行列のできる名店の味は、どうしてこんなにも違うのか?その“門外不出のレシピ”に迫り、こだわりの映像でお伝えする「教えて名店さん!」。
第4回のメニューは、食欲の秋にうってつけの「ホットケーキ」!!
今回、ご紹介したのは、「ムッチムチで極厚なのに、ノドに詰まらず最後まで食べ終わってしまう」という名店さんや、「見た目の美しさにもこだわった“美しいホットケーキ”を出す」名店さん、さらに、「ホットケーキの可能性を考え抜いて、驚きのフワフワ食感を生み出した」名店さんなど!
もちろん、そのレシピのヒケツに迫ったあとは、おうちで作る場合に、どうすればその味に近づけるのか店主たちと大研究しました。見て美しさに驚き、作って工夫に驚き、もちろん食べておいしさにも驚く。
シンプルなようでとても深~いホットケーキの世界を、お伝えしました。
むっちりむちむち!夢の極厚ホットケーキ
埼玉県草加市で人気を集めるのは、ホットケーキが看板メニューの名店(カフェ)。
店主の今井慶子(いまい・けいこ)さんが、まるで蒸しパンのようなむちっと食感がたまらない極上ホットケーキの作り方を伝授してくれました。
名店と家庭の味の大きな分かれ道は、【火加減は超弱火】。地味ですが、このひと手間で“差”がつくんです。
材料・1人分
- 薄力粉75グラム
- ベーキングパウダー5グラム
- グラニュー糖20グラム
- 卵(M)1コ
- 牛乳47ミリリットル
- クリームチーズ50グラム
- 溶かしバター(上澄み)適量
- りんご4分の1個
作り方
- 薄力粉・ベーキングパウダー・グラニュー糖をふるいにかける。
【ポイント:ダマや粉っぽさが残るのを防ぐ!口当たりをよくするひと手間】 - ボウルに卵と牛乳を加え、15秒ほど混ぜてなじませる。
- (2)に(1)を加え、20秒ほどざっくりと混ぜ合わせる。
【ポイント:混ぜすぎてしまうと生地に粘りが出て膨らみにくい】 - 冷蔵庫で冷やしておいたクリームチーズ(ラップで包んでおく)を手で温めながらやわらかくする。
【ポイント:クリームチーズを加えることで、甘じょっぱく最後まで飽きずに食べられる】 - (3)に(4)を加え、20秒ほどざっくりと混ぜ合わせる。
【ポイント:味の変化が楽しめるように大小の粒を残す】 - 直径16センチのフライパンを中火で温める。※たまご焼き器で代用してもOK。
- ぬれ布巾を用意し、激しいジューという音がほぼ収まるまでフライパンの底を押し当てて冷ます。
【ポイント:底の温度を均一にして焼きムラを防ぐ】 - 溶かしバターの上澄みを紙タオルにとり、フライパンに薄くなじませる。
【ポイント:上澄みは不純物が少なく焼きムラ防止に!】 - (8)に生地を流し、超弱火にして8分焼く。
【名店と家庭の味の分かれ道:火加減は超弱火。生地が一気にかたくならずにジワジワと立ち上がり、極厚&むちっと食感に!】 - りんごを5ミリ幅に切り、生地の表面に並べ、フタをする。
※たまご焼き器で焼く場合、アルミホイルでフタをしてもOK。 - 8分後、フタをとり、裏返したら、フタをしてさらに8分焼く。
【ポイント:フタをして蒸し焼きにすることで、むちっと食感に!】 - 8分後、フタをとり、4等分にして盛りつければ完成。
【ポイント:4等分にすることでシェアしやすい。運んだときに香りも届けられる】
※お好みでバター・生クリーム・シナモン・シロップなどを添える。
※フライパンの厚みや素材、ガス台の機種により、多少、焼き時間が異なる場合もあります。様子を見ながら試してください。
美しすぎるホットケーキ
美しさの秘けつは、型枠の内側にオーブンシートをそわせることで、生地がくっつくことなく側面がきれいに!
そして、温度を均一にキープできるIH調理器を使って焼きムラを防ぐ!など名店の一工夫をお伝えしました。
なにこれ新食感!ふわっふわホットケーキ
グルメの街として知られる東京・銀座に、新食感ホットケーキで話題の名店(カフェ)が!店長の松本美夢(まつもと・みゆ)さんが、舌の上で消え去るふわっふわホットケーキの極意を教えてくれました。名店の味と家庭の味の大きな別れ道は、【メレンゲを加える】。
このひと工夫で“差”がつくんです。
材料・1人分
- 薄力粉20グラム
- 塩少々
- 天ぷら粉25グラム
- 卵黄(L)1コ分
- てんさい糖15グラム
- 水30ミリリットル
- 卵白(L)2コ分
- グラニュー糖(3回に分けて加える)15グラム
- バター適量
- 蒸し焼き用の水適量
作り方
- 薄力粉・塩・天ぷら粉をふるいにかける。
※ふだんお店で使っている業務用の小麦でんぷん。それを、スーパーなどで購入できる天ぷら粉で代用。 - 卵黄とてんさい糖をなじむ程度に混ぜる。
- 鍋に湯を沸かしを(2)を1分ほど熱する(湯煎)。
【ポイント:湯煎の湯は沸騰する手前で弱火に!卵がかたまりすぎるのを防ぐ】 - (3)を湯から取り出し、水を加え、卵の粒がなくなるまで30秒ほど混ぜる。
- (4)に(1)を加え、なじむ程度に30秒ほど混ぜる。
【ポイント:練るように混ぜると口どけが悪くなる】 - ボウルに、冷蔵庫で冷やした卵白を入れ、ハンドミキサーで卵白をほぐす(低速で30秒)。グラニュー糖3分の1の量を加え泡立てる(中速で1分)。さらにグラニュー糖3分の1の量を加え泡立てる(中速で1分)。残りのグラニュー糖を加え泡立てる(高速で1分30秒)。
【名店と家庭の味の分かれ道:メレンゲを使うことでふわっふわ食感に!】 - (5)に(6)のメレンゲ3分の1の量を加え、30秒ほど手早くなじませる。
- (7)に残りのメレンゲを加え、30秒ほどさっくりと切るように混ぜる。
【ポイント:泡を潰すと膨らみにくくなる】 - ホットプレートを170度に熱し、バターを薄くなじませ、焼きムラができないように紙タオルで拭き取る。
- 計量用の大さじで生地をすくい、ホットプレートに積むようにのせる(3段)。
【ポイント:積むようにのせることで型枠を使わなくても極厚に!】 - 3分焼く。
- 3分後、裏返してさらに3分焼く。
【ポイント:裏返すときはゴムベラで軽く端を持ち上げ隙間を作り、ヘラが入りやすいようにとおり道を作ると表面に傷が付きにくい】 - 3分後、裏返したら、ホットケーキにかからないように水をかけ、フタをして1分30秒蒸し焼きにする。
【ポイント:裏返すときは生地を1度手にとり、やさしく置く】 - 1分30秒後、裏返したら、ホットケーキにかからないように水をかけ、フタをしてさらに1分30秒蒸し焼きにする。
- フタをとり、盛りつけて完成。
※お好みでバター・生クリーム・シロップなどを添える。
※ホットプレートの機種により、多少、焼き時間が異なる場合もあります。様子を見ながら試してください。