ちます。
水槽の中の水が水平を保とうとするように、空気の中の水分には、それぞれの部屋の温度に関係なく、家中のすべての部屋で同じ量になろうとする性質があります。例えば、食事の支度をしているキッチンで発生した水分も、ドアを開けた時に、北側の部屋や玄関などに流れこんでいきます。 この時、キッチンより温度が低い北側の部屋や玄関の空気では、空気の中に含むことのできる水分の量が、温度が低い分だけ少なくなってしまいます。このため、温度が低い部屋では、結露が発生しやすくなります。
また、石油ストーブやガスストーブなどの暖房機器は、灯油やガスが燃える時に水分が発生するため、空気中の水分が多くなり、より結露が発生しやすくなります。特に、高気密高断熱の家では気密性が高いため、燃焼時に発生した水分が家の外へ逃げにくく、室内の空気中の水分が減らないため、結露が発生しやすい傾向があります。
結露を防ぐには、水分を含んだ空気を部屋の外に追い出すこと、つまり部屋を換気することが有効です。しかし、換気を行うと外から冷たい空気が入ってくるため、暖房の効率も下がってしまいます。
暖房の効率をなるべく下げずに、結露も防止するには、換気の仕方を工夫することが大切です。
まず、消費電力がごくわずかなトイレやお風呂の換気扇などをつねに回しておくのがおすすめです。
普段から、結露がよく発生する窓には、水分をたくさん含んだ空気が窓の近くにたまらないように、扇風機などで弱い風をあてて、空気を動かすようにしましょう。
また、人間は体から常に水分を発していて、寝ている間にもコップ1杯分(約200cc)の汗をかいているといわれています。朝起きた時に、寝室にたまった湿気を追い出しておくことも、寝室の結露対策にはおすすめです。
また、暖房機器をつけていたリビングなどは、暖房のスイッチを切った後、部屋の温度が下がっていくので結露しやすくなります。例えば就寝前に(歯磨きをしている間だけでも)、換気をして水分を追い出すようにしましょう。
部屋を広く快適に暖めるので、家族が集うリビングなどの広い空間に適しています。また、灯油やガスなどを燃やさないので部屋の空気を汚さず、小さなお子さんやお年寄りがいる家庭でも、安心して使うことができます。冬、布団から出た時に急激な温度変化で体に大きな負担がかからないように、タイマーを活用して、起床前から部屋をゆるやかに暖めておくのもおすすめです。
エアコンは、ヒートポンプという仕組みで、外の空気の中にある熱を利用して部屋を暖めるため、一般的に電気ストーブに比べるとずっと少ない電気で部屋を暖かくすることができますが、部屋全体を暖めることを目的につくられているため、スイッチを入れてすぐに暖めることは得意ではありません。
また、部屋が乾燥しやすくなる為、エアコンの加湿機能や、空気清浄機の加湿機能や加湿器などを使い、部屋の空気が乾燥しないようにしましょう。
スイッチを入れると近くの人をすぐに温める即効性があります。灯油やガスなどを燃やさないので、部屋の空気を汚すことがありません。部屋全体を暖めるというよりは体を直接温める暖房です。
一般的に電気ストーブはエアコンより多く電気を使いますので、広い部屋を暖めたり、長い時間使用するのではなく、足元の寒いキッチンや、洗面所、お手洗い、起床時の着替えの間など、すぐ暖めたい少しの時間に使用する時に、適した暖房といえるでしょう。
電気の代わりに、灯油やガスを燃やして暖めるので、電気はほとんど使いません。また、スイッチを入れると近くの人をすぐに温める即効性があります。冬の冷え込む朝の補助的な「部分暖房」から、リビングなどの部屋全体を暖める「主要な暖房」まで、幅広く活躍してくれます。
しかし、灯油やガスを燃やす時に、室内の酸素を使うので、定期的に換気を行って空気を入れ替える必要があります。換気を怠った場合には、不完全燃焼による一酸化炭素中毒の恐れもあります。また、灯油やガスが燃える時に水分が発生するため、部屋の湿度(しつど)が高くなり、結露が発生しやすくなります。そのため、換気などの対策を十分に行わないと、窓ガラスの表面に多くの水滴(結露)が発生して部屋を濡らしたり、壁や天井が湿って住まい全体がしけってしまい、その状態が長く続くと、カビなどの問題が発生することがあります。
なお、石油ストーブやガスストーブも換気の必要性や結露の問題などは、同様に発生します。
床暖房は、床から直接伝わる熱と、床から部屋全体に広がる熱の2つで暖めるため、やわらかな暖かさを感じることができます。床からだんだんと広がる熱で部屋全体を暖めるため、スイッチを入れてすぐに暖めることは得意ではありません。床暖房とエアコンの両方をあわせてお使いの方は、使い始めはエアコンも一緒に運転して室内を同時に暖め、床が暖まった後は、エアコンの設定温度を低くして、床暖房を中心とした運転にすると、エアコンの電気代を節約できます。
また、床暖房には電気式と温水式があり、それぞれ異なる方法で床を暖めます。電気式は、電気ヒーターで直接床を暖めるため、温水式と比べると多く電気を使用します。温水式は温めた水を使って床を暖めますが、ガスや灯油を燃やして水を温める燃焼式や、少ない電気で効率よく水を温めるヒートポンプ式があります。
ただし、床暖房の設置には工事が伴うことから初期コストがかかるため、新築やリフォームなどの機会に検討するのがおすすめです。
電気カーペットも、床暖房同様に足元から直接伝わる熱で体を温めますが、工事を伴わないので簡単に設置することができます。
しかし、電気カーペットは表面だけが暖かくなるので、部屋全体を暖める効果はありません。エアコンやストーブなど、他の暖房器具とあわせて使うのがよいでしょう。
また、ポカポカと暖かい電気カーペットですが、長時間動かないまま座っていると、電気カーペットに触れている部分が低温やけどを起こす場合があります。電気カーペットの上で、寝込んでしまわないように気をつけましょう。
古くから日本の家庭で使われてきたこたつ。かつては、木炭や豆炭、練炭などがこたつの熱源として使われてきましたが、現在は温風赤外線ヒーターから出る"ふく射熱"が、布団の中に入れた足やお腹など体を温めます。
冬の家庭団欒と聞くと、こたつに入っているシーンを思い浮かべる方も多いように、食事時など、人が一緒に集まり、温まるシーンで活躍してくれる暖房です。
しかし、こたつに入っていない部分は寒く感じますので、寒さが厳しい時は、エアコンやストーブなど、他の暖房器具とあわせて使うのがよいでしょう。
外から帰ってきて、部屋の中の空気が外よりも暑いと感じたときは、すぐにエアコンのスイッチを入れるのではなく、まずは、窓を開けて部屋の換気を行い、猛烈な熱気を部屋の外に逃がしてからエアコンをかけると無駄な電力を使わず、すばやく効率的に部屋を冷やすことができます。
窓開けで換気をする時は、1か所の窓だけでなく、2カ所の窓を開けることで空気の通り道ができて効率的な換気ができます。2つの窓は対角線上にあるとさらに効率的です。
窓開け換気後、エアコンから少し離れたところが暑いからといって、リビングのエアコンの設定温度を下げてしまう前に、まずはエアコンの冷たい空気を遠くすばやく送れるよう、扇風機やサーキュレーターを活用しましょう。
エアコンから来る風を背にして、風を送る方向に扇風機を向けてあげると、冷たい風を更に遠くに送ることができます。
(上から見た図)
人間は風がある状態では体感温度が下がります。
エアコンの設定温度を下げるよりも、エアコンの風量を強くする方が電気代が少なくなるのでお薦めです。また、扇風機を一緒に使うことでも同様の効果が得られます。この時、扇風機の風は弱い風量でも続けてつけておくとより効果的です。
また、扇風機と人の距離が近いときは、弱い風量でもからだが冷えてしまうことがあるので、風が強くて気になる方や寝室で使う場合には、扇風機の風を壁や天井に当てて、跳ね返ってきた間接気流を利用すると風がやわらかくなり、おすすめです。
エアコンは部屋の暖かい空気を吸いこんで、冷たい空気にして吐き出すことで、部屋を涼しくしています。
エアコン内部のフィルターが目詰まりすると、吸いこむ空気の量が少なくなり、部屋を冷やす力が小さくなるため、部屋を冷やすのに多くの電力が必要になります。
面倒に思えるかもしれませんが、フィルターの掃除はこまめに、2週間に1度は掃除するように心がけましょう。
フィルターのほこりは、水洗いをするか掃除機で吸いとります。汚れがひどいときには、中性洗剤をとかしたぬるま湯で洗い、その後、日陰でよく乾かしましょう。
フィルターだけでなく、その奥にある冷却フィン(熱交換機)の掃除も意外と重要です。
エアコンは部屋の暖かい空気を吸いこんで、冷たい空気にして吐き出すことで、部屋を涼しくします。冷却フィンは吸い込んだ空気を冷たくする部品です。冷却フィンにほこりがたまると、吸い込む空気の量が少なくなり、部屋を冷やす力が小さくなるため、より多くの電気が必要になります。冷却フィンにほこりがたまると、冷却フィンに触れる空気の量が少なくなり、部屋を冷やす力が小さくなるため、より多くの電気が必要になります。
冷房シーズンが始まる前に、冷却フィンの汚れを確認して、汚れが目立つようであれば、業者さんに相談してみましょう。
省エネを気にして、手動で微風や弱風にする方もおられますが、冷房時の風量設定は自動にするのがおすすめです。
そうすることで、お部屋が冷えるまでは強風で、その後は微風という具合に、最も効率よく、快適に冷えるよう風量調整を行ってくれます。
エアコンは、スイッチを入れたときなど部屋をがんばって冷やす運転をする際に、多くの電気を使います。この時、微風や弱風では部屋がなかなか冷えないので、実は強風の方がおすすめです。微風のままだと、部屋が冷えるまでの時間が長くなり、結果的に余分な電気を使うことになるからです。
暑く感じた時、エアコンの温度設定を下げる前に、風を自分の方に向けるか、風量を強くすることを試してください。
体感温度が下がり、同じ温度でも涼しく感じます。
扇風機をお持ちの方は、扇風機を併用し体に適度な風を感じることでも同じ効果を得ることができます。
実は、エアコンで消費する電力のほとんどは、温度を下げる時に使われます。風量を強くすると少しだけ消費電力は増えますが、温度を下げる時に消費する電力とくらべると比較にならないくらいのわずかな増なのです。
エアコンは、急に部屋を冷やすときに多くの電気を使います。設定温度まで冷やした後、その設定温度を維持しているときは、急に部屋を冷やす場合と比べてとても少ない電気ですみます。
節電のために、「部屋が涼しくなったらエアコンを止め、暑くなったら再びスイッチを入れる」というように、こまめに、スイッチの入切を繰り返して温度調節を行うと、急に部屋を冷やす運転が多くなるので、エアコンに温度調節を任せるよりも、多くの電気を使う場合があります。部屋にいるときは、自分でスイッチを入切して温度調節を行うのではなく、エアコンの温度調節機能に任せるようにしましょう。
エアコンは部屋の暖かい空気を吸い込んで、冷たい空気を部屋に吐き出しますが、冷たい空気は下へたまりやすくなっています。お風呂のお湯をわかした時、時間がたつと上が熱くて下が冷たくなるのと同じ原理です。
部屋の中に上が熱くて下が冷たい温度むらができていると、エアコンが「設定温度になっていない」と勘違いをして必要以上に部屋を冷やし、余分な電気を使うことがあります。
温度むらを解消する為には、風向ルーバーを上向きか、もしくは水平方向に調整して、冷たい空気が上から下に循環するようにしましょう。
エアコンとあわせて扇風機を使うのも有効です。冷たい空気がたまっているところに向けて、扇風機をあてると、冷たい空気を拡散させることができます。空気清浄機をお持ちの場合は、風量を強くして拡散させることも有効です。
室外機は、部屋の中の熱を、部屋の外に捨てる際に、多くの電力を使用します。
夏場、室外機が直射日光や地面からの照り返しにさらされるとその付近はとても高い温度になってしまうため、熱を捨てる効率が低下し、電力を余分に消費してしまいます。
夏、室外機は日陰に設置するか、室外機から1mほど離れたところに、植木を植えたり、よしずをたてかけるなどで日陰を作ってあげましょう。
ただし、室外機を板で囲ったり、よしずをたてかけた時に吹き出し口をふさいでしまわないよう十分な注意が必要です。
エアコンの運転中、部屋の中の熱を、部屋の外に捨てるために室外機は常に放熱をしています。そのため室外機の吹き出し口付近やその周囲にものを置いたり、カバーで覆ってしまわないよう注意しましょう。
室外機の前を通ると、熱風が吐き出されていることが気づく方も多いと思いますが、吹き出し口がふさがれると、放出した熱風を再び吸い込んでしまうことで、冷却効率が著しく低下します。
室外機の前はスペースを空けてできるだけ風通しをよくし、スムーズに空気が循環できるようにしましょう。
よく見かけられる室外機用カバーなどは、放熱をさまたげることになり余分な電気を使用します。冷房使用時は、なるべく外すことをお勧めします。
効率よく部屋を冷やすためには、太陽の熱をさえぎって部屋の温度が上昇することを防ぎましょう。
カーテンやブラインドで日差しをさえぎり、窓からの熱を防ぎましょう。窓ガラスに熱をカットするフィルムなどを貼るのも効果があります。
なお、カーテンやブラインドの色は、光と赤外線を反射してくれる白い色がベターです。黒など濃い色の場合は、太陽の熱を吸収して部屋がかえって暑くなってしまうことがあるためです。
部屋の温度が上昇するのを防ぐには、太陽の熱をできるだけ室内に入れないようにすることが大事です。このとき、部屋の外側で太陽の熱をさえぎるほうが、内側からさえぎるよりも高い効果が得られます。
朝顔やヘチマ、ゴーヤなどツルのある植物で作った緑のカーテンや、すだれなどを窓の外に立てかけて、窓の外に日差しをさえぎるものをつくりましょう。特に、植物を使うと、日差しをさえぎるだけでなく、葉の気孔から水が蒸発するときに気化熱をうばって涼しくしてくれるのでお薦めです。葉の間を通り抜けてくる涼しい風でお部屋の温度を上がらないようにしてくれますし、見た目にも清涼感が感じられます。
また、留守中は、雨戸を閉めておくのも効果的です。雨戸は熱がこもりそうに思われがちですが、直射日光が入る窓では、熱が室内に入ってくるのを外でさえぎることができるので、温度上昇を抑えてくれます。
日本には昔から涼をとるための知恵がたくさんあります。
風鈴の音を聞くことで涼しさを感じるという人もおられます。
朝夕の陽があまり高くない時間帯、特に夕方陽が傾きはじめた頃に庭に水をまくと、まいた水が蒸発する時に地面から熱を奪うため、体感温度を下げてくれます。
風のある日には、風の入口と出口になる窓を開け、家の中に風の通り道をつくりましょう。室内に空気がこもらず、風によって体感温度も下がるので、案外涼しいものです。
また、風の入口側の窓の外にぬれたシーツを干すと、シーツが乾く際に気化熱がうばわれるので、涼しく気持ちのいい風を得ることができます。特に晴れた日は効果的です。 五感で感じる涼を積極的に取り入れて、エアコンは必要な時だけ使うように心がけてみましょう。
空気の可能性を信じ、追い求め、
新しい価値をくわえて
これまでになかった空気を、世界へ届けます。