三菱重工が開発全体のとりまとめを担当し、ほかの国内企業の技術も活用する
岸信夫防衛相は30日の閣議後の記者会見で、次期戦闘機の開発主体として三菱重工業と正式に契約したと発表した。航空自衛隊のF2戦闘機の後継として日本主導で量産をめざす。「F2の退役が始まる2035年ごろまでに初号機を配備できるよう開発を着実に進める」と述べた。
三菱重工は小型ジェット旅客機の事業化について凍結する方針だ。岸氏は旅客機の事業凍結は戦闘機の開発に「全く影響がないと考えている」と話した。
戦闘機の最新技術に関して情報提供する海外企業を年内に決め、体制を整える。レーダーから探知されにくい「ステルス性能」などの技術で助言を受ける。
防衛省の公募に三菱重工1社が応募し、正式契約に向けた作業を進めていた。同社が全体のとりまとめを担当し、エンジン担当企業などが下請けになる。
F2は1980~90年代に日米が共同開発した戦闘機で、機体の組み立てを三菱重工が担う。エンジンは米ゼネラル・エレクトリック(GE)製を使う。2030年代から退役が始まる。
空自が運用する戦闘機のうちF15とF35は米国製だ。F2の後継機でも国内企業が開発に関与しなければ戦闘機づくりの技術を伝承できないとの懸念が指摘されてきた。次期戦闘機は日本主導で進め、国内防衛産業の維持を狙う。