演劇・ミュージカル

シンディ・ローパー×ハーヴェイ・ファイアスタインスペシャル対談☆ブロードウェイ・ミュージカル『キンキーブーツ』<来日版>特別価格でチケット発売中!

2016/08/23


 

Kinky Boots National Touring Company. Photo Matthew Murphy. (1)

 

自分自身を受け入れたときに、世界が変わる

 
――劇中に「ありのままの自分を受け止めて」という言葉が出てきますが、受け入れることがこの作品のテーマの一つだと思います。それは、シンディさんの代表的なナンバー「Girl’s Just Wanna Have Fun」にも、ハーヴェイさんが書いた『ラ・カージュ・オ・フォール』の「I Am What I Am」にも通じるテーマかなと思うのですが。

ハーヴェイ 『キンキーブーツ』のテーマはとても深いところにあります。この作品の深いところで起こっているのは、二人の男の子が自分自身の中にダメージを抱えているということ。僕たちもみんな、ダメージを抱えているでしょう? 『キンキーブーツ』のローラとチャーリーは父親の期待に応えられないのではないかと思いながら生きてきた。彼らが父親の願った結果にならなかった自分を受け入れて、自分自身を許したときに、世界が変わるんです。

シンディ そして他人を受け入れたときにもね。さっきハーヴェイが「失敗から身を守る」という話をしたけれど、私は小さいとき周りから「お前は歌手にはなれないよ」といわれて、すべてのことに失敗してきたの。13歳のとき、タイプライターも何もできなかった。そのとき思ったの。「もうどうでもいいじゃない」って。

ハーヴェイ 彼女は自分では言わないけれど、自分の音楽を見つけたとき業界の人がシンディに歌い方を教えようとしたんだ。でも、彼女は「それは私のサウンドじゃない」と言ったんだ。「これは私のサウンド」と言い切るタフさを持っているんだよ。

 
――『キンキーブーツ』は日本人キャスト版と来日版が連続して上演されますね。

ハーヴェイ 私たちもとても楽しみにしています。来日版は英語で上演されますが、できるだけお客様の心に響くように、遠い世界の話でなく皆さまの心に浸透するように心がけていますよ。

シンディ この作品が普遍的なものになることにワクワクしているわ。私の日本での経験から、私たちはまったく異なる背景を持っていても、日本の皆さんと分かち合えるということがわかっています。私は日本での上演に感激しています。一つはっきりわかっているのは、『キンキーブーツ』を見たたくさんの人が幸せになってくれるということね。

 

取材・文/演劇ライター・大原薫

 

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