いつか必ず幕が上がる日は来る! 玉置玲央と白石隼也が舞台『ジョン王』に託す願い
1998年から始まった、シェイクスピアの全37作を上演する「彩の国シェイクスピア・シリーズ」。蜷川幸雄の後を継ぎ、2017年からは吉田鋼太郎が2代目の芸術監督を務めている。
2020年6月からの上演を予定していたのは、“イギリス史上、最も悪評が高い”といわれる王の治世を描いた歴史劇『ジョン王』。ライブドアニュースでは、コンスタンス役の玉置玲央と皇太子ルイ役の白石隼也に取材を申し込み、撮影を実施していた。
しかしその矢先、新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて、『ジョン王』の上演中止が決定される。
くやしさや無念の思いもきっと強いだろう。そんな中でも、玉置と白石はメールインタビューに快く応じてくれた。再上演を確信するふたりの言葉から、この作品へのたしかな熱を感じ取ってほしい。
▲左から白石隼也、玉置玲央
お客さまという存在なしでは、舞台は作品になり得ない
- 残念ながら舞台は中止になってしまいましたが、『ジョン王』に参加できることに、どんな思いを抱いていましたか? どんなことを楽しみにしていたのか、緊張や不安もあったのかなど、率直な心境をお聞かせください。
- 玉置 最初はオファーをいただけたことに驚きました。このシリーズ(「彩の国シェイクスピア・シリーズ」)は『ジョン王』を含め、あと2作で終わってしまうので、ご縁があればいいな……くらいに思っていたので、純粋に嬉しかったです。
吉田鋼太郎さんと共演した経験はあったのですが、演出を受けるのは初めてだったので、自分に何ができるのか、どういうやり取りができてどうやって応えていくか、そんなことを考えてワクワクしていました。
それは他の出演者の方にも言えることで、初めて共演する方が多かったので、みなさんと稽古で何を産み出せるのか、どういうふうにお芝居をぶつけ合えるのか、さらにそれらをどのようにお客さまにお届けできるのか、楽しみでしょうがなかったです。- 白石 まず、吉田鋼太郎さんにオーディションで選んでもらえたこと。そして、僕自身初めてのシェイクスピアをこれ以上ないメンバーのもと挑戦できることを光栄に思っていました。他の演者のみなさんがどういったアプローチで役を演じていくのか、とても楽しみでした。
それと同時に、蓋を開けてしまうのが怖くて、見て見ぬふりをしていたシェイクスピア作品にとうとう向き合わなくてはいけないときが来たのかと、ソワソワしていたところも正直あります。 - 白石 まず、吉田鋼太郎さんにオーディションで選んでもらえたこと。そして、僕自身初めてのシェイクスピアをこれ以上ないメンバーのもと挑戦できることを光栄に思っていました。他の演者のみなさんがどういったアプローチで役を演じていくのか、とても楽しみでした。
- 映像と舞台、どちらも経験されているおふたりですが、舞台ならではの魅力についてどう感じていますか? 映像作品で学んだことが舞台でどう活きているか、あるいはその逆についても実感することがあれば教えてください。
- 玉置 個人的には、映像でのお芝居も舞台でのお芝居も、あまり変わりはないと思っています。目の前にいる方ときちんとやり取りをして観ている方に届ける、これに尽きます。
舞台ならではの魅力となると、お客さまと同じ空間を共有しているということになるんじゃないでしょうか。先述した通り、映像と舞台でのお芝居に変わりはありません。でも絶対的に違うのは、その場に観てくださっている方が存在しているかどうかで、お客さまからも何かを受け取ったり渡したりして、その瞬間瞬間のお芝居が成り立っていくと思っています。
月並みですが舞台の魅力はやはり、圧倒的なライブ感とそこに居合わせてしまったことによる、“覗き見感”なんじゃないかなと思います。- 白石 板の上で演じること自体は、映像も舞台も基本変わらないと思っていますが、舞台はお客さまという存在なしでは作品になり得ないところが面白いです。とくに何かを変えているわけではないのに、本番とリハーサルでは違う乗りものかと思うくらい変わってくることがあります。
あと、これまで映像作品を多くやってきたからなのか、お客さまが高い舞台のチケット代を払って、時間と労力をかけて来てくれることへの感謝と責任をより感じますね。
これまで学んできたことが新しい作品に活かされることは、ほぼないんじゃないかと毎回思います。悲しいですけど、いつも新人に戻ってしまうんですよね。初めはだいたい緊張して、うまくいかない(笑)。 - 白石 板の上で演じること自体は、映像も舞台も基本変わらないと思っていますが、舞台はお客さまという存在なしでは作品になり得ないところが面白いです。とくに何かを変えているわけではないのに、本番とリハーサルでは違う乗りものかと思うくらい変わってくることがあります。
- おふたりの役者人生の中で、芝居への考え方が変わる“転機”となったできごとは何ですか?
- 玉置 ふたつありまして、まずひとつは今作の演出家でもある吉田鋼太郎さんとの出会いです。舞台で初めて共演させていただいたとき、自分の至らなさからコテンパンにお説教を喰らいまして、そのときの「いつかこの人に認めてもらうんだ」という気持ちが、そこからの演劇人生の原動力になっています。
もうひとつは大杉漣さんとの出会いです。初めて出演した映画で共演させていただいたのですが、現場での過ごし方やスタッフさんへの気遣い、雰囲気作りに至るまで何もかもが圧倒的でした。役作りがうまくいかず悩んでいたときに「心からの、本気のやり取りができればそれが役になるし、芝居になるから大丈夫」とおっしゃってくださって、その言葉は今でも自分の中で道しるべのように生きています。- 白石 作品でいうと、どうしてもいちばんは主演を務めた『仮面ライダーウィザード』が思い浮かびます。番組を観てくれる人と初めてつながれたと思えた作品で、仕事をする喜びを教えてもらいました。
あと、今回の『ジョン王』が転機になればなと思っておりましたが、コロナウイルスでとんでしまい、まったく“持っていない”男だなと(笑)。 - 白石 作品でいうと、どうしてもいちばんは主演を務めた『仮面ライダーウィザード』が思い浮かびます。番組を観てくれる人と初めてつながれたと思えた作品で、仕事をする喜びを教えてもらいました。
再上演という、もっと最高の出会いのタイミングがあるはず
- ステイホーム週間が続いています。おふたりは家で何をして過ごすことが多いですか? ステイホームを楽しく過ごすために行っていることや、ハマっていることなどがあれば教えてください。
- 玉置 家にいる時間が増えたことによって、今まで興味はあったけど時間もないし、難しそうだからとあきらめていたことに挑戦できました。たとえば動画編集。カメラがもともと好きなんですが、前々から興味があった編集作業に取り組むようになりました。
あとは溜めていた本をこの機会に読み進めたり、過去に出演した作品の台本を今現在の気持ちや感情で改めて読み直したりしています。その気になれば無限に充実させられるんだなと、自分のポジティブさにびっくりしてます。- 白石 YouTubeを観ながら、観葉植物に水を与え、掃除し、ペットの世話をし、ギターを弾き、坊主にし、豆苗を育て、料理し、食し、たまにアイロンをかけます。そして、YouTuberになろうと思い、改め、また思い、改めている毎日です(笑)。
ただ、幸いにも新しい挑戦となるような仕事が舞い込み、そちらの企画を進められているので、悪くはないステイホームです。 - 白石 YouTubeを観ながら、観葉植物に水を与え、掃除し、ペットの世話をし、ギターを弾き、坊主にし、豆苗を育て、料理し、食し、たまにアイロンをかけます。そして、YouTuberになろうと思い、改め、また思い、改めている毎日です(笑)。
- 最後に、『ジョン王』を楽しみに待っていたファンの方々に向けて、何かメッセージがありましたらぜひお願いいたします。
- 玉置 吉田鋼太郎さんは『ジョン王』をいつか必ず上演するとおっしゃっています。自分もそのつもりです。座組のメンバーもきっとそうです。今回の上演を楽しみにしていてくださったみなさまには本当に申し訳ないですが、もしよかったらこう考えてみてほしいんです。今じゃなかったんだ、と。
俳優と作品の出会いも、俳優同士の出会いも、作品とお客さまの出会いも、演劇における出会いはものすごい奇跡と偶然とも言えるご縁で成り立っていると思ってます。その場にすべての方が一緒に居合わせないと成立しない表現活動。だからどんな理由であっても公演中止になるということは、今はまだ出会うタイミングじゃないんだと演劇の神さまが言ってくれていて、もっと最高の、もっと素晴らしい出会いのタイミングがあるってことなんです。
そしてそれはもちろん、再上演のときなんだと思います。その日を信じて、何よりもまた劇場で出会えることを最高に喜べる日が来ることを信じて、頑張ります。どうか一緒に頑張りましょう。- 白石 必ず幕が上がる日が来る、と僕は確信しております。僕もまた声を掛けていただけるよう精進したいと思います。劇場でお会いしましょう。
- 玉置玲央(たまおき・れお)
- 1985年3月22日生まれ。東京都出身。A型。
劇団「柿喰う客」所属。主な出演作は舞台『夢の裂け目』、『Take Me Out 2018』、『秘密の花園』、『真田十勇士』、『こどもの一生』、映像作品ではドラマ『伝説のお母さん』、『麒麟がくる』、『サギデカ』、『真田丸』などに出演。初出演映画『教誨師』では第73回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞受賞。2020年9~10月、PARCO劇場オープニング・シリーズ『ゲルニカ』に出演予定。
- 白石隼也(しらいし・しゅんや)
- 1990年8月3日生まれ。神奈川県出身。O型。
2007年の「第20回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞し、2008年に俳優デビュー。2012年、『仮面ライダーウィザード』(テレビ朝日系)で主演を務める。主な出演作に、ドラマ『彼岸島』(毎日放送)、ドラマ『グッドモーニング・コール』シリーズ(フジテレビ系)、映画『東京喰種トーキョーグール』など。映画『燈火 風の盆』 が2020年公開予定。
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- 2020年5月30日(土)12:00~6月5日(金)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/6月8日(月)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから6月8日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき6月11日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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