金沢区・磯子区版 掲載号:2018年4月12日号

金沢区富岡西新野さん 水中ホッケー日本代表に 今夏に世界選手権出場

スポーツ

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スティックとパックを持つ新野さん
スティックとパックを持つ新野さん

 金沢区富岡西在住の新野洋平さん(29)がこのほど、今夏にカナダで開催される水中ホッケー世界選手権の日本代表に選出された。チームの連携力を高め、世界での1勝と競技の普及を目標に掲げる。

 イングランド発祥の水中ホッケーはプレーヤー6人で行う団体戦。縦25m・横15m・深さ3mほどのプールを使用。選手は足にフィンを付け、水中に沈む重さ約1・3kgのパックをスティックで運び、相手ゴールにパックを入れると得点になる。欧米などで盛んとされるが、日本ではあまり知られていない。国内の競技人口は200〜300人とも言われる。

 新野さんは2013年、15年に代表としてアジア大会に出場した実績や国内試合でのプレーが評価され日本代表入りした。

元水泳選手

 福岡県出身の新野さんは6歳から大学生まで、平泳ぎを得意とする水泳選手だった。広島県の大学院に通っていた頃、経験者に声を掛けられて水中ホッケーを開始。広島では仲間とチームを立ち上げたこともあり「3次元のプレーができる」という魅力にのめり込んだ。

 金沢区に移り住んだのは2年前。福浦の中央水産研究所に勤め、仕事の後、片道2時間かけて所属する埼玉県のチームの練習場所へ移動する。競技人口が少ないマイナースポーツとあり、練習拠点を見つけることも容易ではない。普段は深さ1・5〜2mほどのプールで練習しているという。

 試合では、あらゆる角度からパックを奪いにくる相手を振り切る判断力や、長時間潜水する持久力、心肺機能が求められる。また、味方選手がタイミングを間違えて同時に息継ぎすると、水中でプレーする選手がいなくなり、数的不利な状況が作られてしまう。チームメイトの息継ぎのタイミングを把握する連携なども、勝利への鍵になる。

競技普及願う

 3月末に新潟県で行われた代表合宿では、世界選手権を見すえて深さ3mのプールで練習。緩急を付けた攻撃や、一度の息継ぎで潜り続ける時間を延ばす持久力アップを目指したトレーニングなどに励んだ。新野さんと共に代表に選ばれた県立海洋科学高(横須賀市)教諭の荻原佑介さん(27)は「技術・精神面で信頼されるチームの大きな支え」と新野さんの印象を語る。

 10カ国以上がしのぎを削る世界選手権は7月。新野さんは「まず1勝が目標。競技を普及させて国内全体のレベルを上げたい」と意欲を見せた。

水中でパックを運ぶ新野さん(手前)
水中でパックを運ぶ新野さん(手前)

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