名古屋市、中学校非常勤講師に賃金未払い

2020年11月19日 05時00分 (11月19日 05時02分更新) 会員限定
市民集会で非常勤講師の待遇改善を訴える名古屋造形大の大橋基博特任教授(右)=名古屋市東区の東生涯学習センターで

市民集会で非常勤講師の待遇改善を訴える名古屋造形大の大橋基博特任教授(右)=名古屋市東区の東生涯学習センターで

  • 市民集会で非常勤講師の待遇改善を訴える名古屋造形大の大橋基博特任教授(右)=名古屋市東区の東生涯学習センターで
 名古屋市立中学校で働く非常勤講師に対する賃金未払い問題は今月中旬、市教委が五人に未払い賃金を払うと決め、一歩前進した。だが、非常勤をはじめ十万人超いるとされる立場の弱い非正規教職員が、待遇を巡って声を上げることはまれ。二〇〇〇年代に入り、少人数などきめ細かい指導へのニーズの高まりや自治体の人件費抑制を背景に非常勤講師は増えているが、学校の都合よく扱われる実態が浮かび上がった。(福沢英里)

■法の抜け穴

 市教委が非常勤講師五人に支給する未払い賃金は計約百三十万円で、十二日に愛知労働局に報告した。講師側は昨年十一月、支払いを求めて労働基準監督署に申告。労基署は今年二〜三月、市教委と各勤務校に是正勧告していた。
 同じ学校で働く教員でも、正規教員や常勤講師は時間外勤務を命じないと定めた教職員給与特別措置法(給特法)に従い、残業代は支給されない。一方、非常勤講師は対象外。代わりに労働基準法が適用され、勤務時間を超えて働いた場合は本来、差額の賃金や残業代が支払われるべき人たちだ。
 「法の抜け穴のような事例」と指摘するのは、地方自治総合研究所(東京)の上林陽治研究員(59)。「原則、残業代がない学校...

中日新聞読者の方は、無料の会員登録で、この記事の続きが読めます。

※中日新聞読者には、中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井の定期読者が含まれます。

関連キーワード

PR情報

社会の最新ニュース

記事一覧