前回の開発部で紹介したギャラクシー・マスターで日本最強を争った二つのデッキを見てくれ。 だけど、今回一番注目して欲しいのはあるカードが両方のデッキに入っているということなんだ。
その中でも、この《ローズ・キャッスル》が選ばれているのはなぜか? 《ローズ・キャッスル》に限らず、城は強力な能力を持っているものが多い!
もちろん城は要塞化されているシールドをブレイクされてしまうと、 破壊されてしまう壊れやすさがある。 だけど城が新しいカードなだけに、シールドをブレイクする以外で破壊する方法が無いんだ! つまり城は、要塞化されているシールドさえ守ってしまえば、 非常に破壊されにくい頑丈なカードだってことだ。
え?ブロッカーも増やさないし、別のシールドを代わりにブレイクする能力も無いじゃないかって? いいかい? いくつかの特殊な例外を除いたら、シールドをブレイクするのはなんだい? そして、相手のクリーチャーのパワーを1000下げるこの《ローズ・キャッスル》の能力は、 相手の小さいクリーチャーを根こそぎ減らしてくれるんだ!
まず、一つ目。 3マナというかなり序盤に出せるコストの為、使いやすいのはもちろんだけど、 このコストの軽さが能力とかみ合っているんだ。 なぜなら、この城を要塞化するときに相手が出しているであろうクリーチャーも、 コストが軽いので、パワーが1000の可能性が高いんだ! つまり出した瞬間に、相手のクリーチャーのパワーをゼロにして破壊するっていうお得な動きが可能なんだ! もちろん、相手が3ターン目には《クゥリャン》みたいなパワー2000のクリーチャーを バトルゾーンに出していて、要塞化してもすぐに破壊されてしまう事だってあるだろう。 って選択肢を用意できるだけで十分なんだ! そして、二つ目。 さっき、他の城の能力を並べた時に気が付いた事が無いかな? そう!これまでに紹介した強力な城は全部自分のバトルゾーンのクリーチャーに影響を与える能力なんだ! これは自分のデッキに入っているクリーチャーとのコンボを作りやすいというメリットがある一方で、 自分のデッキのクリーチャーが城と合っていないと、使いにくいという弱点もあるんだ。
ただ逆に言えば、これはできるだけ専用のデッキを作らなくちゃいけない、って事でもあるんだよね。 もちろん絶対専用のデッキじゃないと使えない、ってわけじゃないけど、 せっかく最強のパワーを発揮できるんだったら、それをしないのって勿体無いじゃない! そう!この城は、相手のバトルゾーンのクリーチャーに影響を与えるんだ! だから自分のデッキのカードで最大限の力を発揮させる、っていう使い方ができない代わりに、 相手のデッキにパワー1000のクリーチャーが入っている限り、 相手のクリーチャーを破壊する為に使う事ができるし、相手がアタックしてきたクリーチャーに 殴り返す前に要塞化する事で、相手の計算を狂わせる事もできるんだ。 つまり《ローズ・キャッスル》は、要塞化している間ずっと使える効果だけじゃなくて、 3マナの呪文のようにも使えちゃうってこと。 他の城もそういう使い方ができるんだけど、ほとんど必ず入っていると言って良い 相手のクリーチャーに影響を与えるカードだけに、活躍する機会が多いんだ。 極端な事を言ってしまえば、闇文明のマナを出すことができるデッキなら、 なんでも入れてしまうことができる、ってこと。 《ローズ・キャッスル》は、それ専用にデッキを組めるようなコンボは無い代わりに、 どんなデッキにでも入れられる柔軟な能力を持っている、っていう強さがあるんだ。 これまでに開発部で紹介したデッキでもVol.17やVol.23に とりあえず入れていれてみるだけでも、序盤の防御力がグッとアップすること間違い無しだ! もしも君のデッキに闇文明のカードがあれば、 是非とも《ローズ・キャッスル》を入れてみてバージョンアップしてみよう! さて、新カードである城にテンションが上がった僕は、 これまでに、もの凄く沢山の城を使ったデッキを紹介してきた。
そして前回は、闇文明の《ローズ・キャッスル》を使用して最強を争ったデッキを紹介して、 今回、その強さの秘密を解説したわけだ。
これまで紹介してきていないから、実は《海底鬼面城》って弱い城なんじゃ… って思うかもしれないけど、それは間違いだ! むしろ《海底鬼面城》が強力な城だからこそ、最後の最後までとっておいた、って思って欲しい! ただ《海底鬼面城》の能力は、ちょっと特殊な能力で《ローズ・キャッスル》のように、 どんなデッキに入れても強力、ってわけじゃない。そこを今回紹介しちゃおう。 実は《海底鬼面城》のターン開始時にお互いにカードを1枚引いて良い、っていう能力は、 一つの能力に見えて、二つの側面がある事に気がついたかな? それは この二つだ。 確かに一見同じ事をやっているんだけど、これをそれぞれ別の特徴として デッキに組み込むことができるから、別々に見てもらいたい。 まず1の、山札のカードを多く見ることができる、って能力。 手札を多く引いてるんだから当たり前じゃん、って思うかもしれないけど、 城が要塞化している限り、ずっと山札を多く見続けることができるっていうのは、 言い換えると、必要なカードが手に入る確率がグンとアップする、って事なんだ。 だから特定のカードを手に入れて勝つ事を目的としたデッキに組み込むことで、 勝ちパターンやコンボにたどり着く可能性を高めることが可能なんだ! 例えば、過去に開発部で紹介したデッキだと、Vol.19の極忍デッキのゴッドリンクのように、 特定の目的があるデッキに組み込むことで、この山札を多く見られる、 って特徴を万全に活かす事ができるんだ。 次に、2の手札の枚数を増やすことができる、って部分。 だから手札を多く使いまくって、後半手札が足りなくなりがちな速攻デッキに 《海底鬼面城》を入れれば、序盤から後半まで息切れすることなく攻め続ける事ができるんだ。 例えば、Vol.12で紹介したような、火単速攻デッキに《クゥリャン》や 《アクア・サーファー》のようないくつかの水文明のカードと一緒に投入すれば、 また違った角度から相手を攻め続けられるデッキになるんだ。 ただ、せっかく水文明の城なんだから、水文明だけで速攻デッキを組むこともできるんじゃないか? って考えちゃったのが僕なんだ。 というわけで、思わず作っちゃったデッキが、これ!
さて、デッキの動きと言っても、このデッキの動きは超簡単! この2点だ! と、これで説明が終わっちゃったら《海底鬼面城》を入れた意味が無なくなっちゃうよね。 普通、速攻デッキは序盤からドンドン手札を使いまくるので、 そのうち、1ができなくなるのが弱点なんだけど《海底鬼面城》でそれを補おう、 っていうのが、すでに説明した作戦。 つまり《海底鬼面城》の良い所を、相手も味わう事ができてしまうんだね。 これは、悔しい!悔しいことは、させたくない! ってわけで、相手よりもいかに上手く《海底鬼面城》を使うか、ってところが問題になるんだ。 その点、極忍デッキみたいな、カードを探すために《海底鬼面城》を使う場合は簡単で、 とにかく、勝てるカードを見つけてしまえば、相手がどんなに得していようと、関係無いんだ。 だけど、この水単速攻デッキみたいなデッキだと、そう上手く話は進まない。 じゃあそういう場合、どうすればいいか? 答えは簡単だ。 カードをいっぱい引けるっていうのは、凄いお得な事に見えるんだけど、 実はカードを使う為にはマナが必要で、使えないカードはタダのカード。 デュエルにあんまり関係ないんだ。 だから、お互いいっぱいカードを引いていても、 相手よりこっちの方が常に沢山カードを使っていれば、問題ないんだ。 その為に、このデッキには2つの仕掛けがしてある。
これが、なんと《海底鬼面城》のもう一つの能力の使用条件である サイバーロードがバトルゾーンにいる事なんだから、これはもう、ピッタリだね! え?サイバーロードがいたからって《海底鬼面城》で 手札が増えるわけじゃないから意味無いだろって? ここで《海底鬼面城》のもう一つの側面、 山札のカードを多く見れる、っていうのが活きてくる。
だから相手の山札の一番上が、使われると困るカードだった時に下に送り込んだり、 逆に使いにくい、コストの大きいカードや、使う為の文明が足りないカードだったりした場合に、 そのままにしたりと、かなりテクニカルに相手の使えるカードを制限してやる事ができるんだ! そうやって相手より《海底鬼面城》を有効活用して、一気にシールドをブレイクし切っちゃおう、 っていうのが、このデッキのキモなんだ。 このデッキを使う時に一つ覚えておいて欲しいのは《海底鬼面城》も、 《ローズ・キャッスル》と同じように、出す事もできるけど、出さない事もできるって事なんだ。 例えば、相手のデッキが軽いブロッカーの多いスーパーデッキクロスのアルカディアス騎士団や、 手札がドンドンブロッカーとして出てくる鉄壁シノビデッキのような、 手札をバンバン使ってこちらの攻撃を押し留めるようなデッキの場合、 《海底鬼面城》を相手の方が便利に使ってしまうんだ。 だからそんな時は《海底鬼面城》を要塞化しない、っていう選択が勝利につながることもある。
まだまだ、新しいカードだけに研究のし甲斐があるカードだけど、 その強さは十分に伝わったかな?