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【中井美穂のヅカヅカ行くわよ♪ Vol.5】井上芳雄×中井美穂 2014新春スペシャル対談▷『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』
2014/01/06
撮影/崎元栄一郎
抜群の歌唱力と声量、透明感のある演技で「ミュージカル界のプリンス」と呼ばれ、近年ではストレートプレイや映像、歌手や声優としても、人気と実力を高めている井上芳雄さん。
そんな井上さんが昨年9月に出演したミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』は、好評を博して4カ月後にアンコール公演が実現、さらには数々の演劇賞を受賞、そして、いよいよこの春には再演!と、これはこの先も何度でも観客の心をゆさぶる名作ミュージカルのひとつになる予感がします。
早速、井上さんに再演にかける意気込みや本作品の魅力、2014年の抱負について伺ってきました。
「あぁ!こんな人がいたんだ!!」っていう衝撃を、
その後もなかなか得られていないように思います(中井)
中井:デビュー作のミュージカル『エリザベート』のときは、おいくつだったのですか?
井上:20歳でした。いま34歳になりました。
中井:あのとき、あまりにも衝撃だったのを覚えています。しかも、「あぁ!こんな人がいたんだ!!」っていう衝撃。その後は、同じような衝撃をなかなか得られていないように思います。
井上:当時は大学(東京芸術大学)で勉強中だったのですが、いきなりミュージカルの舞台に出演させていただけるということが珍しかったからかもしれないですね。
中井:役柄のもっている魅力と、井上さんがもっている白くて無垢で新しいところがあまりにも合致するところがありましたよね。
井上:ビギナーズラックですよ!
中井:いえいえ、なにをおっしゃる。今、これだけ活躍されていて~ (笑)
井上:『エリザベート』以降も頑張りましたから(笑)
やっぱりジョン・ケアードはすごかった!
舞台にのったときに、魔法のように、
お客さまが笑うし、泣く(井上)
中井:さて、初演が大変好評で、いよいよ今年3月に再演されることになった『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』。再演の声がかかるというのは、満足度の高い作品だからこそ。お客様の要望は相当多かったのでしょうね。
井上:再演の要望はたくさんいただいたと聞いています。
中井:若き慈善家のジャーヴィスを演じる井上芳雄さんと、孤児のジルーシャを演じる坂本真綾さんの二人だけのミュージカルなんですよね。”ニューミュージカルロマンス“とチラシにも書いてありましたけど、本当に新しくて誰もができるわけではないミュージカル。非常によくできた脚本と、イメージに合った、技術の高いお二人がいないと成り立たない作品ですよね。
井上:演出家のジョン・ケアードと、音楽を担当したポール・ゴードンが時間をかけて作り出した“演劇の魔法”みたいなものが散りばめられている作品なんです。
翻訳はジョンの奥様である今井麻緒子さんで、最初に題材を探していたときに奥様がすすめたのがウェブスターの「足ながおじさん」。日本ではとても有名な話ですが、実はアメリカではそれほど知られていなかったそうです。
それが10年くらい前の話で、最初は踊りだけでやろうとか、いろいろと試行錯誤したと聞いています。原作は、ジルーシャのジャーヴィスへの手紙だけで構成された物語なので、この作品のジャーヴィスの気持ちはジョンが想像し作り出したものなんです。
中井:セットもそれほど動かないのに、月日が経っていって、役者はほとんどはけずに、歌ったり、一つの手紙を二人で読んだり。演じる側は大変でしょうね。
井上:ジョン・ケアードの作品は、主な人物が舞台上からほとんどはけないんです。僕はちょっと着替えるところはありますけど、ジルーシャはほとんど出ずっぱり。
ジョン曰く、無意味な中断でお客さんの集中力を削がないためだと。僕がちょっとはけるところに関しても、書斎はリアルに作ってあるから、書斎から奥の部屋に行ったんだなとわかるからOK。
でも、ジルーシャは何もないところでやっているから、急にはけるとどこに行ったんだろうということになる。それがジョン・ケアードの方針なんですよね。
初演の稽古をしている間は、これってどう見えるのか全くわからなかった。ジョンは、最初から「これはコメディーなんだ」と言っていたのですが、脚本を読んだ限りはどこがコメディーなんだろう?と……。
譜面に、笑い待ちという箇所があったんです。確かにロマンティックな話ではあるんだけど、そんなに笑えるところがあるのかな、どうなんだろうと不安でした。でも、やっぱりジョン・ケアードはすごかった! 舞台にのったときに、魔法のように、お客さんが笑うし、泣くし、本番を迎えて初めてお客様の反応にびっくりしました。
演劇って、具体的なものを全部出せばいいものではないし抽象的なものばかりではわからないと思いますが、ジョン・ケアードはどうしたらどう見えるかをすごくよくわかっていて、それが本当にそう見えたときに感情を揺さぶるようにしている。コメディーでもあるから笑いもたくさんあるのですが、女性はもちろん男性も、それも年配の方が泣くくらい心をつかんじゃう。
笑いとジーンとするところが交互にくるんですよね。実際、音響のベテランスタッフも泣いちゃったそうです。
■□■BUTAKOME☆Ticket☆Information ■□■
ミュージカル・ロマンス
『ダディ・ロング・レッグズ ~足ながおじさんより~』
公演日:2014/3/1(土)~3/22(土)
会 場:シアタークリエ
出 演:井上芳雄 坂本真綾
料 金:全席指定 9,000円 ⇒ リビング特別価格8,700円
※未就学児入場不可
リビング特別価格のチケット購入はチケットファンへ!!
※画像およびテキストの転載を禁止します。
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2020/02/06
Profile
ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。
現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。
演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。
2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。
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