前提世界は説明されないし、登場人物の詳しい説明がない。
世界を把握したいというタイプの人は、(たぶんおじさん系に多いとおもう)、そのあたりの不親切さにちょっと困ってるのではないかとおもうのだが、それもまた想像にすぎない。
「よくわからないけど感動した」というのと「感動したけど、でもなんかよくわかんない」というのに分かれているのではないだろうか。前者はそれなりに幸せだが、後者はたぶん不満が残る。
コロナで何かの様相が変わってしまったのかもしれない。
ジャンプの連載漫画は少年向けなので、異世界・異能力の漫画が多い(ふつうの人間同士の戦いであるスポーツ漫画が少なく、いまのジャンプ連載ではゼロである)。
少年少女は、異世界の物語に入りこみやすい。まあ、彼ら彼女らにとって、現実の大人世界も異世界のようなものだからだ。
「異世界での異能者の物語」の世界に触れることは、内向きの少年少女にとってもとても大事なことである。そこで何か自分のものを見つけるかもしれない。
でも、現実社会で暮らす大人は、現実の処理でどんどん手一杯になっていって、異世界の異能力の物語を、ふだん、あまり必要としていない。もちろん一部の人たちはいくつになってもそういう世界を好きであるが、それはまあ趣味の問題である。
異能者の物語は、あまり大人に向けて作られていない。
今年は、コロナによって、世界が一変してしまった。
かなり不条理で理不尽な世界にわれわれは生きることになった。