バルナックライカ Nr.481xxx ハーフミラー交換

0 -
今日のバルナックは Nr.481xxx 1950年頃のIIIcです。
シャークスキンしぼのグッタが貼られたものです。
IIIc にしてはメッキもきれいですがシンクロ改造してあるのがきにいりません。
症状は、巻き上げが固い,本当に固いです。1/60近辺でしかシャッターは切れません、1/100以上はシャッターはシーケンス不良でロック。 スローガバナーが動作していません。ハーフミラーはうすいどころか2重像ありません。シャッター幕はきれいです。シンクロターミナルがホットシューの右下に飛び出ています。

結構重症ですね。でもこれ単なる油切れと、シャッターバネの調整不良/幕速度調整不良ですね。スローガバナーは多分カムがかんでいないような感じです。
ということで外装シェルを外します。
IMG_4980.jpg

やっぱりスローガバナーカムが噛んでいません。
これが噛んでいないということは相当ひどいメンテナンスがなされたようですね。念のためスローガバナーのひげゼンマイが外れていないかチェックします。
IMG_4984.jpg
IMG_4991.jpg

シャッターバネ板カバーを開けてびっくりです。なんとシンクロ接点を、大事なシャッターバネ板の上に作ってあります。
シャッターバネ板は非常に微妙な部位でこのような加工は御法度ですね。
これが原因でシャッターは結構調子悪かったのではないかと思います。不具合のほとんどはこの改造に起因しているのでしょう。
早速すべてを取り去り、注油、シャッターテンション、シャッターバネ板の調整を行いました。シャッターは非常に調子よく動くようになりました。
IMG_4986.jpg
IMG_4988.jpg

ハーフミラー交換します。ファインダー右側のカバー(ふた)を開け中のミラーを交換します。
これは交換すれば良いだけですのでそれほど難しくありません。
ハーフミラーの裏表をまちがえないことと貼付けベースをきれいに掃除をしてきっちりと所定の位置に貼付けることが必要です。貼り付け方向はハーフミラーは接眼側がメッキ面です。
私は2液混合型のエポキシ接着剤を極微量使用して貼付けています。貼り付けと同時に1メートルと無限遠で2重像確認をします。
どちらが外れるようであれば,綿棒等でミラーを押さえて調整します。1メートルと無限遠で2重像が一致しないのはミラーがななめになっているからです。

交換用のミラーです。厚さは1ミリで,大きさは外したミラーと同じ大きさに切り出します。
IMG_5005.jpg

IMG_5014.jpg

古いミラーです、そうとうやられています。
IMG_5024.jpg

完成です,非常に調子が良くなりました。
ではでは

IMG_5027.jpg


ページトップ