5月12日発行とのこと。
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その内容です。
革共同政治局の敗北1975〜2014 あるいは中核派の崩壊                         
1960年代以来、日本におけるラディカル左翼のトップランナーだった中核派が、テロ・リンチの果て政治的頽廃を重ね、無惨に顚落して行く……。闇の怪人=清水丈夫革共同議長が仮借なくひき剝がされて行く。分裂と崩壊を大胆不羈に剔抉する、痛恨のドキュメント全950枚。


革共同のたたかいの歴史、党内闘争の実相を時代の大きな流れのなかに位置づけながら、事実に即して描こうとしたもの」だそうだ。

 主な見出し(amazonの紹介よりもずっと詳しく)
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 水谷保孝 宏一[]
革共同政治局の敗北 19752014
   ――あるいは中核派の崩壊
                        白順社 本体3200+
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 序章 革共同は疾風怒濤の時代を開いた
第1節    大いなる可能性としての革共同
大衆運動の先頭に立ち続ける/革共同の組織構成の変遷と特徴
  第2節 革命の現実性をみた
労働者・学生の大衆運動と実力闘争/時代を画した反戦派労働運動/日本革命を切り開く反戦闘争、安保・沖縄闘争/三里塚闘争の広さと深さ/七・七自己批判と反スターリン主義の深化/日本階級闘争における固有の内戦/暴力の復権のたたかい/レーニン主義組織論を現代に適用/政治局の末期的限界と組織分裂/
  第3節 二一世紀の使命――どこからどこへ
   アメリカ帝国主義の世界史的敗退過程/「1968革命」は現代史を規定する
 
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第1部 〇六年三・一四党内テロ・リンチと諸結果
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第1章 三・一四Ⅱの本質
革共同は大分裂した/なぜ三・一四Ⅱが起こったか/二つの右派によるテロと粛清/「中野洋の三・一四」
 
第2章 三・一四Ⅱの発生 〇六年三~九月 [第一局面]
 第1節 七人組による陰謀から始まった
三月一三日深夜から始まった党内リンチ/与田側は天田書記長を呼んだ/与田、遠山をす巻きにする/路線や理論もなく、ただ扇情的に
第2節 政治局の分裂と左派の危機
深夜の政治局決定/中野が政治局決定を転覆させる/財政的腐敗を認めた与田弁明書/西島と遠山を断罪する根拠なし/党内論議は真っ二つに/「左派追放」を宣言した天田/ぶざまな醜態をさらした与田
第3節 清水議長、党内テロ・リンチに迎合
路線問題を不問にした清水議案/清水にはじめてかみついた天田/与田、遠山、西島の除名決定/「最大多数の最大幸福がオレのやり方」/「天田書記長は政治局内少数派だった」/粛清の力学が回り始めた
第4節 粛清なしに存続できない党
三・一四Ⅱ反対派を一挙的に排斥/ブハーリンの心境やかくならん/九州党員総会が総反乱/戦闘的伝統を誇る九州地方委が集団離党/中四国地方委を解体的に再編、火種残る/「韓信の股くぐり」を決断した部落青年戦闘同志会/部落解放同盟全国連への敵視/「部落解放闘争は党の利益に貢献せよ」
第5節 政治局内大粛清
清水が率先して三・一四Ⅱ転覆を策動/「三年でひっくり返す」発言でだましあい/二二全総は腐敗と転落への最終的分岐点/政治局の血の入れ替え
 
第3章 杉並、東西分裂、七月テーゼ 〇六年一〇月~〇八年四月 [第二局面]
 第1節    杉並二区議即時辞職を強要
天田の脅しと都革新区民の怒りの爆発/政治局総がかりで即時辞職を強要/怒りの杉並区民、革共同との対決へ/結柴・新城除名を策動するも頓挫/杉並区民が革共同を打ち負かした
第2節 中央派と関西派の分裂
関西地方委が中央政治局を追及、挑発/『前進』〇七年新年号論文が分裂の火種/大庭パンフ発禁事件/塩川に政治局員辞任を強要/分裂劇に嵌められた関西派―分裂の特徴と本質
第3節 広島差別事件こそ七月テーゼの正体
部落解放同盟全国連へのあからさまな敵視/戦闘同志会が集団離党/警察権力と一体で中田全国連書記長の抹殺狙う/部落のなかから決起した青年を全否定/七月テーゼは俗物政治局の野合の産物/部落解放運動を捨てることは日本革命を捨てること
 
第4章 動労千葉特化路線と粛清の党 〇八年四月~ [第三・第四局面]
 第1節 三里塚反対同盟など大衆運動への敵対
織田文書が三里塚農地死守を全否定/動労千葉特化路線は労農連帯を破壊する/党内権力闘争のために三里塚闘争を破壊/五・二七国労臨大裁判、民族差別との闘争、百万人署名運動、沖縄人民、婦民に敵対
第2節 「四人組」除名問題
中野主導の路線に批判、疑問が噴出/武藤第二文書、志賀文書の波及/除名恫喝は組織矛盾を強める/三里塚闘争破壊の革共同
第3節 高木徹の処分と七年後の除名
清水は盟友を切って捨てた/パルタイ・パトリオティズムの閉鎖集団へ
第4節 荒川スパイ問題での敗北
なぜ荒川スパイ問題の事実を明かさないのか/天田、大原、清水ら政治局はどこを向いているのか
第5節 動労千葉特化路線という階級的犯罪
労働運動への冒瀆/国家権力打倒闘争からの逃亡
 
第5章 党内リンチ事件の根拠と構造
 
第1節 導火線に点火したのは中野と清水
異様な党内リンチがなぜ支持されたのか/〇三年新指導路線は政治局内クーデター/関西問題についての指導部会議(ベルリン)/翌年にも関西問題で会議(ホッケー)/二度目の与田基調報告と〝フェニックス〟結成
第2節 与田問題=政治局問題の深層
筆者らは与田問題を正視していなかった/財政的腐敗の問題/浅尾スパイ問題で政治局は腐っていた/浅尾スパイ問題隠ぺいの犯罪性/党内闘争への不見識
第3節 テロ・リンチ以外に方途はなかったか
与田腐敗問題は口実にすぎなかった/中野洋と三・一四Ⅱその後/革共同は組織的自浄力ゼロである/呪縛からの解放は自力しかない
  第4節 左派はなぜ敗北したか
自己批判の入口にも立たず背走した清水/党内闘争の欠如と党至上主義
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第2部 政治局の腐蝕はいつから始まったか
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第6章 本多延嘉書記長虐殺を超克しえたか
 
第1節 カクマルによる凶行
清水時代は本多時代とどう変わったのか/血にまみれたフランス語版『資本論』 
第2節 三・一四復讐戦を政治局は指導しえたか
試練に立たされた政治局/革共同のもてる英雄主義が爆発/先制的内戦戦略を提起/対カクマル戦第一主義の倒立性/「本多さんの弔辞を、オレは書いていない……」/反清水グループの形成と処分
第3節 本多延嘉の革命観
七〇年代革命の爆発的高揚へ/革命の原理と内乱の論理/『前進』六四六号「堅実で全面的な発展」の構想/六四六号論文の欠陥は何か/七五年三・一四による杜絶と回復
 
第7章 歪曲と転落の分岐点=第五回大会
 
第1節 戦略的総路線の彼岸化
変則的で異例づくしの大会/大会前後の政治局会議/清水一人で議案を報告/清水・三里塚二期決戦論のカラクリ/「強いられた決戦」の過度の強調
  第2節 党絶対化と大衆運動利用主義
八〇年代中期階級決戦というフィクション/三里塚農民への政治的利用主義/「三年間、三里塚をもたせてくれ」/労働運動軽視の裏返し
  第3節 対カクマル戦をどうする
対カクマル戦を続けるか否か/清水は対カクマル戦の仮象を必要とした/大衆運動の戦略的後景化/党防衛の絶対化=清水独断・権威主義体制の始まり
 
第8章 本多内乱・内戦論の改ざん
 
第1節 先制的内戦戦略論のジグザグ
革命の垂直的対決への恐怖にとりつかれた清水/先制的内戦戦略論の原典=津久井論文の特徴/革命の展望と先制的内戦戦略の位置/原典を自ら換骨奪胎――清水の三・一四宣言/野島「三・一四宣言」との異同は?
  第2節 清水の動揺がもたらしたもの
先制的内戦戦略論にふりまわされた闘争現場/指導における政治と軍事の逆転/先制的内戦戦略の原典を自ら反故に/「水平・垂直論を削除してくれ」――七八年巻頭論文の作成論議で
第3節 政治局の内的解体
政治局における歪んだ党内闘争/政治局会議はいつも北小路罵倒/清水・秋山の葛藤/大衆運動政策での「最大最高の失敗」/「政治局の顔の見えない党でいいのか」
  
第9章 清水政治局の堕落と党員の英雄主義
 
第1節 三里塚三・八分裂をめぐる誤り
石橋弾劾運動から三・八分裂へ/一坪再共有化運動の政治構図/三・八分裂は回避できたか/第四インターへのテロル
  第2節 三里塚決戦と国鉄決戦の推進へ
八五年一〇・二〇三里塚戦闘と収用委解体の勝利/動労千葉第一波ストと浅草橋戦闘/九〇年天皇決戦の日本近現代史上の意義/清水は「日本=単一民族」論者/中核派の〝白鳥の歌〟
第3節 非公然政治局体制の破局
古参政治局員の政治的・組織的破産/秋山による最悪の組織的犯罪/不運の陶山健一を切り捨てた清水
 
10章 九一年五月テーゼの虚実
 
第1節 五月テーゼが党内亀裂・路線的混迷を加速
清水=中野密約から始まった/清水によるクーデターとしての五月テーゼ/五月テーゼの意図的な誤読の誘導/五月テーゼを改めて読み返す/五月テーゼの特徴と核心点/清水はなぜ路線転換に舵を切ったか/五月テーゼと清水=中野密約の関係/中野が動労千葉防衛原理で分派活動
第2節 五月テーゼの解釈変え
五月テーゼを無効化しようとした秋山/「左」に大ブレした清水/清水の闘病と秋山―天田体制への移行/入管闘争と部落解放運動の大衆的高揚/秋山が軍縮小を観念した八・一路線―一・一路線
  第3節 政治局大再編
一九全総で初めて五月テーゼを討議/二〇全総は政治局内左右対立の始まり/第六回大会と〝粘土の左派〟
第4節 スパイ化攻撃とのたたかいで敗北
党中枢情報をつかまれた三つのスパイ事件/栗山スパイ問題とは何だったのか/北小路にもスパイ化工作が迫る/編集局内に中野派フラクを形成/権力との対決の弱点となった五月テーゼ
第5節 新指導路線から〇六年三・一四党内リンチへ
中野が内的崩壊と政治的沈没の危機に/「オレが中野に七・七問題をわからせる」/革共同に労働運動の理論と路線があったのか 
 
11章 〝革共同政治局の敗北〟から新しい道へ
 
第1節    一〇・八羽田闘争前夜解放派リンチ事件
三つの負の教訓/一〇・八をめぐる三派の主導権争い/一〇・八前夜解放派への凄惨なリンチ/本多はなぜリンチを決断したのか/一〇・八に革命党の命運をかけた本多/三派全学連の継続、発展はありえたか
第2節    七〇年八・三海老原事件をめぐって
政治局の組織的責任の放棄/政治局絶対化と無批判的追随主義の始まり/対カクマル戦の棘
第3節     連合赤軍事件の外在化の誤り
   第4節 反スターリン主義の徹底化こそ
本多延嘉と清水丈夫との断絶/第七回大会は合法主義、組合主義・経済主義の極み/労働者人民への「転向の勧め」/革共同の限界はどこにあったか/組織論における反スターリン主義の不徹底/党大会の決定的不可欠性/中核派精神は一人ひとりのなかに
  
あとがき  本多延嘉書記長の「遺言」によせて       岸  宏一
     七・七自己批判の実践を止めることはできない   水谷 保孝
 

 (追)ようやく「もう一つの中核派50年史」がでた。
    あらかじめ「噴飯もの」という声もあろう。
    とはいえ、元中核派はあまりに語らなすぎる。「周知の秘密」と誰も知らない事実・真実と。
    
    そんな中で勇気をふるって語ろうとする姿勢自体をおおいに是としたい。
    見出しを観ても、知らない事知りたかったことが満載のようだ。
    事実を掘り下げ、俯瞰できる数少ない書として、おおいに歓迎したい。

    足りないもの、思い出したくない事実もあろう。「害悪」もあろう。
    「不都合な真実」もあろう。歪み(バイアス)もあろう。
    けれどもそれはむしろ、他の人々が自分の声として語りだすことで埋めれば良い。
    お互いに「死ぬ前に事実を語っておけ…」