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加藤和樹の韓国ミュージカル初観劇体験記③『エリザベート』チョン・ドンソクさんトートの新解釈とは?!
2015/09/10
写真提供:EMKミュージカルカンパニー
D:今回のトートでは、2幕のエンディングで、エリザベートが死んだことで、「俺のものになった」という解釈ではなく、「愛を知った」という目線で演じました。2幕のエンディングで白い衣装で迎えに行くのは、エリザベートをもっと高いところ(天国)に行かせてあげることであって、深く愛したからこそ「俺のものにしない」と分析しました。
もし、俺のものにしてやろう、という解釈ならば、ルキーニにナイフを渡さないで、自殺をさせるか、自分が殺すという風になるんではないかと。
K:なるほど、そういうことか….
D:だから2幕のエンディングは、天国と人間世界の間のところで、エリザベートを迎えに来て、天国におくりだす。
日本のエンディングでは、エリザベートが死んだことで、エリザベートとトートが結ばれた、という解釈ですか?
K:日本のトートを演じている人たちがどういう解釈で演じているか僕はわからないのですが、少なくとも観ている人たちは、たぶん、トートがエリザベートを手に入れて、ハッピーエンドと思っている人もいるかも。
だから、いまのドンソクさんの解釈を聞いて、すごく納得できる部分がありました。
D:エンディングの解釈がちゃんと立ってから、それまでの解釈もはっきり見えてきたんです。
K:ルキーニはどういう存在ですか?
写真提供:EMKミュージカルカンパニー
D:僕のトートがみるルキーニは「人間」ということだけです。ナイフを渡す時以外は「操る」という感覚は無いです。
K:なるほど!
D:ルキーニにナイフを渡すのも、すごく計画を練って渡しているのではなくて、エリザベートに対する気持ちが変わった瞬間、ルキーニにナイフを渡しただけ。ルドルフが死んだ後にトートの気持ちが変わるので、「愛」という感情に変化があったときに、ルキーニにナイフを渡した。
K:この解釈は、ほかのトートの方も一緒なんですか?
D:いや、一緒とは言えないですね。エンディングに関しては、僕が感じたことを芝居に反映しているだけです。
K:昨日の舞台を思い出してみると、トートとルキーニが交わることがほとんどないんですよね。日本の『エリザベート』では、トートとルキーニが同じ空間にいること、交わることが多いんです。
写真提供:EMKミュージカルカンパニー
D:そうなると解釈が変わってきますよね。
K:そこ、交わらないんだ、と思って。観ていて面白かったです。
D:日本版も面白そうですね!!観てみたいです。
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