演劇・ミュージカル

井上芳雄インタビュー『正しい教室』☆特別価格でチケット発売中!

2015/01/09


 

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――『モーツァルト!』ご卒業の後に新たに取り組むストレートプレイが『正しい教室』です。SHOW STAGE『Triangle』シリーズで脚本を担当された蓬莱竜太さんが今度は作・演出を担当されるそうですね。

パルコ劇場でまたやらせていただけるとなったとき、ぜひ蓬莱さんとやりたいと思ったんです。僕がストレートプレイをするのは一年に一回くらいで、一つ一つが貴重なんですね。僕と同世代の蓬莱さんの存在は、自分の中ではとても大きくて、一度がっつりと蓬莱さんとご一緒してみたかったんです。蓬莱さんには僕からお願いしたんですよ。「井上君は本当にそんなにやりたいのか?」と初めは疑ってたみたいですけど(笑)、二人でたくさん話をして、今やる意味があるもの、この先も残る作品を作りたいと意見が一致しました。

――「同級生の息子の死をきっかけに、ある地方都市で行われた同窓会。そこに生徒全員から嫌われていた教師が突然現れる……」というストーリーで井上さんが演じるのは、かつて委員長だった男とのこと。井上さんご自身のイメージに重なるところもある役どころなのでは?

僕は学生時代、学級委員どころか生徒会長だったので(笑)自分に似ているところはあるかも。でも、蓬莱さんはその人の持っているキャラクターを裏切るものを作ろうとする人だから、話が進むにつれて心の闇の部分が浮かび上がってくるんじゃないかなと思いますね。

――では、サスペンスタッチの展開に?

そうですね、蓬莱さんは「あれ、どうなるの?」というストーリーテリング力がある方で、日常の会話の設定の中でも小さいどんでん返しがたくさんあるんです。この台本も最後まで夢中になって読みましたね。『正しい教室』というタイトルとおり、「あれ、本当は何が正しいの?」と考えさせられるようなものになると思います。

――蓬莱さんの作品の中には、相手のことを気遣ったり自分をかばったりして本当のことを言えないような人物が出てきますよね。

蓬莱さんともよく話すんだけど、世代的には白黒つけにくいところがあるかもしれない。今という時代も「これが正しいんだ」と言えない時代ではあるし。それでも、考えることは放棄したくない、ずっと考え続けていようという蓬莱さんの考えに共感しますね。

――それは、井上ひさしさんの作品にも通じるところがあるかも。

そうですね。でも、いい作品というのはそういうものかもしれない。『モーツァルト!』だって、モーツァルトの生が不幸だったとか幸せだったとか言っているんじゃなく、最後はお客様に「それではあなたの運命はどうなの?」と投げかけていると思うので。特にストレートプレイをやるときは一筋縄ではいかないというか、終わった後に3日間くらい考えてしまうものをやりたいなと思いますね。

 

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