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尾上松也のエンタメ異文化交流録
【尾上松也コラム】ブロードウェイ・ミュージカル『キンキーブーツ』(来日版)観劇!
2016/10/24
撮影/吉原朱美
尾上松也さんが東急シアターオーブで上演中のブロードウェイ・ミュージカル『キンキーブーツ』(来日版)を観劇。「素晴らしいエンターテイメントになってますね」と『キンキーブーツ』に感動した松也さん。松也さんならではの観点で作品の魅力や見どころを熱く語ります。特にドラァグクイーンのローラ役、J.ハリソン・ジーさんについては「ローラが出てくると舞台が明るくなる」と絶賛!
舞台写真/田中亜紀
『キンキーブーツ』、面白かったですね。ミュージカルに期待するすべてが詰まっていました。
まず、音楽がいい! (作曲の)シンディ・ローパーってすごいですね。シンディらしさもありながら、それが邪魔にならずにちゃんとミュージカルの楽曲になっている。このシンディのセンスが素晴らしいです。
そして強く感じたのが、キャストの皆さんそれぞれが生きているということ。来日公演を観に行くと特に思うことなんですが、作品の中でそれぞれの人たちがとてもリアルなんですよね。今回はセットもシンプルで大掛かりな転換があるわけではない中で、きちんと切り替えて靴工場の空気感、田舎の素朴な感じを出しているところが素晴らしいなと思いました。
ストーリーもとてもよかったです。エンターテイメント性が高い作品の中にドラァグクイーンへの偏見も描かれていますけど、それが決して特殊な話ではないんですよね。人って誰もが、大小は別として、偏見や偏った考え方を持っているじゃないですか。それが自分自身を苦しめたりする。それを前提に観ると誰もが共感できて、納得がいくような作品になっているんですよね。そして偏見との葛藤が晴れていく爽快感があって、痛快に気分よく終わらせてくれるんです。
ローラ役のJ(.ハリソン・ジー)さんは、ドラァグクイーンのローラとして出ているとき、すべてを包み込むオーラがありましたね。台詞にもありましたけど、ローラがいなくなると舞台が暗くなるし、ローラが出てくると目を惹きつけられる。観客として観ていても実際にそうだったですし、芝居ってこうじゃないといけないなと。これは演技のテクニックで見せられるものじゃない。人間力でもあると思うんです。
特にすごいなと思ったのは、(ローラが)男の服装をして出てきたときの空気感の入れ替わり。彼の過去のトラウマとか自分に対するコンプレックスがあって、今はローラとして生きていくことで払拭したけれど、我慢して偏見に耐えてきた時期があったわけです。その背景が、彼が男装して階段から一歩出てきたときににじみ出ていたのが素晴らしいなと思いましたね。エンターテイメント性の高い作品ほど、しっかりした背景がないとただの音楽ショーになってしまうのが、ミュージカルのこわいところ。この作品は、エンターテイメントと背景が見事に融合していたなと思うんです。
ブロードウェイ・ミュージカル『キンキーブーツ』(来日版)
10月30日(日)まで東急シアターオーブで上演中!
詳細は『キンキーブーツ』公式サイトへ
Kinky Boots National Touring Company. Photo: Matthew Murphy.
演出・振付:ジェリー・ミッチェル
音楽・作詞:シンディ・ローパー
脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン
出演:公式サイト「キャスト」ページへ
日程:
東京公演 / 2016年10月30日(日)まで東急シアターオーブにて上演中!
大阪公演 / 2016年11月2日(水)~6日(日)までオリックス劇場にて上演
※公演の詳細は、東急シアターオーブ公式HPへ
『十二月大歌舞伎』
〔公演日・会場〕
会 場:歌舞伎座(東銀座)
チケットファン販売公演:
2016年12月11日(日)16日(金)11:00
12月8日(木)21日(水)15:00
12月3日(土)6日(火)18:30
〔出演〕
玉三郎(三部のみ)、獅童(一部のみ)、勘九郎(二部・三部のみ)、七之助(二部・三部のみ)、中車(一部・二部のみ)、松也(一部・二部のみ)ほか
〔料金〕
一等席 15,000円 ⇒ 特別価格 14,500円
※4歳以上有料
■□■□ お申込み □■□■
10月29日(土)10時から発売開始!
※お申込みはチケットファンへ
〔演目〕
第一部(=11:00 開演)
きむらゆういち 原作(講談社刊)
今井豊茂 脚本
藤間勘十郎 演出・振付
新作歌舞伎
一、あらしのよるに
がぶ / 獅童
めい / 松也
みい姫 / 梅枝
たぷ / 萬太郎
はく / 竹松
山羊のおじじ / 橘太郎
がい / 権十郎
狼のおばば / 萬次郎
ぎろ / 中車
第二部(=15:00)
宇野信夫 作
一、吹雪峠(ふぶきとうげ)
直吉 / 中車
助蔵 / 松也
おえん / 七之助
二、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
寺子屋
寺入りよりいろは送りまで
松王丸 / 勘九郎
武部源蔵 / 松也
戸浪 / 梅枝
園生の前 / 新悟
春藤玄蕃 / 猿弥
千代 / 七之助
第三部(=18:30)
一、二人椀久(ににんわんきゅう)
松山太夫 / 玉三郎
椀屋久兵衛 / 勘九郎
二、京鹿子娘五人道成寺(きょうかのこむすめごにんどうじょうじ)
道行より鐘入りまで
白拍子花子 / 玉三郎
白拍子花子 / 勘九郎
白拍子花子 / 七之助
白拍子花子 / 梅枝
白拍子花子 / 児太郎
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Profile
1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。
歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。
【Official HP】 尾上松也公式ウェブサイト