浜松市の遠州病院は午後6時から会見をひらき、大石強病院長が院内クラスターについて説明しました。
大石病院長:
当院は新型コロナ感染症対策の協力医療機関として、確定患者5床、疑い患者1床を常に常備している病院です。感染管理認定看護師を1名、およびICT委員会を1カ月に1回開き、感染対策については万全を期している病院です。まずそのことを理解していただければと思います。
【病院クラスターの経緯】
11月3日、救急外来に市内の施設から心不全の高齢患者(A)が救急搬送されました。新型コロナを疑いましたが、呼吸器症状や発熱もなし、画像検査で全く肺炎を疑う所見がなく心不全で入院しました。11月7日、市内でクラスターが発生したと報告され、患者がいた施設も関連があったので念のために抗原検査をしました。その結果陽性でした。
11月3日から7日は一般病棟に入っており、病棟の看護師全員と残りの患者126名を11月7日の時点で抗原検査をしました。
最初に出た陽性者1名以外は全員陰性でした。しかし陰性でもその後陽性になる可能性があるので、その病棟の患者や看護師職員全てをモニターしていました。
11月9日で当初陰性だった患者が熱があったので再検査したところ、陽性でした。
11月11日と12日に2度目の検査を85名に行い、全員が陰性でした。
12日の午前中から他の病棟、最初は9階でしたが10階の患者(C)に熱があったので抗原検査を実施し、陽性でした。
12日と13日は別の病棟でスタッフ全員とその患者(C)がリハビリを行っていたので、リハビリのスタッフも含めて86名と、患者のうち熱が出ている人と、その患者(C)と同じ病室の患者のみ検査したところ、スタッフ1名と同室患者3名が陽性となりました。
看護師1人、他の職種の1人が判定保留だったので、現在PCRの検査結果を待っています。
13日の時点で患者6名、スタッフ1名の計7名陽性患者が出ています。
【病院の対応】
12日の時点から原則すべての手術を中止、ただし急を要する手術は抗原検査を実施してから実施することにいたしました。全リハビリも中止、当該2病棟は閉鎖しました。
最も困るのは救急です。私共は2次救急病院で6日に1回担当していましたが、受けられなくなりました。消防に連絡させていただき、一般で来る救急も控えていただき、どうしてもという患者のみ受け入れる状況になっています。
2次救急については他の大きな病院にお願いしています。
入院患者やいつも通っていただく外来患者には多大な不安と心配を今与えている状況だと思います。患者及びご家族に申し訳なく思っております。
Q9階から10階に感染がつながる経路はあるのかー
救急搬送された最初に半日ほど、1例目の患者(A)と別病棟の患者(C)が隣だった。その後9階と10階に分かれた。
Q病棟閉鎖しましたが、発症していない患者はどのように対応したのかー
新しい患者の受け入れはしておらず、感染していない患者はそのまま入院を続けている。退院できる患者は検査をして、あまり2週間は気を付けて出歩かないようパンフレットを配って説明する。
Q現状封じ込められているのかー
まっただ中にあるので封じ込めとは到底思っていません。これからまだ熱が出る患者もいるかもしれません。個々の患者は厳重に2週間みていかなくていかないので、まだまだ収束とは言えません。まだまだ先は長いと思います。
Q患者の状態はー
1人重症者がおり、全員が70歳以上です。現在は全員が遠州病院で現在も治療を受けています。
Q一般病棟の共有スペースで食事をしていた?-
患者(A)がある程度回復してから食事をしていました。他の患者と机を並べて食べていたので感染の可能性を考え調べましたが、その場にいた人は陰性でした。
Q今後外来についてはどうしていくのかー
外来リハビリは中止、1、2階の外来は通常通り運営を考えている。
Q病院の病床は現状どうなっているのかー
全400床のうち急性期病床は340床。9階10階の約100床が使えないので急性期の稼働率は約半分になっている。
Q重症者は患者かー
そうです。その後亡くなりました。浜松市が発表した80代の女性です。それは患者(A)さんで、心不全がもともとあり、死因は心不全です。
Q判定保留の2人とはー
抗原検査で擬陽性だった人です。その場合はPCR検査を実施します。